2005年8月11日(木)
戦後、わが国の政府は、どんな無法で道理がないものであろうと、アメリカの戦争を無条件に支持する立場にしがみついてきました。小泉内閣は、アメリカの戦争に自衛隊を参戦させる法律をつぎつぎと制定し、自衛隊をイラクなどへ派兵しています。
イラク情勢は悪化するばかりです。サマワの自衛隊の宿営地を狙った砲撃は10回に及び、自衛隊の車列の爆発事件も起き、政府の「戦闘地域ではない」というでたらめさがいっそう鮮明になっています。「有志連合」といわれた派兵国も当初の38カ国から18カ国まで減り、さらに撤退や縮小を検討している国も増えています。ところが、小泉内閣は、アメリカの要請に応じて、12月に期限を迎える自衛隊の駐留をさらに継続しようとしています。日本共産党は、自衛隊をすみやかに撤退させることを強く要求します。
さらに、世界的な米軍再編の動きにあわせて、米軍と自衛隊の一体化が推進され、基地の共同使用の拡大がはかられようとしていることも重大です。自衛隊の本来任務に「国際活動」を位置づけ、「海外派兵隊」への本格的な変質をはかる自衛隊法改悪のたくらみも、この流れのなかに位置づけられたものです。イラク戦争のような、アメリカの無法な先制攻撃の戦争に日本を参戦させる仕組みづくりを許すわけにはいきません。
「ミサイル防衛」やヘリ空母の導入などの新たな軍拡計画は、米国の先制攻撃戦略、軍事介入態勢に日本をいっそう深く組み込み、強化するもので、世界とアジアの脅威以外のなにものでもありません。アメリカに追従した「海外派兵国家」の道をつづければ、日本がアメリカとともに世界の平和に挑戦することになり、世界とアジアから孤立するばかりです。
日本共産党は、憲法9条を守る立場から、「海外派兵国家」の仕組みづくりをやめさせ、有事法制・海外派兵法の発動を阻止し、抜本的な軍縮をすすめるために、広範な国民のみなさんと共同を広げることに力をつくします。
沖縄をはじめ日本全土に米軍基地がおかれ、戦後60年たったいま、いっそうの強化と苦痛が押しつけられている現実は、とても独立国とはいえない異常きわまるものです。沖縄県民を震撼させた昨年8月の大学への米軍ヘリ墜落事件以後も、米軍の横暴勝手がつづいています。米軍が特殊作戦のための都市型戦闘訓練施設を建設し、実弾射撃訓練を開始したのは、イラクでの人殺しの訓練のためであり、断じて許せません。
地球規模の米軍再編のもとで、在日米軍基地の司令部機能、機動性の強化など異常な基地強化がくわだてられています。沖縄では、普天間基地、那覇軍港の県内たらいまわし路線に固執し、神奈川県では米軍座間基地への米陸軍第一軍団司令部の移設、横須賀基地への米原子力空母の配備計画など、恐るべき基地強化計画がくわだてられています。山口県・岩国基地の拡大、空母艦載機部隊とNLP(夜間離着陸訓練)移設の動きも重大です。在日米軍基地を、地球規模での殴りこみの拠点として強化しようとする動きは、日米安保条約でも説明のつかないものです。日本共産党は、国民のみなさんと力をあわせて在日米軍基地を強化・永久化することをやめさせるために全力をあげます。
米兵による女性暴行事件や傷害事件などのたびに大問題になる日米地位協定問題でも、自公政権は、国民の強い改定要求に背を向けて、「運用改善」にとどめています。日本共産党は、日米地位協定を抜本改正し、世界に例のない米軍優遇の特権措置をなくすために力をつくします。
米軍の無法な活動を支え、米軍が居座る根拠にもなっている「思いやり予算」は、中小企業予算の1・4倍にまで膨張しています。安保条約上も何の義務もないものであり、ただちにやめさせるように要求します。
日本共産党の国会での追及により、アメリカが核兵器を日本に持ち込む密約の存在が明確になりました。政府に密約の全ぼうを公開させ、核持ち込みの心配がない日本にするとともに、核兵器廃絶を緊急課題として、被爆国日本がその先頭にたつように全力をあげます。