
2006年10月17日(火)「しんぶん赤旗」
北朝鮮核実験
日本ペンクラブが批判
叡智つくし外交解決を
日本ペンクラブの井上ひさし会長は十六日、東京都内で会見し、北朝鮮の核実験実施発表について「国際社会を愚弄(ぐろう)するもので許されない。全存在を賭けて反対する」と厳しく批判する声明文を発表しました。
井上会長は、「非核兵器地帯を少しでも広げてほしいという普通の人間の願いをふまえた」と、「一致協力した叡智(えいち)縦横の外交」を求める声明発表の理由をのべました。また、自民党の中川昭一政調会長の核武装発言について、世界の現実をふまえておらず、「ぼやぼやしていたら核兵器でやられるという効果を狙うもの。幼稚な発言で政治家失格だ」と批判しました。
同席した吉岡忍理事は「北朝鮮の事態で日本社会に戦時体制がつくられる危険性がある」、浅田次郎常務理事も「日本ペンクラブという反戦を旗印にした常識的な言論人の義務として考えた場合、外交の一手段として戦争を考えるのは、ナポレオン時代の論理」とのべました。
中西進副会長(京都市立芸術大学学長)は「いまだに十九世紀的な『帝国主義』の幻想を抱く国に強く核廃絶を訴えていきたい」と発言しました。
声明文は、(1)北朝鮮の核兵器開発中止(2)国際社会の外交による解決(3)核保有国の核廃絶―を求めています。
会見には新井満、高橋千劔破両常務理事、菱沼彬晁、松本侑子両理事も同席、発言しました。