みなさんの悔しい思い、人間らしく生きたいという叫びがひしひしと伝わってきます。大切な「声」を届けてくださってありがとう。
とりわけ「衛生管理者」の資格をとり倉庫会社を受験したとき、履歴書の資格欄を見た途端、担当者に「こうゆう知識や、資格を持ってられたら、ウチはやりにくいし、困るんや!」「安全管理なんかいちいち気にしとったら、仕事にならんのじゃ!」と一喝されという「声」には本当に憤りを感じました。
この10年で広がり、定着した「正規雇用を非正規雇用に」という財界の戦略が、若者の生活を破壊し、心と身体をむしばみ、人生を狂わせている実態がよく分かります。
なんとしてもこの恐ろしい流れをストップさせ、働くルールを取り戻さないとこの国の未来は惨たんたるものになることはまちがいありませんね。
そのためには団結したたかう以外道はありません。成果主義は競争と対立を職場に持ち込みましたが、いま団結すべき労働者のなかで、正規と、派遣などの非正規との対立が生まれつつあるのですね。
「『派遣の人生いいと思ってるの?』『正社員は派遣社員と違って、責任感が強いからね』投げかけられるイヤミの数々。正社員と同質の仕事をしようが、まったく評価されない派遣。できなければ『役に立たない』と軽蔑される派遣。デキの悪い正社員は仲間意識で許され、私たち派遣社員は、心ない差別で傷つきつづけています。好きで非正規雇用についているわけじゃない!!という心からの叫びで、毎日引き裂かれそうです。」
労働者が人間として生きる道は学習して、仲間を信頼し、労働組合に団結したたかうしかないことは先輩達が教えてくれています。首都圏ユニオンなどいま一人でも入れる労働組合に加入しで問題を解決するだけでなく、仲間と生き方を見つけた若者が増えつつあります。メールで緊密に連絡しあって心を支え合い、若者らしい楽しいアイデアで新しいことにどんどんチャレンジし、楽しくて仕方がないと生き生き語ってくれます。
いまある労働組合が、この「コーナー」のみなさんの声をしっかり受け止め、非正規の賃金の引き上げ労働条件の改善と組織化にとりくみ、雇用を正規化させるたたかいに全力をあげてほしいです。
そしてみなさんも労働組合にアクセスしてください。
現代を生きる若者にいま、求められているのは勇気です。チャップリンがいいました。「ビクビクさえしなければ人生ほどおもしろいものはない」と。
「勇気」は社会のしくみや働くルールを学ぶことと、仲間とともに行動するなかから生まれていきます。
20歳の女子学生さんの「声」に励まされました。不当解雇されても労働基準法を勉強したたかって、30日分の賃金をかちとったのはすごいですね。友人に助言しても「勇気がない」と労働基準監督署に訴えることをためらうことを無念に思い、労働基準法を多くの人に知らせたいという意欲的なメッセージありがとうございます。
また、「格差社会をつくった自民党と公明党、そして自民党とやること一緒の民主党も同罪。いまこそ変革が必要だ」という力強いメッセージに若者のパワーを感じました。
雑誌『経済』(新日本出版社)10月号の特集「青年と現代社会」はおすすめです。「学び」にチャレンジしませんか。
■プロフィール
なかた・すすむ
1937年、京都に生まれる。関西勤労者教育協会講師。京都府立大学卒業後、大阪の中学校教諭を経て、勤労者教育に専念。労働学校、労働組合、民主団体、青年女性団体、公民館、高等学校、各種団体で講演、 政治経済情勢、哲学、「暮らしと経済」「二一世紀どう生きる」「学ぶこと、生きること」「働くこと、生きること」「自分らしく輝いて」「学ぶことは生きる道しるべ」 などをテーマに、分かりやすく語りかける。
主な著書「働くこと生きること」(学習の友社)。「自分らしさの発見」(新日本出版)。 「人間らしく自分らしく」(学習の友社)
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