機密費―ヤミ工作資金の実態
内閣分と外務省分だけで年間72億円にもなる機密費。疑惑は外務省元室長だけではありません。機密費が日本共産党以外の野党に渡っていたことを、歴代の官房長官経験者が生々しく証言。 血税を「せんべつ代」や野党をだきこむ「国会対策」に、自由勝手に使える仕組みこそ問題です。「共産党は呼んでも(機密費を)取りにこない」(野坂浩賢元官房長官)という日本共産党だからこそ汚職や疑惑の解明でも先頭に立てます。
【証言1】 塩川正十郎財務相(宇野内閣の官房長官)
「(機密費)を野党対策に使っていることは事実です。現ナマでやるのと、それから、まあ、要するに一席設けて、一席の代(金)をこちらが負担するとか。(1月28日のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」)
【証言2】 野坂浩賢氏(村山内閣の官房長官)
「長官室の金庫には常時8千万円の現金が入っていた。……1日で500万円から多いときで1000万円支出する。…もっとも多い使い道はせんべつだ。国会議員が海外視察に出かける時に渡した。若い議員には30万円ぐらい、委員長になると100万円ほどになる。現地の昼食会にでも使うのだろう。せんべつを受け取る人は与野党問わない。だが共産党は呼んでも取りに来ない。…3回ほど与野党の国会対策委員会幹部会に渡したことがあった。法案通 過だったか難しい政局を乗り切ろうとしてだ。1回当たり計500万ぐらい」(「朝日」1月26日付)
【証言3】 自由党・平野参議院議員
「(73年に前尾繁三郎衆議院議長の秘書になったころは)7月と12月に盆暮れの付け届けをする習慣ができていた。官房長官の使いが議長の私邸に新聞紙に包んで紙の袋に入れた500万円を持ってきた。……〔当時の野党は全部受け取ったのかとの問いに 〕共産党は受け取らなかった。公明党は最初は背広の生地ぐらいしか受け取らなかったが、昭和50年代ごろからは受け取るようになった。(「朝日」3月18日付)
機密費とは――領収書不要。使途も支出先も明かされず
機密費というのは、「報償費」の名称で計上されています。戦前、法律で会計検査の対象からはずされ、使途がほとんど不明となっている「機密費」の系統をひくものです。使途も、支出先の証明や使用目的の公開も不要の予算です。領収書もいらず、何に使われたのか、国民にはいっさい明らかにされないヤミのお金です。
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