兵庫で青年雇用集会開かれる
2006年11月19日
「青年雇用大集会in兵庫」が11月19日、神戸市長田区の新長田勤労市民センターで開かれ、県下各地から青年ら60人が参加しました。
オープニングでは、青年たちが長時間労働やサービス残業など無権利状態に置かれた労働者の実態を寸劇で告発。迫真の演技で会場をわかせました。(シナリオ)
寸劇の最後で登場したのは、偽装請負を告発し直接雇用を勝ち取ったJMIU徳島地域支部の矢部浩史さん。労働組合に加入してたたかった経過を報告し、「僕らは『材料』じゃない、財産なんです。労働者を育てる社会に変えていこう」とよびかけました。
「青年の主張」コーナーでは、深刻な実態が明らかにされました。とび職ではたらくYさん(27)は、高さ5メートルの足場の組み立て・解体をする危険な仕事ですが、「朝6時に家を出て、帰宅は深夜になることもある。子どもの寝顔しか見られないのがつらい」といいます。また、食品会社勤務のSさん(29)は、工場でデザートや惣菜をつくっています。「24時間体制で夜勤が多く13時間の長時間労働が当たり前。出荷ミスでローソン全店を回って商品を回収させられたこともある。人間らしく働きたい」と。また、障害者施設でアルバイトをしているOさん(27)は、「夕方から翌朝9時まで拘束時間は16時間。スタッフはほとんど学生ボランティア。職業選択のひとつとして福祉が成り立つ労働条件を」と訴えました。
集会では、山下よしき元参議院議員が、偽装請負問題をとりあげた10月13日の予算委員会での質問を紹介しながら、日本共産党と労働者のたたかいが現実社会を動かしていることを強調。たたかいの到達点を社会全体のものにする運動にとりくむこと、若者を使い捨てにする政治を根本から変えることを呼びかけました。毛利倫県議が、兵庫県青年雇用アンケートの中間集計結果を発表し、職場での不安・心配として「賃金が安い」「心と体の健康が心配」が多数を占め、残業代の未払いが8割近くに上るなど深刻な実態があきらかになりました。堀内昭文参院兵庫県選挙区候補は、「青年の働く権利を守り、格差社会をただす日本共産党兵庫県委員会の提言」を発表。兵庫県で、雇用の受け皿になっている中小企業をはげますために、兵庫県で「中小企業振興条例」を制定し、中小企業予算を抜本的に増やすとともに、青年などを正規雇用する中小企業に1人あたり100万円の補助制度の創設の提案など行いました。
● 参加者の感想
「たたかいの経験を聞くことができて力が湧いてきました。労働組合のない職場なのでがんばりたい。職場で成果主義が導入されたので将来が不安。学習会に参加したり、署名やアンケートを集めたい」、
「労基法をもっと知って、それを社会や働いている先に勇気をもっていえるようにしたい」、「いろんな話が聞けてよかったです。矢部さんが、人材は材料ではなく、財産なんだ、というところが心に残りました」
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付録 寸劇シナリオ
寸劇「おたすけ!ローキちゃん☆」
《不当解雇の巻》
シーン◇朝礼・労働者2人が並んで立っている。そこへ、社長が来る。
社長 (いばって)「労働者、おはよう」
労働者a、b(ビシッと立って)「おはようございます!社長」
社長 「えー、諸君に言いたいことがある。ん〜…(ちょっと言いにくそうに)
キミらは明日で解雇!」
労働者a、b「はいっ!(と元気よく、でも思い直して、2人びっくりして)えぇ!!?」
社長 「と、ゆうわけだ」と、去っていこうとする。
労働者a 「しゃ社長ぉ〜(と追いかけて)どーゆーことですかぁ?解雇って?!」
労働者b 「そうですよ〜、僕たち先月に1年更新したばっかりじゃないっすか!」
社長 「あのねぇ、しつこいんだよ!会社の経営が赤字なのは知ってるだろ?
だから、人を切らないとやってけないの!まずは派遣のキミらからだろ?」
労働者a 「でも、急に解雇と言われても…」と言っている途中に、社長行ってしまう。
労働者a 「はぁ〜」肩を落としてしょげる。
労働者b 「ど〜しよ!ナオちゃんにしかられるよ〜まだ新婚なのに!」と泣くフリ。
シーン◇帰り道の街頭・労働者aがとぼとぼ歩いていると、ティッシュ配りがサッと出てきて…。
ティッシュ配り「仕事の疲れによく効くよ〜」とささやき渡す。
労働者aはとっさに受け取る。チラッと見てポケットにしまう。
シーン◇家・労働者aがドアを開けて入る。
労働者a「ただいま〜…って言っても、みんな寝てるっつーの!」(と一人でつっこむ)
「あ〜ぁ、今日も12時か」と腕時計を見る。
労働者a、床にどさっと座り込んで、ポケットからゴミやら紙くずをだしている最中にくしゃみ。「はぁーっくしょん!」で、ポケットから出したティッシュで鼻をかむ。その後、ティッシュ広告を見て、声に出して読む。
労働者a 「おたすけ!ローキちゃん☆なやめる青年労働者の雇用問題をローキちゃんがお手伝いします!(下の細かい字を見るように)ご利用は、計画的に…」
労働者a(ティッシュを握り締めて、天を仰ぎ唱える)「ローキちゃん!お助けください。突然解雇されました」とちょっと疑いながら辺りをキョロキョロする。
すると、天から声が。
ローキちゃん(声)明るく「突然の解雇!困るわよね〜!」
労働者a びっくりして「そ、そうなんだ、困っちゃうよ。家のローン、教育費、税金も上がるし…、僕はこれからも働き続けたいんだよ〜」
ローキちゃん(声)「わかったヮ☆私におまかせを!明日、また私を呼んでください!それじゃ、また明日ね」
シーン◇会社・労働者aが決心したように部屋を出て行く。労働者bも追いかける。
シーン◇社長室・社長はえらそうに座っている。労働者aはノックして部屋に入る。
労働者a 「社長。解雇についてですが、やっぱり解雇ですか?」
社長 「そうだ」
労働者a、部屋の隅へ行き、ティッシュを取り出して唱える。bもついていく。
労働者a 「ローキちゃん!お助けください」と天を仰ぐ。Bも上をキョロキョロ。
ローキちゃん(声)「はいはーい。ちょっと社長さん!明日からこなくていいなど急な解雇や理由の説明をちゃんとしないで解雇することは、法律違反ですよ!」
社長、びっくりして上を見る。3人とも上をキョロキョロ見ている。
*整理解雇4要件のパネルが飛び出してくる。労働者2人が会場に見えるように持つ。
ローキちゃん(声)「このパネルをごらんなさい。解雇の理由として、?解雇しなければならないのか?他の方法で経営を立ち直らせることはできないのか?客観的な資料が存在すること。評価者の主観に左右されないこと。全会社員を対象としていること。そして4つ目は、労働者本人と協議をしたか、です。このように、解雇するには以上すべてにあてはまらないといけません」
社長 「オマエ、だれだよ?!」
ローキちゃん(声)「私、おたすけローキちゃん。労働者が働きやすい環境をめざして、労働基準法を会社がちゃんと守っているかをチェックするキュートな乙女よ」
社長 「ローキかなんだか知らんが、うるさい!」
ローキちゃん(声)「ローキというのは、労働者を守る法律『労働基準法』を略しているのヨ!雇用主である社長は、この『労働基準法』を守らなければならないの!」
労働者a 「…と、ゆうわけですよ、社長!」と社長に面と向かう。
労働者bも横に並ぶ。
社長 「う〜〜む、整理解雇4要件を満たしていないなぁ…。仕方がない!解雇はとりあえず撤回!」(ブスっとして出て行く)
労働者a、b「やったぁ――!!」と、大げさに喜ぶ。
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