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➡各分野の目次

13 交通安全対策

子ども・高齢者等を事故から守る、自動車優先から歩行者優先へ

2019年6月

歩行者を交通事故から守る

 大津市の保育園児死傷事故などを始めとする重大な自動車交通事故が相次ぎ、交通安全対策の強化が急がれています。

 交通死亡事故の現状を見ると、歩行者は35.6%、自転車乗用中が15.3%で死者数の半数以上を占めています。主要国で見ると、アメリカでは18.2%、フランス21.8%、イギリス30.5%、ドイツ37.2%にとどまっており、日本は、歩行者・自転車乗用車の割合が突出して高くなっています。また、生活道路(車道幅員5.5メートル未満の道路)における交通死亡事故発生率は近年増加しており、生活道路における交通事故は小学生・高齢者が犠牲になっている件数が多くなっています。

生活道路の安全確保のため、自動車優先から歩行者優先の道路交通政策に切り替える

 市街地中心部や住宅地など住民の生活空間の道路整備は、歩行者が安心して歩行できることを優先してすすめなければなりません。

 衝突時に時速30kmを超えると歩行者が致命傷を負う確率が急激に高まります。現在、政府は、生活空間内での交通量と速度を抑制し歩行空間を確保するため「ゾーン30」(全国で3649カ所)や「生活道路対策エリア」(全国で907エリア)を設置しています。これらの区域では、区域内の速度制限や侵入抑制とともに、歩道側の整備や、車の走行路にはデコボコをつけて自動車の速度を落とさせる「ハンプ」、車道幅を狭める「狭さく」、「スラローム」の設置などが行われています。

 しかし、担当省庁が警察庁と国土交通省に分かれており、標識などの交通規制は警察が実施し、ハンプ・狭さく・スラロームなどの物理的対策は道路管理者(自治体など)が行うなど担当が異なっていることで、相互補完する関係にある「ゾーン30」と「生活道路対策エリア」が一致していない場所も出ています。

 生活道路での交通事故をなくすには、生活エリア内への通行車両の抑制、速度抑制、歩行空間の確保を図るために、交通規制と物理的手段の拡充をすることが必須であり、そのための予算措置が必要です。

――「ゾーン30」や「生活道路対策エリア」の区域を拡充します。

――道路法や道路交通法に、生活道路や通学路、園児等の移動経路を位置付け、通過車両を排除・抑制する等の改正を行います。

――「ゾーン30」区域内の時速30㎞以上の速度違反には、一般道路の2倍の反則金を科すなど徹底した安全対策を講じます。

子どもらが安心して通行できるよう、交通安全対策を緊急に講じる

 通学路や園児等の移動経路など子どもたちを交通事故から守る対策は喫緊の課題です。

 2012年、京都府亀岡市で集団登校中の児童の列に車が突っ込み、小学生ら10人が死傷した事故をきっかけに、政府は全国の通学路を対象に緊急点検を実施し7万4千カ所を超える危険箇所を確認しました。危険箇所としては、「交通量が多い」「ガードレールがない」「交差点に横断歩道がない」「見通しが悪いのに交差点に信号機がない」「交通量が多いにもかかわらず歩道が狭い上に片側にしかない」「踏切の見通しが悪い」などが挙げられています。

 これら危険箇所は2017年4月までに約96%で対策が講じられましたが、通学路以外の幼稚園や保育園の散歩ルートなどは対象になっていません。

――通学路に加え、園児等の移動経路など、子どもらの通行路を総点検し、危険箇所の安全対策を緊急に講じます。

――危険箇所について、信号機・道路標識・ガードレールなど安全施設の設置、危険箇所を回避する通行路の見直し、子どもの見守り活動や交通安全指導など効果的な改善をすすめます。

――学校や保育園等、公園の半径500m以内の道路は、「ゾーン30」区域の指定をすすめます。

歩行者優先の道路整備に切り替え、そのための予算を確保する

 大津市の園児死傷事故では、交差点で信号待ちしていた保育園児らが、車道で衝突した自動車に巻き込まれ死傷したことから、防護柵が設置されていれば防げたのではないかと指摘されています。しかし、現在、交差点の防護柵設置等について設置基準には、衝突で歩道に飛ばされた車から歩行者を守る対策は明示されていません。

 また、近年、視覚障害者が犠牲となる交通事故も起きています。視覚障害者が安全に道路を横断するための命に係る情報である音響式信号機(いわゆるピヨピヨカッコー)は全国で信号全体の1割、横断歩道上に点字ブロックがある「エスコートゾーン」はたった1%しか整備されていません。

 これまで自民党政権のもとで進められてきた自動車優先・道路偏重の交通施策では、子どもや高齢者、障害者など、交通弱者と呼ばれる方たちの交通安全が後回しにされてきたといわざるを得ません。

 生活道路の安全対策を早急にすすめ、歩行者優先の道路整備、安全設備の設置をすすめるためには、予算の確保が必須です。しかし、この間、信号機や道路標識の設置・改修などの費用である交通安全施設整備事業費が大幅に減少しています。国の補助事業費用は10年間で77億円の減額、地方自治体の単独事業費用は20年間で44%も減額です。警察庁は、この2年間は増額になっているといいますが、老朽化した信号の更新のためのものです。更新補助は当然のことですが、信号機の新設などに必要な予算が減っているのです。

――自動車優先から歩行者・自転車優先にした道路交通政策に転換します。

――交通安全対策や歩行者優先の道路整備のための予算を抜本的に拡充します。

――道路構造や「防護柵の設置基準」に、交差点など危険箇所を明示し、防護柵の設置を義務付けるなど、歩行者を守るための施策を緊急に実施します。

――障害者が安全に安心して通行できるよう道路や設備などを整備します。

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 19 障害者・障害児…交通、バリアフリー、文化・スポーツ・余暇活動の保障、合理的配慮

高齢者が自ら運転しなくてもいい環境の整備

 2019年4月の池袋暴走事故など高齢ドライバーによる痛ましい事故が相次ぎ、大きなニュースとなっています。

 人口の高齢化に伴い、運転免許を保有する75歳以上の高齢者は今後も増加しつづけます。一方で、自動車優先のインフラ整備が行われ、鉄道やバス、タクシーなど地域の公共交通は路線廃止や縮小がつづき衰退させられ、とりわけ人口減少が進む地方で顕著に表れています。こうした地域では、高齢者が自ら運転しなければ日常生活が成り立たない状況にあります。

 高齢運転者の事故防止対策として、第一に必要なのは、高齢者が自ら運転しなくても、自由かつ安全に安心して移動できる社会環境を整えることです。

 1998年から導入された「運転免許証の自主返納制度」の利用が増加しています。今年の通常国会では、「運転経歴証明書」交付要件の緩和も行われました。また、多くの自治体で、「自主返納」者への支援として、バスや電車などの公共交通機関やタクシーの運賃割引が受けられるなどの施策を設けています。運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの「自主返納」しやすい環境づくりも必要です。

 さらに、近年の先進技術によって「衝突被害軽減ブレーキ」やアクセルとブレーキのペダル踏み間違い防止対策などが開発されており、このような機能をつけた「安全運転サポートカー」や後付け装置の設置などの普及の促進により、交通事故の減少も期待できます。

――高齢者が支障なく日常生活を送れるよう、地域鉄道、地域循環バス、オンデマンド交通、乗合タクシー、福祉タクシーなど地域公共交通網の整備を最優先してすすめ、高齢者の移動手段を切れ目なく確保します。

――地域住民の支え合いよる高齢者の移動手段確保の取り組みを支援します。

――高齢ドライバーが自主的に運転免許証を返納しやすい環境を、国が責任を持って整備します。

――自治体による運転免許証の自主返納を支援する取り組みを、国として積極的に後押しします。

――「衝突被害軽減ブレーキ」やペダル踏み間違い防止対策など安全運転支援システムの購入支援に取り組みます。

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 35 交通運輸…地域公共交通、移動の権利を保障

政策