▼不況で大変だから就職難もやむをえないのでは?
今の不況はとても深刻です。でも、不況の影響を一番うけている中小企業は、95年に比べ、全体で3万人の青年の正社員を増やしてがんばっています。ところが大企業は同じ時期に、108万人も青年の正社員を激減させ、青年の就職難の最大の原因をつくったのです。
大企業は、正社員をパートやアルバイトに切り替え、職場に残った労働者にはサービス残業を押しつけて、人件費を大幅に削ることでばく大な利益をあげています。トヨタや日産などは、昨年度、これまでで最高の利益を上げているほどです。不況だから就職難なのではなく、大企業のもうけのために、就職難がつくりだされているのです。
▼就職って個人の努力ですることじゃないの?
自分がなりたい職業のために、努力することはもちろん大切です。しかし、いまの青年の就職難は、一人ひとりが懸命に努力しても、とても解決できないほど深刻です。
今青年の失業者数は175万人。新卒者の就職率は高卒で16%、大卒で55%と多くの人が定職につけません。
青年の5人に1人がフリーター
2002年の完全失業者数359万人のうち15歳から34歳までの青年が、ほぼ半分をしめています。全世代の平均失業率は5・5〜5・3%代ですが、青年の失業率ははるかに高く、15歳〜19歳では4年連続で12%代です。高卒の就職率は16・6%、大卒の就職率は55・0%といずれも過去最悪。「数十人の枠に数千人から数万人の応募がある」といった状況です。これとあわせてパートやアルバイト、派遣などで働き、失業をくりかえすフリーターが急増中。34歳以下のフリーターは417万、青年の5人に1人にあたります。
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これほど深刻な青年の就職難を、かつて日本は経験したことがありません。「何社受けても決まらず、自分は社会に必要とされていないのかと落ち込む」「30を過ぎても、正社員になれず、結婚できるのか不安」といった青年の悲鳴が生まれるのも当然です。
就職難がここまでひどくなった原因は、大企業による人減らし・合理化であり、それを自民党政府が「構造改革だ」などといって積極的に応援したからです。
青年の就職難は、青年個人の問題ではなく、政府と大企業がつくりだした大きな社会問題です。だからこそみんなの力で、自分の利益ばかりを考える大企業の横暴をやめさせ、青年に雇用と働くルールを保障する政治に転換することが必要なのです。
▼サービス残業と就職難って関係あるの?
リストラ・人減らしをすすめている大企業の現場は、たいへんな人手不足。少ない人数で、仕事をこなすために、これまで以上に長時間働かなければなりません。でも、所定外の時間に働かせれば、会社は、最低25%の割増しをふくむ所定外労働賃金を払うことが法律で決められています。このルールを無視し、賃金をまったく払わずに残業させるのがサービス残業です。リストラ・首切りがすすめられる一方で、会社に残された労働者の間に、このサービス残業が横行し、過労死を生むほどの長時間労働がひろがっているのです。
サービス残業はれっきとした違法行為。ただちに改善させなければなりません。第一生命経済研究所の調査によれば、サービス残業を一掃し、その分の仕事に必要な人を雇うとすれば、161万の新規雇用が生まれるということです。政府が、大企業にまともなルールを守らせ、違法なサービス残業を減らすことが、就職難の解決にもつながっているのです。
▼署名って役に立つの?
これまで政府は「青年の就職難の原因は、青年に働く意欲がないから」といってきました。しかし就職難のあまりの深刻さと、改善をもとめる世論をうけ、6月発表の「国民生活白書」では、就職難の原因が大企業のリストラ・人減らしにあることを認め
ました。しかし、大企業の利益を優先する自民党政府には、リストラ・合理化による不当な解雇を規制したり、ルールを無視し
たサービス残業の中止を徹底するよう大企業に注文することができません。だから署名の力が必要です。
国民の運動と国会の追及で
残業代も払わせた
日本共産党はサービス残業の根絶を国会でくりかえし追及してきましたが、そのことも力になって、厚生労働省は2度にわたってサービス残業是正をもとめる通達をだし、2001年4月から02年9月のあいだに約81億円の未払い残業代を企業に支払わせています。その後の半年間に、4都府県だけですでに41億円の未払い賃金が、3万5千人を対象に、支払われています。
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最近、サービス残業の未払いの賃金が、労働者に支払われる事例が各地でうまれています。これは、長時間のただ働きに苦しめられている多くの人々が声をあげ、署名をあつめ、早く何とかしてほしいという世論を盛り上げている運動の成果です。サービス残業は、世論と運動の力でやめさせることができるし、それがすすめば、就職難を打開する道もひらけてきます。ぜひたくさんの雇用署名を集めていただき、政治をかえる力を大きく育てましょう。
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