
2006年11月17日(金)「しんぶん赤旗」
外交的解決をめざす
北朝鮮問題 米バーンズ国務次官
【ワシントン=鎌塚由美】米国務省のバーンズ国務次官(政治担当)は十五日、下院外交委員会の公聴会で証言し、北朝鮮問題について外交的解決を改めて強調しました。
バーンズ国務次官は、北朝鮮の核問題の解決では「並行した戦略を追求」しているとし、安保理決議による「制裁」で圧力をかけると同時に、六カ国協議で「交渉の外交的門戸を開いておくこと」の重要性を説明しました。
同氏は、北朝鮮との二国間協議を求める声が上がっていることを念頭に、十月末に北京で行われた中国、北朝鮮との三者協議に触れ、ヒル大使が北朝鮮と二国間で話し合った結果、北朝鮮の六カ国協議の復帰が実現したと強調しました。
六カ国協議の再開時期については「年末までに」と述べるにとどめた同次官は、次回の協議は「協議のための協議にはできない」とし、「真の前進が見られなくてはならない」と語りました。
中間選挙の結果、次期外交委員長となることが確実となった民主党のラントス議員は、ブッシュ政権に北朝鮮と直接対話を要求しました。
同議員は、六カ国協議の再開は歓迎すると述べた一方、「外交面での新しい試み」が必要だと指摘。「包括的、検証可能な取り決めを交渉する権限をヒル大使に与え、北京に派遣すべきだ」と主張。この点で「副大統領執務室と国防総省の強硬派に拒否権が与えられてはならない」と語るとともに、「ヒル大使は六カ国協議後に平壌に立ち寄り、われわれの平和的意図をむしろ行動で示すべきだ」とも語りました。