
2005年9月21日(水)「しんぶん赤旗」
6カ国協議の共同声明
米大統領が積極評価
【ワシントン=山崎伸治】北朝鮮の核問題に関する六カ国協議の「共同声明」について、ブッシュ米大統領は十九日午前、ホワイトハウスで記者団に対し、「明確な前進だ。この世界をより安全にするための前進だ」と評価するとともに、「問題はすべての当事者が合意を守るかどうかだ」と述べました。
「前進した側面は、われわれがこの問題(核開発放棄)で真剣であることを北朝鮮が理解した点であり、その過程を検証できるよう期待している」とし、今後も検証が必要だと強調しました。
ライス国務長官は同日午後、国連本部で記者団に対し、「今回の合意が朝鮮半島の完全な非核化、検証可能な非核化に向けた第一歩になるよう期待する」と歓迎。「しかし最初の一歩にすぎない。合意を実施に移し、北朝鮮の核兵器開発その他の核開発計画の解体を検証するという極めて困難な問題に対処せねばならない」と述べました。
北朝鮮が合意を実行するかどうかについては「六カ国協議を数カ月以内に再開し、あらゆる段階で北朝鮮側のやる気を確かめねばならない。やってみないとわからない」と述べました。
将来の平和目的の核開発については、「現時点では議論していない」とし、「北朝鮮が(現在の核開発計画を)取りやめ、NPT(核不拡散条約)に復帰し、IAEA(国際原子力機関)の保障措置を受け入れるなら、軽水炉について議論する。将来の問題だ」と述べました。
協議で米国が北朝鮮に譲歩したかどうかについて、今回の「共同声明」に盛り込まれた項目のほとんどが、二〇〇四年六月の協議での米国提案(核計画完全放棄の見返りに支援)にあったものだと指摘。譲歩していないとの認識を示しました。