しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年10月4日(金)

大深度地下使用法廃止を

住民生活に深刻な影響

党国会議員団が法案提出

写真

(写真)大深度地下使用法廃止法案を提出する(中央から右へ)山添拓、倉林明子、井上哲士の各参院議員=3日、国会内

 日本共産党国会議員団は3日、地下40メートル以深の「大深度」地下空間は「通常使用しない空間」「地上に影響をおよぼす可能性は低い」等を理由に、地上地権者の同意も補償もないままトンネル工事を行う「大深度地下使用法」の廃止法案を参院に提出しました。山添拓、倉林明子、井上哲士の3議員が参院事務総長に法案を手渡しました。

 法案は(1)大深度地下使用法は廃止するものとし、政府は法施行後、1年以内に必要な法制上の措置をとる(2)すでに大深度トンネル工事が進んでいる場合、事業者は地上地権者の同意等を得なければならず、その間の工事は中断する(3)以上にかかわる損失について適正に補償する―という内容。また、土地価格の減少などによる補償額の算定見直し、大規模地下開発による災害発生防止のための措置強化を盛り込んでいます。

 大深度地下使用法は、2000年の通常国会で日本共産党以外の賛成で成立しました。

 日本共産党は▽リニア新幹線や東京外環道の建設を見込んで制度化しようとしている▽十分な科学的、民主的な調査研究をしないまま事業推進を第一義にしている▽認可手続きに土地所有者の意見が反映される保証がない―として反対していました。

 ▽20年10月に東京外環道トンネル工事中に東京都調布市の住宅地で陥没事故が発生▽今年8月にリニア新幹線北品川工区調査掘進が原因と疑われる目黒川での気泡が発生▽トンネルを掘進するシールドマシンの故障の頻発―など事態が深刻化しています。

 提出のさい、山添氏は「外環道トンネル陥没事故で住民の生活に影響が生じており、地上への影響は生じないとの前提が崩れている。よってこの法案を提出する」と表明しました。

大深度地下使用法廃止法案の骨子

▽大深度地下使用法は廃止し、政府は法施行後1年以内に必要な法制上の措置をとる

▽認可事業者は同法廃止後に次の措置を講ずる

 (1) 同法廃止後も事業を施行しようとする場合は土地の所有者等から使用権原を取得しなければならない

 (2) (1)の権原を取得するまでの間は安全や環境保全のための措置以外はできない

▽以上の措置で生じた損失は適正に補償される

▽地下の公共的使用の場合の補償金額の算定方法について、当該事業による土地の価値が減少した場合の損失も適正に補償されるようにする

▽大規模地下開発による災害発生の防止措置

 (1) 土地の陥没等の防止及び生活環境の保全措置を強化する

 (2) 事前に詳細な地質調査等を実施し、その結果を公表し、大規模地下開発の内容を住民に説明する


pageup