2014年 総選挙各分野政策
31、NPO・NGO
法人税減税財源としてNPOへの優遇税制措置を削減することに断固反対―NPO・NGOの社会的役割を積極的に評価し、自主性を尊重しつつ行政からの支援を広げます
2014年11月
NPO・NGOは、国内外で、社会や地域の諸課題を解決するために、政府や自治体ではできない仕事を担っています。そして、その活動をつうじて、行政を監視したり、政府や行政が把握できない情報にもとづいて政策提言をするなど、政治を動かす上で非常に大切な役割を果たしています。
また、NPOやNGOは、「人と人との新しいつながりをつくる」「市民の自立や自主性を高める」「やりがいや能力を発揮する機会を提供する」と国民から期待されており、社会全体の発展のためにも積極的な意義をもっています。東日本大震災や福島原発事故でも、NPOやNGOは積極的な役割を発揮しました。社会に貢献したいと考えている人々は7割近くにのぼっており(内閣府世論調査)、国民のあいだでボランティアやNPO・NGOの活動に関心が高まっています。
国際的なNGOの活動にとって、人道性、中立性、公平性、公正性が活動のポイントになります。もし、自衛隊が海外派兵され現地の住民から反発をかえば、NGOの活動自体がなりたたなくなるばかりか、メンバーの命を危険にさらすことにもなりかねません。この点からも、集団的自衛権の行使容認、海外派兵は許されることではありません。
法人税減税の財源として、認定NPO法人への優遇税制の措置を削減する動きがありますが、断固反対です。
日本共産党は、NPO・NGOの社会的役割・意義を評価し、自主性を尊重しつつ行政と間で対等・平等の立場で多面的な協力関係を確立するとともに、支援を強化します。
1、資金や活動場所の確保での支援を強化します
NPOやNGOには、任意団体、NPO法人、認定NPO法人があります。その多くが、資金やスタッフの確保、組織運営、活動・交流場所などで苦労しています。
●人件費も含む事務局の経費への支援など、自由度・柔軟度の高い補助・助成を拡充します。
●NPOやNGOが使い勝手のよい小・中規模の公民館や公的施設を大量に建設し、備品もふくめて無料・低額で利用できるようにします。また、空き店舗の借り上げや空き教室の活用など、活動場所の提供を進めます。
●NGO・NPO認知度をあげるために、広報などをつかっての紹介活動を強めます。
2、NPO法人の活動をより推進するために法整備をすすめます
1998年にNPO法ができてから、4万9460のNPO法人が活動しています(9月末現在)。一方、内閣府の調査では、全体の7割以上が任意団体です。そのうち6割以上が、「法人格がないことに困っていない」と回答していますが、NPO法人にならない理由として「事務の増大」や「柔軟な活動を妨げる」などもあがっています。NPO法を整備して、法人格がとりやすい制度に改善します。
●国会の審議では、NPO法人は政治活動(政治上の施策)が可能であることがはっきりしています。法律の名称を「市民活動促進法」にし、法律の定義に「政治上の施策を推進する」ことを明記します。
●インターネットや広報でのNPO法人の情報発信をさらに進めます。NPO法人の悪用にたいしては、行政として速やかに対応します。
●NPO法人などに融資して活動を支えているNPOバンクへの支援を強めます。信用保証協会による保証を使い勝手のいいものに改善します。
3、認定NPO法人制度の大幅な改善をおこないます
NPO法人への寄付をうながす制度(認定・仮認定NPO法人制度)の適用を受けているのは、5万近いNPO法人のうちわずか1.4%の709法人にすぎません(9月末)。適用を受けやすくするための改善を行います。
●認定NPO法人の認定基準を緩和して、より簡素で明確な手続きに改善します。
●法人税減税財源にあてるため、認定NPO法人への優遇税制を措置を削減する動きがありますが、断固反対です。むしろ、NPOを発展させるために拡充する必要があります。企業などがNPO法人に寄付した場合の損金算入限度額を引き上げるなど、拡充をはかります。
●寄付制度などを改善する2011年「NPO法」改正に超党派議連の一員として努力してきました。相談体制の拡充をはかり、新しい「寄付税制」の制度や「仮認定制度」などの周知徹底を図ります。仮認定制度は、「設立5年以内での申請」を原則とするのではなく、すべてのNPO法人が行えるように改善します。
●認定NPO法人が行うバザーやチャリティー公演などでの収益は、使い道によって非課税とします。また、東日本大震災を機に新設された、救援・復興をおこなう認定NPO法人にたいする指定寄付金制度を拡充します。
●全国の自治体に寄付金の窓口をおくなど、市民からの寄付を受けやすくします。