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大木寿さん(全労連・全国一般労働組合 中央執行委員長)

写真残業した月日、時間、仕事の内容などを記録しておこう―拘束時間も労働時間、店長でも残業代はでます

  私たち労働組合は、違法なサービス残業根絶の運動をすすめてきました。その結果、厚生労働省はサービス残業に関する通達(下記参照)を出しました。これまで労働基準監督署の立ち入り調査を実施させ、この一年間だけで300億円を超える不払い残業を是正させました。サービス残業は、全労連の労働相談ホットライン(0120−378−060)で相談し、労働基準監督署に告訴することが必要です。サービス残業代を支払わせるには証拠が必要です。産業した「月日・時間・仕事の内容など」を記録しておくことです。

 いくつか寄せられた質問にお答えします。
 声(2)の方の質問「仕事待ちで拘束されている時間が休憩時間とされ、残業と認めない」
→使用者(管理者)の指揮命令下にいるときは当然残業とみなされます。

 声(5)の方の質問「営業だが、残業が30時間以下では手当てがつかず、超えた場合は一万円で45時間でも同じ。おかしくないですか」
→常時、社外にいる場合は「みなし労働」として手当てが出るのが普通です。(30時間×1500円×1・25の割増=5万6250円)ですから、一万円は少なすぎると思います。常時社内にいる場合は通常の残業代を請求できます。

 声(8)「支店で店長のため残業代が支払われない」
→管理監督者でない課長のようなので、残業代は支払われる必要があります。

 声(11)「サービス残業を改ざんできるソフトを作成する計画がある。」
→確かであれば、労働基準監督署に訴え、立ち入り調査をお願いすることです。

 声(14)「残業時間の管理方法に問題がある」
→下記の厚生労働省通達に対して、会社の労働時間管理はまちがっています。

 声(18)「残業申請+自己管理で残業申請しても時間が多いと却下される」
→通達では、自己申告制について、適切な自己申告に対して不利益な取り扱いをしてはならない、労働時間の適正申告を阻害する目的で残業時間数の上限を設定しないとなっています。

 声(22)「定時が午後5時なのに残業代がつくのは午後6時から」
→残業代一時間分が不払いですから、請求しましょう。

■ サービス残業に関する厚生労働省通達の要旨(2001年4月6日)
1、 使用者責任と義務
 使用者は労働時間を適正に把握し、適切に関する責務があり、始業・終業時刻を確認し、これを記録する責務がある。みなし労働(注)についても、健康確保をはかる必要があることから、適正な労働時間管理を行う責務がある。
注:みなし労働 常時社外にいる営業担当者や研究員などは労働時間を正確に算定することが困難な場合があるので、ある一定時間働いたとみなすこと。
2、始業・終業時間の確認方法
 使用者がタイムカード、ICカード、パソコン入力などの客観的な記録を基礎とすること。その記録を労働者も確認することが望ましい。
3、労働時間管理記録は3年間の保存義務
 使用者のタイムカードだけでなく、「労働者自らが記録した報告書」も同等に扱われる。


プロフィール

おおき・ひさし

(略歴)
1943年 東京生まれ。5人兄弟の末っ子
1971年 電子部品メーカーSMKの神奈川工場で組合結成。委員長に選ばれる。
会社は組合つぶしのために、私を配転命令拒否を理由に解雇。組合員の脱退や6年半のたたかいで勝利し、私は労働組合の仕事(専従)につく。
1987年全国一般労働組合神奈川地方本部の副委員長に選出される。労働相談・組合づくり、解雇や倒産、経営危機などの対策とたたかいに明け暮れる。
1989 年 全労連・全国一般労働組合が結成され、中央本部書記長に選ばれる。
2002年 中央本部委員長、全国労働組合総連合(全労連)副議長に選ばれる。
(家族)妻:保育士、子ども:2男2女
(趣味)山登り、スキー、旅行

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