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青年の労働実態深刻/福岡 北九州、久留米でシンポ


 「行政は補う視点を」/北九州でシンポ

ワーキングプア、派遣・請負労働者の増加など青年の労働実態が深刻化するもと、青年雇用シンポジウムが二十三日、北九州市小倉で開かれました。福岡県の青年たちが参加する実行委員会の主催です。

 パネリストは、青年労働者や弁護士、日本共産党の若者仕事相談室の担当者、「しんぶん赤旗」日曜版記者ら多彩です。

 「(食事は)水だけ、そうめん一束だけ、小麦粉を焼いたものだけの日もある」と話す非正規労働者の実態や、正規雇用を減らすなかでコストを抑えて収益をあげる大企業の雇用戦略などが報告されました。パネリストや参加者は、非正規労働者でつくる労組の活躍や公務員の雇用拡大など、行政が果たす役割などについての意見・提案も活発に出しました。

 参加者の感想では、「福岡から青年の働く権利を守る運動をすすめたい」との発言がありました。北九州市八幡西区の男性は「このままでは、格差社会はますます広がる。『自己責任』という言葉でかたづけず、それを行政として補う視点を」と語り、来年一月告示の北九州市長選に立候補を表明している三輪俊和氏の青年雇用政策に期待を寄せました。

 シンポジウムに先立ち実行委員会は、青年からアンケート調査を実施。そのなかには、障害者の作業所で正規職員として働いている一人暮らしの女性(25)が「月収は十三万円。残業は毎日一、二時間くらいありますが、サービス残業。給料が少ないので生活できずアルバイトもしています。今、生活するだけで精いっぱいで先行きがみえません」と報告するなど、深刻な労働実態が浮き彫りになりました。

( 2006年12月26日「しんぶん赤旗」)


 「現代のタコ部屋が日本のあちこちに」 /久留米市でシンポ

「若者の雇用と労働を考えるシンポジウム」が十二月二日、福岡県久留米市で開かれ、五十人が参加しました。主催は、筑後地区労連、日本共産党筑後地区委員会などでつくる実行委員会。これは、筑後地区でも、非正規雇用や偽装請負など特に若者をめぐる労働環境はひどく、低賃金で将来が見えず、生活設計もたてられないという状況が慢性化しているなか、首都圏青年ユニオンの経験に学び、雇用問題について考えるために開かれました。
 首都圏青年ユニオンの河添誠書記長、久留米第一法律事務所の紫藤拓也弁護士、筑後地区地域労組「きずな」分会の白砂要氏が報告しました。
 河添氏は、入社して最初に渡されるのが寝袋で共同生活を強いられ、上司の暴力もあり、何人もが「脱走」してやめていったというあるデザイン会社の実例をあげ、「現代のタコ部屋が東京都心のど真ん中にあった、そういうものが日本のあちこちにある」と若者の労働現場の実態、ワーキングプアについて語りました。また、外食大手の「すき家」のアルバイト青年がユニオンに参加し、店舗のリニューアルを口実にした不当解雇を撤回させ、未払い残業代も支払わせたたたかいを紹介し、メーリングリストの活用など組合員参加型のユニオンの活動について語りました。
 紫藤氏は、法律家の立場から、労働法制改悪の危険な内容について語りました。白砂氏は、個人加盟労組の仲間を増やし、たたかっていく決意を語りました。

(「しんぶん赤旗」九州沖縄版に掲載)






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