
2006年2月6日(月)「しんぶん赤旗」
拉致問題の解決要求
北京 日朝協議で日本側
【北京=菊池敏也】北京市内のホテルで開催中の日本と北朝鮮の政府間協議は二日目の五日、拉致問題を協議しました。日本側は拉致事件の真相究明や生存者の帰国、拉致を実行したとされる元工作員の辛光洙容疑者の引き渡しなどを求めました。協議は十二時間にわたり断続的に行われました。拉致分野の協議では、日本側が梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官、北朝鮮側が金哲虎外務省アジア局副局長がそれぞれ団長を務めました。
日本政府は拉致問題の解決を国交正常化の前提とし、最優先の課題に位置付けています。五日の協議に先立ち、梅田参事官は記者団に「拉致問題はわが国にとって最大の関心事項なので、真剣な検討、誠実かつ具体的な措置を強く求めたい」と表明、北朝鮮側の主張を「じっくり聞いて、反論すべきは反論したい」と述べました。
北朝鮮側は拉致問題を「解決済み」とする立場を崩していません。金局長は協議を前に「拉致問題にはそれぞれの立場に大きな違いが存在する」と指摘。金氏は「われわれの原則的立場を明らかにし、日本の基本的立場を聞く」と語りました。