2001年3月2日〜4月27日まで「しんぶん赤旗」に連載

どうなる!どうする?
1100万人のマンションライフ

(3)地方議会で国会で住みやすい環境づくりへ全力

 住環境を整備・改善することは、国や地方自治体の大きな仕事です。

 ■具体的提案が実る

 日本共産党の東京都議団は、都に居住者の共同管理を支援する方向をマンション施策の基本方針にするよう求め、議会で提案してきました。

 一九八六年十二月の都議会本会議で質問した東ひろたか都議会議員は、大型修繕のための公的融資制度の確立、マンション管理の技術的、専門的相談に対応できる公的窓口の設置、町会事務所と同様にマンション集会所への固定資産税の減免などを要求しました。

 こうした日本共産党の具体的提案が実を結び、マンション相談窓口の設置、アドバイザー制度の創設、分譲マンション維持・管理ガイドブックの作成・普及、区市への実態調査費用の助成などを実現。居住者に喜ばれるとともに、区市の実態調査に弾みがつきました。

 ■共有部分の減税を

 大阪・吹田市は住民の約四割がマンション・集合住宅に住んでいます。住民とともに国会議員事務所、建築士、弁護士、市議などでマンション問題に対応し、市の施策を実現してきました。その一つが、共有部分の固定資産税の一部減免制度です。団地内の共有土地・家屋のうち、一般市民が通行し公共性の強い土地・家屋の固定資産税を減額するものです。また、駐車場増設の際に工事費の半額を市が補助する駐車場建設助成制度や、耐震診断費の二分の一(最高限度額百万円)を助成する制度もあり、居住者から喜ばれています。

 ■自治会長も喜ぶ

 分譲マンションが二千七百団地(約十九万五千所帯)ある大阪市でも日本共産党大阪市会議員団が粘り強く議会で質問し、二〇〇一年度からプレイロット(砂場や遊び場など)の固定資産税の減免規定の改善(三分の二減額)、集会所は全額免除されること(一定の条件があります)が決まりました。ある自治会長さんから喜びの声が寄せられました。

 ■国会でも次つぎ

 国会でも具体的な問題提起をし改善してきました。

 〔マンション変電室の費用負担〕

 マンション内の変圧器室を電力会社が無償で使用し、改修費は居住者・管理組合が負担するのが当然のようでしたが、九一年、寺前巌衆院議員の質問主意書の政府答弁書で「外壁塗装を含む修理費」、「変電室の電気料」は話し合いで決定されることを認めさせました。

 その確認の上、公的住宅が居住者負担になっていることについて九七年三月、大森猛衆院議員が旧建設省の指導を要請。亀井静香建設相の「指導したい」との回答を得ました。

 その後、各地で電力会社と交渉し、費用負担を電力会社側にさせ、喜ばれています。

 〔白ガス管腐食問題〕

 白ガス管は、鋼管に亜鉛メッキしたもので、土に埋設されると腐食しやすいとして、九五年三月埋設部への新設使用が全面禁止になりました。

 九七年五月、緒方靖夫参院議員が、「白ガス管」による九四年七月の東京・品川区の小学校の爆発事故、同年九月の東京・新宿区落合のマンションの六カ所でガス漏れが起き三人の重傷者と七戸が破損した事故を取り上げました。白ガス管の埋設状況について政府がつかんでいないことを明らかにし、実態調査を約束させました。

 〔マンション管理適正化法〕

 同法は議員立法で昨年十二月、国会で成立しました。法案にはあいまいな点や懸念も寄せられたので、日本共産党は十分な審議を要求。同法には、国土交通大臣がマンション管理適正化指針を定める、マンション管理士資格の新設、マンション管理業の登録などが盛り込まれています。弱点はあるけれど、マンション管理を初めて法律に明記し、積極的に活用すれば管理上のトラブルの解決につながるとして、日本共産党は賛成しました。

 塩川鉄也衆院議員は、「管理組合」がマンション管理の主体であることを法律に明記するよう要求しました。これにたいし提案者はその認識で運営に当たると答弁しました。

 国会議事録で共産党の質問を読んだという日本住宅管理組合協議会の原直男常務理事は「立派な質問をされた。施行細則に期待したい」といいます。


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