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データで見る青年の就職・雇用(7)

初任給は頭打ち

  初任給は、高卒、大卒ともに一九九二年から二〇〇二年の十年間で一万円前後しか上がらず、頭打ちです。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、〇二年の高校新卒者の初任給は男子が十五万七千五百円、女子が十四万八千八百円。大学新卒者は男子が十九万八千五百円、女子が十八万八千八百円となっています。(グラフ)

 企業は賃金を抑えようと、賃金の起点となる初任給の凍結傾向をつよめています。雑誌『労働運動』の臨時増刊『春闘データ白書二〇〇三年版』(新日本出版社)は、九四年から初任給を凍結する企業が急増し、〇二年には86・5%にのぼっていると紹介しています。

 青年層(十五歳から三十四歳)の正社員とパート・アルバイトの年収にはかなりの違いがみられます。内閣府「国民生活白書」(二〇〇三年版)によると、〇一年の年収三百万円以上の割合は、正社員の57・3%に対して、パート・アルバイトはわずか4・4%でした。パート・アルバイトのほとんどが年収二百万円以下です。

 東京都内の青年労働者(十八歳から二十九歳)の平均年収は、正社員の男性が三百四十三万円、女性が二百八十五万円。パート・アルバイトは男性が百七十五万円、女性が百三十八万円でした(日本労働研究機構の調査研究報告書「大都市の若者の就業行動と意識」二〇〇一年)。

 国民生活白書では、「現在の賃金に満足していない」と答えた青年が61・2%。一方、パート・アルバイト、派遣社員で「自分と全く同じか、ほぼ同じ仕事をしている正社員がいる」と答えた人は74・8%になります。安定した職を青年にどう保障するかが、政府や企業に求められています。

「しんぶん赤旗」2003年8月30日



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