
2006年7月12日(水)「しんぶん赤旗」
国連安保理
対北決議 採択は延期
日米「中朝協議見守る」
【ワシントン=山崎伸治】日本などが提出した国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議案に関し日本の大島賢三国連大使は十日、中国の武大偉外務次官らが訪朝して実施されている北朝鮮との協議の結果を見守るとして、この日の採決は求めないと表明しました。
ライス米国務長官は同日、中国外務次官の北朝鮮訪問について「ある程度の見込みがある」と述べ、六カ国協議再開に向けた中国の説得に期待を示しました。同長官は、中国の説得工作の結果を見極めるため「日本は時間的余裕を与えることに同意した」と語りました。
一方、中国の王光亜国連大使は、決議案への対案となる安保理議長声明案を提示しました。これは、制裁について規定した国連憲章第七章に触れた部分を決議案から削除した内容となっています。
安保理非公式協議後の記者会見で王氏は決議案について、「将来、加盟国が状況を悪化させるような行動をとるのに使われかねない」と述べて懸念を表明。議長声明が「最善の枠組み、形式だ」と強調しました。
同時に、決議案の修正を求める交渉には応じる姿勢も示唆しました。