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日本共産党

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赤旗

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39 放送と表現の自由

放送における「言論、表現の自由」を徹底し、政府から独立した監督機関を設置します

2019年6月

安倍政権の放送事業への威圧・介入を許しません

 安倍政権による放送事業への威圧・介入が強められていることは重大です。日本共産党は、憲法21条と放送法に基づき放送における「言論、表現の自由」を守り徹底します。

 放送法は、戦前、ラジオ放送が、政府に統制され、事実に基づかない政府に都合の良い放送を繰り返して、国民を悲惨な戦争へと動員する役割を担ってしまったという痛苦の反省の下、言論・報道、表現の自由を保障する憲法21条に基づき定められたもので、放送番組の編集は「何人からも干渉され、又は規制されることがない」(第3条)と定めています。放送番組の適性は、放送事業者の自主自律によって図られるべきもので、政府による放送事業への威圧・介入、ましてや番組内容へ介入することなどは絶対に許されません。

 日本共産党は、こうした立場から、放送番組を編集・作成する事業者に対する認定制度等を導入する放送法の改悪などに反対してきました。また高市総務大臣(当時)が、政府が「政治的公平に反する」と判断した放送局には停波を命じることができると発言し、それを内閣として容認するなど歴代の自民党政府と比べても危険な安倍政権の姿勢を厳しく追及しています。

 現行では、放送事業者に対する免許付与をはじめとする監督権を政府(総務省)が握っています。世界各国では、放送における言論、表現の自由を徹底する観点から、政権が放送に介入しないよう第三者機関に委ねられています。

 日本共産党は、政府から放送行政の監督を切り離し、新たに「放送委員会」(独立行政委員会)を設置するように制度改正を求めます。

NHKが公共放送としての役割を果たすことを求めます

 全国あまねく、豊かで良い番組を提供することは日本放送協会(NHK)の使命です。NHKの放送事業は放送法に定められ、財源は国民・視聴者からの受信料によって支えられています。NHKの受信料は、公共放送としてのNHKの自主自律、放送の不偏不党を財政面から保障するもので、「特殊な負担金」としてNHKにだけ徴収権が認められたものです。

 NHKが放送法に基づく公共放送としての役割を果たし、国民の理解と支持を得ることが求められます。

 ところが、NHK前会長の籾井勝人氏(2014年1月~2017年1月)は、その就任時から「政府が右というものを左とは言えない」など、放送法の趣旨を理解しない発言を繰り返し、NHKに対する国民の信頼が大きく損なわれました。

 籾井氏から替わった上田良一会長は、「放送法にのっとり公正、公平をつらぬく」と繰り返していますが、NHKが、憲法21条と放送法の原則を確固として堅持し、権力監視の役割をはたせるのかが問われています。また、重大な不祥事や不正経理問題なども後を絶たず、国民の不信を広げています。

 NHKには、国民の声にこたえ、国民の信頼を回復することが求められています。

 NHKは、2020年3月をめどに、常にテレビ番組表どおりに、すべてのNHKの番組をインターネットに流す「常時同時配信」を開始しようとしています。

 インターネットの世界では、不正確な情報が多く流れるだけでなく、自分の都合のよい情報だけにアクセスしたり、事業者側も個人の嗜好に沿った情報を推薦する「フィルターバブル」などがおこります。こうしたインターネットの世界のなかで、NHKが流すコンテンツは大きな信頼性を持つものとなり得ます。そのためにも放送法の遵守が不可欠です。

 一方で、NHKによる常時同時配信の開始については、解決しなければならない多くの課題が残されたままです。

 NHKは、家にテレビがあり受信契約をしていれば、スマホでの視聴については新たに受信料をとらないとしていますが、パソコンやスマホを複数持っている場合、何台まで無料であるかは決めていません。また、民放キー局がNHKの常時同時配信に追随して、配信エリアを越えてネットで番組を流すようになれば、地方のユーザーも視聴が可能となり、民放地方局のビジネスモデルが壊れることになるため、民放は、地域番組は従来通り地域で視聴できるように「地域制限」を求めていますが、対応は今後の課題となっています。

 日本共産党は、スケジュールありきで常時同時配信の実施に突き進むのではなく、丁寧な国民的議論と常時同時配信の開始にともなう諸課題についての解決を求めます。

 

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