1998年11月17日

永住外国人に地方参政権の保障を

志位書記局長が法案要綱を発表


 日本共産党の志位和夫書記局長は十一月十七日、国会内で記者会見し、永住外国人に地方参政権を保障するための法案要綱を発表しました。会見には筆坂秀世政策委員長、西口光国際部長が同席しました。

選挙権・被選挙権を付与、申請方式で

 志位氏は、日本共産党が日本の民主主義の問題として、永住外国人に地方参政権を保障する立場にたち、「かねてから法案提出の準備をおこなってきた」こと、永住外国人への地方参政権付与は「憲法上禁止されたものではない」とする九五年二月の最高裁判決が出されるなど、当然の流れとなりつつあることを強調。この間、在日本大韓民国民団などから実現にむけた要請があったこと、訪日した韓国の金大中大統領が国会演説で永住韓国人への参政権についての希望をのべたことなどをあげ、「永住外国人への参政権問題は熱い焦点になっている。機が熟してきたなかで、検討してきた方向を法案要綱として具体化した」とのべました。

 法案の特徴として、志位氏は、(1)都道府県および市区町村の首長・議会議員の選挙権とともに、被選挙権も付与すること(2)選挙資格については個々人の意思を尊重し、申請にもとづいて付与することをあげました。被選挙権もふくめて保障することについての理由を問われた志位氏は、「地方参政権というなら、選挙権と被選挙権は一体のもので、選挙権だけに限定する理由はない」とのべました。

 志位氏は、党としては二十七日召集予定の臨時国会に法案を提出する考えを示し、「日本の民主主義の成熟と発展という立場にたって、各党とも話しあって実現できるよう力を尽くしたい」とのべました。

 法案が対象とする永住外国人は、出入国管理及び難民認定法が定める「永住者」約八万人と、「特別永住者」(戦前日本の植民地だった朝鮮半島・台湾等から日本にきて、そのまま在住している人とその子孫)約五十四万人の、あわせて約六十二万人です。


筆坂政策委員長らが民団中央本部を訪問

永住外国人地方参政権法案を説明

 日本共産党の筆坂秀世政策委員長・参院議員は十七日午後、西口光国際部長とともに、東京・港区の在日本大韓民国民団(民団)中央本部を訪問し、応対した徐元テツ国際局長に、同日、志位和夫書記局長が記者会見で発表した「永住外国人に地方参政権を保障するための日本共産党の提案」のコピーを手渡し、その趣旨と法案要綱についてくわしく説明しました。

 これにたいし徐国際局長は、先日、志位書記局長にこの件で要請したさい、党は法案要綱を検討しており近く発表するとの力強い言葉を聞いて感銘を受けたが、こんなに早く出されるとは思わなかった、この問題は民主主義の根幹にかかわるものだ、とのべました。また、在日外国人の権利にかんする一連の問題での民団の見解を紹介しました。

 筆坂氏は、徐国際局長の質問にも答えながら、党の立場を明らかにし、法案の成立のために力を尽くすと語りました。

 約一時間にわたってなごやかにおこなわれたこの懇談には、民団の孫成吉国際局副局長が同席しました。


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