
2005年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
六カ国協議
4次草案 米が評価
北朝鮮は難色示す 首席代表会議を延期
【北京=菊池敏也】北京の釣魚台迎賓館で開かれている朝鮮半島の核問題をめぐる六カ国協議は、九日目に入った三日、議長国の中国を軸に二国間協議が繰り返され、中国が示した合意文書の第四次草案について調整が行われました。午後三時(日本時間同四時)に予定されていた首席代表会議は開かれませんでした。四日以降に開くため調整が続いています。
日本代表団関係者によると、米国と北朝鮮の間には、「核放棄の対象」と「平和利用」の問題で「隔たり」が残されており、「中国がいま、懸命に米国、北朝鮮間の調整をしている状況」だと説明しました。
米国のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は三日朝、中国が前日に示した第四次草案について「極めて良い草案で、これが最終案となるべきだ」として、受け入れる立場を示していました。ヒル氏は「北朝鮮の立場は分からないが、草案の一部に懸念があるようだ」と語りました。
佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長も同日朝、交渉が「大詰め」に来ているとの見方を示し、「合意達成に向けて全力を尽くしたいと思うが、大きくは北朝鮮の態度、出方にもよる」と述べていました。
日米両国は核放棄の対象として平和利用も含めるよう「すべての核兵器と核開発の放棄」との表現を主張。一方、北朝鮮の金桂冠外務次官は二日、「核兵器と核兵器関連計画を放棄する用意がある」と述べ、核放棄の対象に平和利用を含めない意向を示しています。