2008年10月4日(土)「しんぶん赤旗」
高齢者医療 雇用 食と農業 平和
国民の不安に応えよ
共産党の抜本的対案を提示
参院本会議 市田書記局長が代表質問
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日本共産党の市田忠義書記局長は三日、参院本会議の代表質問にたち、「国民の暮らしの不安は自公政権がつくりだしたもの」と反省を求めるとともに、後期高齢者医療制度、雇用問題、食の安全、戦争と平和の問題で国民の声と実態を示し、政治の転換を迫りました。麻生太郎首相は、「(自民党は)日本の繁栄を導いた」と述べつつ、「さまざまなひずみ、新たな問題が生じている」と認めざるをえませんでした。(全文)
「お年寄りを、そして将来老齢を迎えるすべての国民を不安に陥れたのが後期高齢者医療制度だ」
市田氏は、自公政権が強行した同制度に対する国民の怒りを突きつけ、速やかな廃止を主張しました。
市田氏が「『あなたは今日から七十五歳。ご苦労さまでした。今日からはせめて医療費だけは心配かけません』―これが本来の政治のあり方ではないか」と諭したのに対し、首相は「(同制度は)高齢者が心配なく医療を受けられる仕組みになっている」と答弁。制度の存続にしがみつく姿勢を示しました。
雇用問題で、市田氏は、首相に最低賃金を全国一律千円に引き上げる意思はあるか、労働者派遣制度見直しで、一九九九年の原則自由化以前に戻す決意はあるかと迫りました。しかし、首相は「(最賃の引き上げで)中小企業の経営が圧迫され、かえって雇用が失われる」「(派遣制度を)原則自由化以前に戻すのは適切ではない」などと答弁しました。
市田氏は、大企業が派遣労働者を短期で雇い止めにしている実態を示し、「人は、決して三カ月や数カ月単位、最長二年十一カ月単位で人生を送るのではない。ところが日雇い派遣なら一日ごと、期間社員なら最長でも二年十一カ月だけの人生しか見通せなくなる。これほど不安な人生はない」と強調。派遣労働だけでなく、有期雇用の見直しを求めました。
首相は、「労働者のニーズも多様」としつつ、「必要以上に短い雇用期間を定めることなく、できるだけ長くするよう(企業に)指導を行っている」と述べました。
食への不安では、市田氏は、汚染米の八割が輸入米であるとし、根本原因が自公政権の進める農政にあることを指摘。(1)国内では減反を押し付けておきながら、米国に義理立てしてミニマムアクセス米を七十七万トンも輸入してきたこと(2)米の売買業者を許可制から届け出制に規制緩和し、流通を市場任せにしてきたことを批判し、「『農業を保護の対象からはずす』とうたう総理の方針は、亡国農政そのものだ」と告発しました。
首相は、汚染米について「深く反省する」と述べましたが、輸入自由化などを見直す考えは示しませんでした。
市田氏は最後に、自衛隊のインド洋派兵で、米国の報復戦争支援に固執する首相の政治姿勢を厳しく批判。米国防総省と関係の深いシンクタンクも「対テロ戦争よりも警察活動などが有効だ」としていることをあげ、「報復戦争に協力しないと『国際的に孤立する』などという政府の立場こそ、世界から孤立している」と強調しました。
自衛隊の撤収と政治的解決の努力を求めた市田氏に対し、首相は「(派兵の)継続は、ぜひとも必要」とアメリカいいなりの態度を示しました。
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