「教育振興基本計画」の閣議決定について (談話)
2008年7月1日 日本共産党副委員長 石井郁子
本日、政府は「教育振興基本計画」を閣議決定しました。これは、「今後10年間を通じて目指すべき教育の姿」を示したうえで、2008年度から2012年度までに政府がとりくむ教育施策を定めたものであり、その大もとには一昨年に制定された改悪教育基本法があります。
日本共産党はそもそも、教育基本法改悪によって制度化された「教育振興基本計画」について、国が一方的にこのような「計画」を策定することは、政府による教育内容への無制限な介入・支配に道をひらくものとして厳しく批判してきました。今回の「計画」は、私たちが指摘したとおりのものと言わなければなりません。
すなわち、「計画」は改悪教育基本法にそった人づくりのために新学習指導要領など国の施策の忠実な実施を求め、そのために、全国学力テストなど国の物差しで実施状況をチェックし、改善を命じるという手法を、教育に全面的に取り入れようというものです。教育の自主性を侵し、子どもたちの柔らかい心を国の定める鋳型に押し込めるこのような計画は、撤回すべきです。
しかも、「計画」は多くの国民や教育関係者らが一致して要求し、文科省すら言わざるをえなくなった、教育予算水準のOECD(経済協力開発機構)諸国平均並みへの引き上げや教職員の増員を見送り、「コスト縮減」をかかげました。これは「教職員一万人削減計画」など政府の教育予算削減の計画をすすめるものです。
憲法の原則にたてば、政府の教育に関する施策は、何よりも政府が責任を負わなければならない教育条件の整備を中心にすえるべきであり、教育の内容や方法を押し付ける計画は許されません。