見出し

不破委員長(当時)の代表質問から


衆院本会議 99年1月21日

 今のガイドライン問題にも関連することですが、ここで、北朝鮮をめぐる問題について、質問と提案を行いたいと思います。

(中略)

 北朝鮮の政権あるいは政権党が、国際社会におけるルールについて、我々と共通 の常識を持たないことは私たちもよく知っています。日本共産党自身、北朝鮮の側から国際的な道理を無視した不当な攻撃を繰り返し受けたために、1982年以来、北朝鮮の政権及び政権党と、いかなる関係も持っていません。

 しかし、国際的な平和と安全のためには、また、不測の事態を未然に防止するためには、相手がそういう状況にあればあるだけ、日本の側が国際的な道理を踏まえ、問題を平和的に打開する態度を尽くすことが重要であります。その見地から、2つの提案を行いたいと思います。

 第一は、北朝鮮と正式の対話と交渉のルートを確立する努力を、本腰を入れて真剣に行うべきだという問題であります。対話と交渉の場を持たないまま、すなわち日本側の真意を相手に伝える場、相手側の意思や認識を公式に聞く場を何ら持たないまま、対立的な関係や雰囲気だけが拡大するという悪循環は、早急に断ち切らなければなりません。

 中断している国交正常化交渉を改めて軌道に乗せる問題に、今こそ本格的に取り組むべきではありませんか。また、そのほかの方法を含め、両政府間の接触、対話、交渉の場を開く問題に、日本の側から積極的な対応をすべきではありませんか。
(以下略)


衆院本会議 99年11月2日

 私は、1月国会で、日本自身が北朝鮮との間に公式の交渉ルートを開き、問題の外交的解決に当たることを提案しましたが、これについても政府自身の積極的対応はありませんでした。

 しかし、この間に情勢は大きく変わりました。アメリカと北朝鮮との交渉で、北朝鮮問題は今平和解決の軌道に乗りつつあります。日本国民を初め、アジアの各国もこの事態を歓迎しています。では、政府はこの局面 でどのような積極政策を用意しているのでしょうか。有事には備えたが平和解決の局面 への備えはなかったというのでは、国際政治への対応はできません。

 首相、政府には、北朝鮮との関係で日本が何を目指すかの外交目標を明確にする責任があります。日本自身、北朝鮮との間には、ミサイル問題、拉致問題など幾つかの紛争問題を持っていますが、それは交渉によって解決すべき交渉の主題であって、その解決を交渉ルートを開く前提条件としたり、すべてを他の国の外交交渉にお任せするといった態度では、問題は解決できません。