日本共産党

2005年8月11日(木)

衆議院選挙にのぞむ日本共産党の各分野の政策

16.学術・文化・スポーツの自由で豊かな発展のために

学術、科学・技術の多面的な発展をはかる

 学術研究の積極的な振興をはかり、多様な特性をもつ各分野のつりあいのとれた発展を保障することは、21世紀の社会の進歩にとって大切なことです。

「学問の自由」を守り、国民の立場にたった大学改革をすすめる

 大学予算を大幅にふやし、学費負担の軽減、教育研究条件の抜本的整備をはかる……欧米諸国の半分に満たない高等教育予算を大幅に増額し、国立大学の狭く老朽な施設の改善をはじめ、大学の教育研究条件を抜本的に整備します。国会で決議されている、私立大学の経常費2分の1国庫補助を実現します。私学助成のあり方として、「ひも付き」ではない一般補助を充実させます。

 すべての国民に高等教育の機会を保障するため、国際人権規約(社会権規約)の「高等教育の漸進的な無償化」条項(13条2項C)の留保を撤回し、国民の学費負担の軽減をめざします。

 国公立大学の法人化を契機にした予算の一律削減を中止し、運営費交付金の増額をすすめ、学費の引き下げと教育研究の基盤的経費の充実をはかります。私立大学生への学費助成や私立大学の学費減免への特別助成制度をつくります。

 大学への国家統制をやめ、「大学の自治」を尊重する……「大学の自治」を尊重するルールを確立します。財政支出を利用した大学統制のしくみをやめ、独立した大学財政配分機関を創設します。すべての大学に義務づけられた大学評価は、国の関与をやめ、学者・専門家を中心にした自主的な機関による評価を基本にすべきです。大学と企業との共同にあたっては、大学の自主性と研究成果の公開を原則とするルールを確立します。

経済効率優先の科学・技術政策を転換する

 基礎研究への支援を強め、学術の調和のとれた発展をはかる……人文・社会科学の役割の重視をはじめ基礎研究への支援を抜本的に強め、学術の調和のとれた発展をはかります。経済効率を基準にした特定分野偏重の科学・技術政策を転換し、総合的な学術振興計画を確立します。科学・技術の軍事利用に反対します。

 科学技術基本計画を政府がトップダウンで決めるやり方をあらため、科学者の代表機関である日本学術会議の意見を尊重するなど、研究者、国民本位の立場で策定するようにします。

 研究者の自主性を尊重し、自由な研究環境をつくる……国公立の大学・研究機関の独立行政法人化を見直すとともに、研究者に対して任期制でない安定した身分保障制度を確立します。研究者の自由な発想にもとづく研究への助成や大学・研究機関の経常的研究費を大幅に増額します。発明などにおける研究者の権利を守ります。

 女性研究者への昇進差別やセクハラをなくし、出産・育児との両立など研究者としての能力を十分に発揮できる環境をつくります。

 大学院生やポストドクターの急増にみあった若手研究者への支援を強める……大学や研究機関での教員・研究員の増員をはかり、非常勤講師の処遇を抜本的に改善します。大学院生に対する無利子奨学金の拡充と返還免除枠の拡大、給費制奨学金の導入をすすめます。

文化を生活の中で楽しめるように、芸術・文化活動を支える政治をめざす

 長引く不況で国民の鑑賞機会は減少し、芸術・文化団体の公演、上演に深刻な影響が出ています。子どもたちの健全な成長を保障していくためにも、人びとの自由で豊かな発展のためにも、芸術・文化が果たす役割には大きなものがあります。文化を自由につくり楽しむのは国民の権利であり、それを保障することは国・地方自治体の責務です。芸術・文化活動が直面する要望を支援し、文化の自由を守り、多面的な発展を支える政治を実現します。

(1) ヨーロッパに比べあまりにも低い文化予算を増額します。草の根の文化活動を応援し、舞台芸術、映画、音楽などへの公的助成を改善・充実させます。舞台芸術作品への援助を強め、作品を全国で公演する努力を応援します。日本映画の製作・上映への支援を拡充し、フィルムセンターの独立と人員増をはかります。

(2) 舞台芸術、音楽などでは、安く使える練習場の確保が切実な要望となっています。廃校となった学校の活用をふくめ、公設練習場の整備をすすめます。

(3) 演劇、映画分野ではヨーロッパで当たり前になっている、国が責任をもつ公的な高等教育機関を設立・充実し、民間の養成機関の努力を応援します。

(4) 映画館や劇場、映画撮影所への税制支援や、文化団体への寄付税制を充実します。

(5) 労災補償や雇用保険すら受けられない実態を改善するなど、専門家の社会保障を確立していきます。

(6) 全国で広がっている子どもの舞台・映画鑑賞など、草の根からのとりくみを応援します。すべての子どもたちが少なくとも年一回以上、芸術に接することができるよう、学校・地域での演劇・舞踊・音楽公演、映画上映への支援を強めます。

(7) アニメなどの「コンテンツ」制作は、劣悪な労働条件や人材難が大きな障害になっています。専門家の権利を保障し、芸術・文化の発展が優先される支援を充実させます。

(8) 行政による支援は、内容に行政が介入しないことが大切であり、政府から独立した支援機関を設立して行います。

健康でスポーツに親しめる条件づくりに力をそそぐ

 余暇を増やして、スポーツに親しみたい──国民のつよい要求です。健康を守りスポーツのできる条件づくりに力をそそぎます。

 「スポーツ施設整備計画」にもとづく環境づくりをすすめる……バリアフリーで環境を大切にしたスポーツ施設を着実に整備します。健康づくり教室の開設、スポーツ指導員の配置基準の設定、利用者の声がとどく公正で使いやすい施設運営をすすめます。

 元気な子どもを育てる体育・スポーツ活動を支援する……子どもの基礎体力をつける学校体育の充実、スポーツ広場、自然のあそび場、学校開放施設の整備をはかり、子どものスポーツ活動や部活動にたずさわる指導員やボランティアを支援します。

 選手が安心して競技にうちこめる条件整備につとめる……コーチ制度とトレーニング科学の確立をはかり、競技者・コーチへの負傷休養の保障や最低年俸の引き上げ、競技者・コーチ年金制度の充実をめざす活動を激励します。

 サッカーくじは廃止し、スポーツ予算の大幅な増額に力を入れる……青少年をギャンブルでゆがめ、スポーツ振興の財源をになう資格を失った「サッカーくじ」は廃止し、国のスポーツ予算を大幅に増額します。


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