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中田進さん(関西勤労者教育協会講師)

最低賃金をせめて生活保護水準の生活できる賃金に引き上げるたたかいをしましょう

写真 みなさんの声を読んで、この国が基本的人権を踏みにじるとんでもない現状にあることを、痛感し、怒りで胸がいっぱいです。憲法27条にはすべて国民には勤労の権利があり、そして賃金・就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定めるとあります。その法律とは労働基準法ですね。使用者に基準法を守る義務を課し、違反すれば罰則規定もあります。有給休暇も生理休暇も勇気をだしてどんどんとりましょう。違反の企業を労働基準監督署に訴えましょう。残念ながら監督署が充分機能していない現状もありますが。

憲法28条では団結権・団体交渉権・団体行動権(ストライキ)を保障していますから、労働組合を組織しその力で解決できるしくみはあるのです。もちろん18%の労働者しか組織されていず、その多くが企業に「管理」されている現状で、企業や当局はやりたい放題の現状です。だからこそ労働組合を組織しましょう。この間労働者派遣法などの悪法ができ、日本共産党は反対したのですが労働法制がどんどん改悪され労働者の現状が悲惨なことになりました。いっせい地方選挙、参議院選挙で悪法成立に賛成した党に厳しい審判を。

憲法25条には、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があり、国は社会保障などの向上と増進に努めなければならないとあります。人間らしい生活を営む権利として「生活保護」の制度があり、18歳で14万円ぐらい、社会保険や税金を含めて換算すると17万円を超える額のお金を受け取る「権利」があるのです。働く人の賃金収入のこれより下は許されないはずです。

まずみなさん、生活できない現状を行政に訴え、生きる権利として生活保護を粘り強く申請しましょう。そして最低賃金をせめて生活保護水準の生活できる賃金に引き上げるたたかいをしましょう。日本は東京と青森などの地域格差があるのも問題ですが、その全国平均が673円という低さです。欧米では平均の半額ですが日本では30%台。年収200万を受け取るために過労死ラインを越える3000時間も働かなければならないという異常な現状を打開するために、まずは時給最低1000円を法制度として確立する運動をみんなの力ですすめましょう。さらに4番さんのいうように最低月給18万円という全国一律最低賃金法の制定が急務ですね。

「18時間勤務で月給は8万円。社長は、別荘も2件、16億かけ家も新築中」という声もありました。どう考えても「おかしい」ですね。そこでみんなと緊急に話し合い、社長に迫り怒りを力に労働組合をつくるところまですすんでみましょう。0120-378−060に相談を。

派遣社員として、収入調整をしているという28番さんへ
 2ヶ月超えると社会保険加入が義務づけられていて、契約を三回に区切っても、同じ会社なら最後の1ヶ月は本人に許可あるなしにかかわらず、手続きします。会社の都合でなく、制度です。

28番さんの要望として返金求めても、無理ということでした。扶養内で働きたい気持ちは理解できますが、扶養内で働くことに限定せず、本来は独立しても生活できる賃金をと要求し、細切れ雇用でなく、長期・安定の雇用を制度として確立したいものですね。非正規を増やし正規をもひどい現状に突き落としたのはそもそも派遣の制度を認めたことのにあるのではないでしょうか。

日本共産党の緊急政策は、「 労働者派遣は臨時的・一時的な場合に限定し、正規雇用の代替にしないという原則にたって、派遣労働者に正社員への道を開くべきです。派遣先企業は、1年以上経過したら、直接雇用を申し出る義務を負うように派遣法を改正します。また、交通費や社員食堂利用などでの派遣労働者への不当な差別や格差をなくします。」などの点を強調しています。ご参考までに。

「若者に仕事を」のタイトルについても、「若者だけじゃない」という声もありました。このコーナーの「若者に仕事を」というタイトルだと たしかに「若者だけ」になりますね。いまや中高年も深刻。「35歳以上未経験は正社員になるチャンスが全くない」「高齢フリーターの対策が遅れ、35歳以上の非正規雇用ほど早い対策が必要」という声がありました。まさに中高年対策も緊急課題ですね。

「無職、バイトでも安い保険料で最低の年金、社会保険に入れるようにして下さい。」

という声もあります。国民すべてが掛け金なしで、最低保障年金をもらえる制度や国民健康保険の保険料をもっと安くし、減免制度を充実させることも緊急の課題ですね。ともにがんばりましょう。


プロフィール

なかた・すすむ

1937年、京都に生まれる。関西勤労者教育協会講師。京都府立大学卒業後、大阪の中学校教諭を経て、勤労者教育に専念。労働学校、労働組合、民主団体、青年女性団体、公民館、高等学校、各種団体で講演、 政治経済情勢、哲学、「暮らしと経済」「二一世紀どう生きる」「学ぶこと、生きること」「働くこと、生きること」「自分らしく輝いて」「学ぶことは生きる道しるべ」 などをテーマに、分かりやすく語りかける。

主な著書「働くこと生きること」(学習の友社)。「自分らしさの発見」(新日本出版)。 「人間らしく自分らしく」(学習の友社)

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