2001年12月2日(日)「しんぶん赤旗」

負けてたまるか リストラの職場で

転籍撤回し強要を謝罪

国会質問、本紙報道がきっかけ 住金和歌山



 大量転籍という人権侵害の首切りリストラをすすめている鉄鋼大手の住友金属工業和歌山製鉄所(和歌山市)では、日本共産党国会議員の質問を契機に転籍強要が中断されるなど職場の雰囲気が一変しています。

 本紙(『負けてたまるか』十一月二十三日付)既報の男性従業員Aさん(41)にたいしても、会社側は「すまなかった」と謝罪し、転籍を撤回しました。

 同社(本社・大阪市中央区)がすすめている大リストラは、入社したばかりの若者を含む九千人の出向者全員を退職させ、八割から六割の賃金で出向先に転籍させるというもの。嫌がる労働者に、「応じなければ職場はない」などと強迫めいた説得をくり返し、執ように転籍を迫っています。

 日本共産党住金和歌山製鉄委員会と連携し、十一月二十一日に日本共産党の小沢和秋衆院議員が厚生労働委員会で同社の転籍強要の違法性を追及。日比徹・労働基準局長は最高裁判例(3面に別項)をあげ、「労働者本人の自由な決定を妨げる一定限度を超えた退職勧奨は違法である」と明確に答弁しました。

 小さな子どもを抱え、多額の住宅ローンも残っているAさんは、来年一月から今の賃金の60%(約十七万円)で転籍を迫られていました。しかし、「これでは生活ができない」と職場の日本共産党員に相談、転籍拒否を貫いていました。

 出向中の関連会社から住金本体に戻れることになるAさんは、「日本共産党の人たちの励ましと働きかけで、ここまでがんばることができた」と喜びを語っています。

 党委員会は引き続き工場門前で、「限度を超えた退職勧奨は違法」と訴えたビラを配布。和歌山労働基準監督署に出向いて話し合いも持ちました。同署長は「緊急性と規模の点でも問題があると認識している。申し入れがあれば対応したい」と答えました。

 従業員の村岡吉雄さん(59)は「国会で取り上げられたのが大きな力となっています。職場では変化が生まれています。やむなく転籍をのんだ人たちも、もっと労働条件(賃金)をよくしてほしいという声をたくさんあげています。こうした切実な願いを実現するとりくみをすすめていきたい」と話しています。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp