2002年12月4日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党は三日、第五回中央委員会総会を党本部で開きました。いっせい地方選挙が四カ月後に迫り、政局が解散・総選挙ぶくみで推移するなか、幹部会報告に立った志位和夫委員長は、「きたるべき政治戦で、勝利と躍進をかちとるうえで、きわめて重要な時期に立っている」として、当面する政治課題と選挙勝利をめざす党活動の強化方向について重点的に報告しました。討論では十八人が発言し、志位委員長が結語をのべました。
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志位委員長は、(1)国際問題と日本共産党の野党外交(2)暮らしと経済(3)政党状況の新しい局面(4)地方政治の新しい流れ、無党派の人々と日本共産党の共同の探求(5)選挙勝利をめざす活動の推進のために、の五つの柱で報告しました。
国際問題では、イラク問題につづいて、「交渉の前途に困難や障害も生まれてきている」日朝問題の現局面と、日本共産党の立場を明らかにしました。
志位氏は、日本共産党が交渉当事者でなく、得られる情報にも制約があることなどから、「日本政府がとっている個々の判断や決定に是非をのべることを自制する立場をとっている」とのべました。
同時に、今後の交渉で日本政府が堅持すべき「大局的立場」として、(1)北東アジア地域全体の平和と安定をたしかなものにする(2)両国間の諸懸案を包括的テーブルにのせ、包括的に解決する(3)北朝鮮が国際的な無法をおかしてきた国であればこそ、日本側の対応は道理と理性にたったものであるべきだ、の三点をあげました。
また、今日の政党状況について、多くの政党が訴えるべき政治戦略をもたず、よるべき組織ももてなくなったもとで、「政党本来の立場にたって堂々と活動をすすめている“政党らしい政党”は日本共産党だけ」という、重要な意義をもつ新たな局面が生まれていることを強調。
与党陣営では自民党政治の支持基盤が土台から崩壊現象をおこしていること、その自民党の組織的支えとなっているのは公明党・創価学会で、同党に残された「存在意義」は反日本共産党の先兵ということしかないことなどを指摘しました。
一方、野党では、日本共産党は国会での一致点での野党共闘を誠実に追求する姿勢をとってきたが、同時に、「多くの野党が自民党政治をどう変えるのかの旗印と戦略をもてないでいることも事実」であり、この弱点が「野党の混迷」といわれる深刻な状況の根本にあると指摘しました。
そして、このもとで、「政党本来の立場にたって堂々と活動をすすめている日本共産党の立場はきわだっている」として、日本共産党が、(1)自民党政治を変革するたしかな路線と戦略をもっている(2)外交、内政、経済のどの分野でも建設的対案を示し、その実現に向け行動する党である(3)草の根で国民と結びついて、国民の利益のために献身する自前の組織をもっている(4)「しんぶん赤旗」という独自のメディアをもって国民との結びつきに努力している―ことをあげました。志位氏は、「この党を躍進させてこそ、いまの政党状況を前向きに打開できる」とのべ、日本共産党の値打ちを大いに語る選挙にしていこうとよびかけました。
このあと、この間の地方選挙も振り返りつつ、全国各地で「自治体らしい自治体」のあり方を取り戻そうという希望ある変化の広がり、その変化をとらえた党活動の新しい発展、「攻めの構え」を全党のものにすることなど、選挙戦勝利のための活動を推進・加速するうえで留意すべき問題に言及しました。
公明党・創価学会の反共攻撃を撃破する課題では、事実と道理さえ握れば、ウソで固めた攻撃は必ず打ち破ることができると強調。「いま輝く党の値打ちを広く国民のなかに明らかにし、きたるべきいっせい地方選挙、総選挙で必ず勝利者になることを誓いあおう」とよびかけました。
討論の結語に立った志位和夫委員長は、「前進への新たな決意がみなぎる総会となった」とのべ、CS通信で視聴した全国の党員から寄せられた数百の感想でも、「わが党が“政党らしい政党”としての活動を堂々とおこなっている唯一の党であることへの誇りと確信が共通してのべられている」と紹介、ここは報告の提起のカナメであり、「この点を受けとめてくれていることは頼もしいことだ」とのべました。
外交、経済、地方政治のどの分野でも党の値打ちがこんなに浮き彫りになることはなく、今日の政党状況のもとでとりわけきわだつとのべ、「いま輝く党の値打ちを全党が学び、誇りとし、大いに語る、ここに指導と活動のカナメがある」と強調しました。
さらに、今回の中央委員会総会が、「地方政治での希望ある新しい流れが生き生きと交流された総会だった」とのべ、共通した特徴として、(1)自民党政治の支持基盤の深刻な崩れがどこでも大きくすすんでいる(2)日本共産党が変化に柔軟に対応して「政治を変えたい」と願う住民の大同団結をはかる大きな見地で活動していることを指摘。無党派の人々との共同の基本は、要求にもとづく共同であることをあげました。
志位委員長は選挙にのぞむ構えについて、二重に「攻めの構えを」と提起したことの重要性を指摘。とくに、得票増に挑戦し、当選しさえすればいいという弱点を正面から突破する選挙にしていくこと、候補者決定について、年内に必ず決めきって意気高くたたかうことを強調しました。
公明党・創価学会の反共攻撃への反撃について、攻撃は必ず打破できるという確信を全党のものにすることが大事だと指摘。草の根のたたかいで、国民的決着がつくまで、相手が孤立し、党の値打ちが輝くところまで徹底してやりきろうとよびかけました。
最後に志位委員長は、「いっせい地方選挙、総選挙に勝ちぬくために、中央役員が先頭になって力をつくそう」と訴えました。
(1)イラク問題――戦争に反対し、国連の枠組みのなかでの平和解決を
(2)日朝問題――今後の交渉にあたって堅持すべき大局的立場について
(3)野党外交――その発展の土台となった路線と方針はなにか
(1)「小泉改革」――救いようのない深刻な自己破綻に
(2)広範な人々の共同の旗印――「四つの緊急要求」かかげ国民的大運動を
(3)「不良債権処理の加速」――経済主権を根本から脅かす暴挙を許すな
(1)多くの政党が訴えるべき政治戦略も、よるべき組織もなくなる状況
(2)政党本来の立場にたって堂々と活動をすすめる日本共産党の値打ちが光る
(1)新しい流れの広がり――こうした変化がどうして起こっているのか
(2)変化を広い視野でとらえた党活動の発展を――新しい創造的探求がもとめられる
(1)選挙戦にのぞむ「構え」――二つの面から「攻めの構え」を全党のものに
(2)公明党・創価学会による反共攻撃の撃破――ウソでかためた攻撃は必ず打ち破れる
(3)党員と読者をふやし、“読者とともにたたかう選挙”に
(4)“住民とともにたたかう選挙”――後援会活動を思い切って重視して