市町村合併、地方財政「改革」の焦点は?  


Q17 議員の在任や定数の特例の活用を、どう考えたらいいのですか。

A 住民の意向や感情を考慮して、道理ある態度を研究しましょう。

 一九九五年の改正で、現在の議員の定数と在任の特例になりました。新設合併の場合は、(1)設置選挙で任期は法定上限数の二倍以内、(2)そのまま全員が二年以内在任する、が認められています。編入合併の場合は、(1)設置選挙と次の選挙までの二回は特例定数(編入市町村の定数に編入される市町村の分を人口比で増員)、(2)そのまま全員が編入市町村の残任期間在任し、次の選挙まで特例定数、が可能です。

 これを活用してきたところもあります。さいたま市はいっせい選挙までの二年近く旧市議が全員在任しました。

 しかし、最近は、住民感情に配慮して「痛みを分かつのが合併といいながら、自分だけいい思いするのはいかがか」という思いから、議員定数・在任の特例を使わないというところが増えているようです。

 こうしたところでは、党議員・党支部としてどういう態度をとるのかは、単純ではありません。「議員は多い方が、議会制民主主義が生きるから」といって定数も期間も最大のものを主張するということでは、住民の理解を得ることは難しいでしょう。そうした場合、合併後の選挙戦で、党候補が苦戦する要因にもなりかねません。

 逆に、「潔くいくべきだ。いっさいの特例も使うべきでない」というのも機械論にすぎるでしょう。いざ、合併するとなれば、合併後も旧市町村の地域住民の利益を守ることは大切なことであり、とくに比較的小さな市町村の場合、在任を主張することに意味があります。ただ、その場合も、新市町村の議員になると議員歳費も大幅に上がるケースも出てくるという問題もあります。

 在任期間(数カ月なのか、一年程度なのか、四年近くもあるのか)、旧市町村の議員総数などによっても、対応が違って当たり前です。いずれにせよ、住民の理解と共感を得られること、住民と地域の利益をより守れること、を基準にその地域の実情をふまえて、やがておこなわれる議員選挙を展望して、よく議論・検討して態度を決めることです。


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