
2005年11月10日(木)「しんぶん赤旗」
作業部会設置で議論
共同声明履行へ 6カ国協議始まる
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる第五回六カ国協議が九日、北京の釣魚台迎賓館で始まり、九月の第四回協議で採択された共同声明の履行をめぐって各国首席代表が立場を表明。議長を務める中国の武大偉外務次官が作業部会の設置などを提案しました。
武次官は開会式で、今回の中心任務は「約束対約束、行動対行動」の原則で「共同声明の細則、方法、段取りを具体化することだ」と強調。「早期に各国が受け入れられる提案を行いたい」と共同声明の履行計画づくりに意欲を示しました。また、協議を段階的に進めるよう提起。首席代表会議で大きな枠組みのプランを決めた後、作業部会で細部を詰めるよう提案しました。
日本の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は、共同声明を履行する行程表づくりに向けた作業指針で合意を目指すよう表明。(1)核放棄・検証(2)経済・エネルギー支援―の二つの作業部会を設置し、二国間関係と安全保障協力に関する行程表を当事国の協議で策定することを提案しました。
韓国の宋旻淳外交通商次官補も、(1)核放棄(2)エネルギー・経済支援(3)二国間関係の正常化―の枠で手順などについて議論する必要があると提案。全体的な枠組みで合意してから作業部会を設置すべきだと主張しました。
同日夕、記者会見した中国外務省の秦剛報道官は、作業部会設置について「各国との協議を通じて適切だとの基本的な認識を得た」と述べ、今後さらに協議する必要があると語りました。
この日午後には米韓、日ロ、米朝、日中、中ロ、米中、中朝の二国間協議が行われました。