小泉さんのすすめてきた「構造改革」で最も被害を受けたのは、青年たちだと思います。
今回のメールにもあるように、青年たちは政府の労働法制の規制緩和によって、低賃金、非正規雇用、偽装請負などが横行するもとで、未来の見えない閉塞感に苦しめられています。
これからの日本をになう青年たちを痛めつけて、なにが「改革」でしょうか。
それだけではありません。金融の規制緩和の結果、額に汗して働くより、ホリエモンや村上ファンドのようにマネーや金融で稼ぐことが脚光を浴びるおかしな社会になってしまいましたが、その金融の最も悪質な部分がねらっているのも、青年たちです。
この間、サラ金やクレジットを利用する青年が急増しており、最近では二十代前半の自己破産も増えています。また現在、サラ金から借金をする人の6割以上は、生活費の不足が理由です。
例えば、北関東にある大手家電メーカーの工場で8年間働いてきた青年Aさんの月収は18万円。家賃・光熱費や食費などを引くと、どうしても小遣いが足りず、あるとき友人の結婚式に着ていくためのスーツとお祝い金のために5万円をサラ金から借金しました。そもそも生活費に余裕がないための借金であるうえ、異常な高金利。なかなか返済が追いつかず、とうとうAさんはサラ金の借金を他のサラ金から借りて返すというアリ地獄に陥ってしまいました。
すべては自己責任と言い切れるでしょうか。
青年たちの低賃金を土台に、日本の大企業はバブル以来の最高利益をあげています。青年たちを借金地獄に追い込み、サラ金各社は大もうけをしてきました。青年を食いものにしているのがいまの日本の社会です。
9月4日、厚労省は違法労働・偽装請負の取り締まり強化に関する通達を各県に指示しました。現場の労働者、組合のたたかいと、この問題を繰り返し国会で追及してきた日本共産党国会議員団の奮闘が政府の重い腰を上げさせつつあります。またサラ金、クレジットの高金利の問題も国会で先頭になって追及し、政府、与党に高金利引下げの方向を打ち出させました。
しかし、これらのおおもとにある、もうかれば何でもあり、青年を食いものにしても平気という政府や財界の姿勢そのものをただす必要があります。最後は政治決戦。地方でも国会でも、わが党がもっと大きくならなければと考えています。
■プロフィール
だいもん・みきし
参議院議員。予算委員、財政金融委員、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会委員、国際問題に関する調査会委員
日本共産党参議院国会対策委員会副委員長、党議員団・建設国保対策委員会事務局長など。
1956年生まれ。神戸大学中退後、生協勤務など経て東京土建書記長に。建設労働者の権利と中小業者の営業、地域のまちづくりを発展させる運動の先頭で奮闘。
写真 議員会館を訪ねてきた青年と就職やフリーターの厳しい実態を語り合う大門議員(右奥)(04年2月16日)
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