大会議案の討論1 (1月14日)

綱領改定案と大会決議案とそれぞれの中央委員会報告にもとづく討論での発言要旨を順次紹介します。

解釈ではなく変革不屈の魂と綱領改定案

鹿児島・祝迫光治 代議員

 十二月二十五日に、奄美大島の日本復帰五十周年を祝いました。異民族による占領支配に非暴力のあらゆる手段を駆使してたたかい復帰をかちとった。先頭にたったのが非合法で結成された奄美共産党でした。その活動家たちが日本共産党奄美地区委員会の結成に参加し、支えてきました。昨年の総選挙は前回参院選、衆院選、九八年参院選も上回る得票で、比例代表並立制では最高の得票数・率となりました。いま七十代となった多くの同志たちが宣伝、対話・支持拡大で意気高いとりくみをおこないました。
 その根底には、アメリカによる侵略戦争と占領により罪なきイラク国民が尊厳と誇りを踏みにじられ、平和憲法をもつ日本政府が支持・加担している−この不条理に立ち向かい、平和の国際秩序を築くために奮闘している共産党の躍進をかちとらなければという、異民族支配とたたかった不屈の党員魂が発揮されたものでした。
 ことし六月の参院選では「対米従属のこの体制を打破することは、二十一世紀の日本が直面する最大の課題」と位置付けてたたかう共産党が大きな躍進をかちとるよう、ともに全力をつくしましょう(拍手)。そのためにも今大会で練り上げ、採択される綱領と大会決議を血肉とすることに全力をあげたいと決意しています。
 不破議長の報告をうけて綱領改定案討議に参加する角度がスッキリしました。世界をどう解釈するかではなく世界をどう変革するか、変革の党の旗として、情勢の発展とかみ合い、国民多数の支持を得られるものに充実・発展させるという立場に立つことが、かなめだと思います。全党的な実践の検証に照らして練り上げるという立場に立つならば、ほとんどの問題は認識の一致をかちとることができます。
 改定案は、現綱領の根幹をより国民にも分かりやすく、共感と支持を得られるものにして、共同を広げるうえで大きな力となる方向への改定であると受けとめています。
 この大会で採択される綱領と大会決議を力に、当面する国民的諸闘争と選挙・党建設で大きな前進をかちとり、二十一世紀に一日も早く民主連合政府を実現できるよう全力をつくす決意です。(拍手)


若い人にたっぷり語ると「私の気持ちにピッタリ」

京都・渡辺和俊 代議員

 党綱領改定案討論と選挙戦が重なったこの半年間は、党組織が新たに鍛えられる期間になったと実感しています。
 特に、若い党員の中での討論を援助する中で、このことを痛感しました。若い人たちがもっとも強く反応するのは、三つの分野での「民主的改革」の内容です。「この改革は私の気持ちにピッタリ」「ふだん周りの青年に訴えていることがすべて書かれている」という受けとめが圧倒的です。
 若い世代が、反戦平和や就職難打開などの要求と運動を通じて党に接近してきたこの数年のプロセスは、「対米従属と大企業の横暴な支配」を特質とする自民党政治がゆきづまった九〇年代に、わが党が「日本改革」の提案を発展させてきたプロセスと重なっています。
 京都府委員会は、青年・学生党員に、綱領路線の発展を歴史的につかんでもらう学習・討論に努力してきました。たとえば、「ルールある経済社会」の確立は、大企業に対する民主的な規制によって確実に実現できることなどを、たっぷり時間をとって繰り返し学習・討論してきました。
 党歴が短く、政治経験が浅い青年・学生党員であっても、日本の独占資本の経済的支配の現状分析から導き出された民主的規制の政策の現実性をつかめば、綱領路線のより全面的な理解に進むことができます。
 わが党の綱領は、党の蓄積された理論と政策を新しい世代に引き継ぎ、世代間の融合を生み出す力をもっている−私はこのことを確信するものです。
 今、選挙制度や「二大政党キャンペーン」で一時的にわが党の前進を阻めても、わが党が党綱領に基づいて国民の中で民主的な改革の多数派を形成する活動をおさえこむことはできません。
 告示目前の京都市長選挙では、総選挙であれだけ「自民対民主」を叫んだ民主党が、自民党と一緒になって古い政治を続けようとしています。このもとで新しい共同が広がっています。特に、大学関係者の共同の広がりは七〇年代初頭に匹敵するものがあります。
 新しく決定される綱領を力に、京都市長選、参議院選挙に必ず勝利する決意です。(拍手)


青年の「なんで?」模索にこたえる力がある綱領

高知 浜川百合子 代議員

 一年間の活動を通じて、綱領改定案が激動の中で生きる青年にとって将来の展望を示し、受け止められる条件が広がっていると実感しています。
 高知県でも、平和のたたかいは多くの青年を巻き込んだ運動へ発展しました。イラク戦争直後に開いたピースフェスタはあきらめている青年も視野に入れ、平和の思いを表現する場を青年自身でつくろうとおこないました。
 平和の取り組みは、その後も続き、原水爆禁止世界大会には一昨年八人だった青年を昨年は県からの参加者の半数近い十八人を送り出すことができました。これらは、いまの自衛隊派兵反対の活動にもつながっています。平和運動を続ける中で「なんでアメリカいいなりなん」「戦争はなくせんの」など疑問も生まれていました。
 そんなとき、志位さんの談話を読み、「戦争が始まった今だからこそもっと声を上げないと。私たちの運動は世界の平和の流れの中にある。道理があることを確信にして絶対あきらめんとこう」と議論しました。
 党や民青同盟があきらめずにやってこれたのは、繰り返し学んで展望をつかんでいたからです。昨日不破さんの報告で「情勢を根本からとらえるという綱領的認識が大切」とありましたが、それを学んだからこそできたのです。疑問や模索を乗り越えられたのは綱領改定案がそれに応える力をもっていたからだと思います。
 綱領改定案を学んだ学生は「平和活動の中でアメリカ言いなりの日本を体験し、(改定案が)すごく納得できたし、民主主義革命もこうなったらいいなと思った。でも、“できたらいいな”では人ごと。こういう社会をつくるのは私たちや。じゃあ入党して実現しよう」と以前は泣きながら断っていたのに(笑い)、今度は自分から入党しました。(爆笑、拍手)
 総選挙では「思いは行動して実現させる」と成長していった青年たちが大きな力を発揮しました。結果に涙を流して悔しがるほど頑張った選挙でした。
 青年はいまの日本の矛盾に気づきはじめているというのが実感です。綱領を語り、何よりも日本を変えていける展望を大きく広げていくことが求められていると思います。参院選までに綱領を自分たちの言葉で語り、広げる青年を増やして、今度は涙ではなく笑って選挙事務所にいけるよう頑張ります。(拍手)


若者の感性にも響く私たちの未来社会論

千葉・天木繁男 代議員

 激動する情勢のなかで未来社会論をどう語るかに大きな政治的な意義があると思います。
 未来社会論は、多くの党員にとってロマンであり、入党のきっかけになっています。一方で「分配論は残してもらえないか」など長年親しんだ二段階論、分配論に愛着をもつベテラン党員も少なくありません(笑い)。報告で、先人たちの未来社会論は、分配論の定説の狭い枠組みにおさまらない、豊かな内容をもつこと、そこで社会発展の主要な内容とされるのは、人間の自由な生活と人間的な能力の全面的な発展を展望していることなどがあらためて整理、解明されました。
 先日、学習会の準備で「『ゴータ綱領批判』の読み方」を三回読み直し、マルクスやエンゲルスが壮大な構想で社会主義・共産主義を描いていたことがわかりました。分配論への愛着をふっきれない同志は、ぜひ読んで、改定案の新しい内容で日本共産党の社会主義論、未来社会論を国民に語れるようになることが大事だと思います。
 青年のなかで綱領改定案について議論になるのは、生産手段の社会化が、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会すべての成員の人間的発達を保障する土台をつくるというところです。一人ひとりが大事にされないいまの社会で、自分の可能性をあきらめさせられているなか、未来社会論の話に花が咲きます。
 SMAPの「世界に一つだけの花」という歌は、イラク戦争の反戦歌としても歌われています。「勝ち組、負け組」と評価され、競争社会の真っただ中に生きている若者は、この歌詞に共感を寄せています。青年たちのこの感性のなかに未来社会論を実現する可能性を感じます。(拍手)
 不破議長は報告で、綱領が採択されたら、これを全党組織、全党員の血肉にし、日常活動の指針として活用をと訴えています。志位委員長は参院選をたたかう活動方針で、綱領改定案を生かして、どのようにこの仕事をやりとげるかは新しい探求と努力が求められる課題と提起しています。ベテラン党員はベテラン党員らしく、青年党員は青年の感性でこの課題にとりくめるよう、学習教育の分野にたずさわる幹部の一人として全力をあげます。(拍手)


豊かな未来社会論は国民の誤解とく大きな力

福岡・篠田 清 代議員

 綱領改定案の報告は、ソ連体制を社会主義の一つの型だとする立場と手を切らないかぎり、その運動が資本主義世界で多数派になる道は開かれないとのべ、未来社会のキーワードは「生産手段の社会化」とあらためて強調しました。私は自分の経験から、まさにわが意をえたりと同感します。
 綱領改定案の発表直後の七月、大手新聞の「二十一世紀を読む」という連載で、ある作家が“社会主義、マルキシズムは二十世紀とともに役割を終えた”と断言していました。マスコミは北朝鮮の悲惨な実態と拉致問題を関連させ、「あれが社会主義」と報道し、高校でも教科書でソ連・東欧でマルクス主義にもとづく社会主義が崩壊と教えています。
 私は、こうした報道や攻撃が、わが党の前進を阻む要因の一つだと思います。入党をはたらきかけた五十代の方は、“ソ連や中国のような社会をめざすのか”と真剣に聞いてきました。この方は、「ソ連や北朝鮮は社会主義ではなく、私たちのめざす社会主義社会は自由と民主主義の花開く社会だ」という説明を聞き、入党を決意しました。入党する人でも、こうした疑問をもっています。綱領改定案の討議でも、社会主義・共産主義について“綱領でとりあげない方がいい”“党内ではいいが、国民にいわない方がいい”(笑い)という意見もあります。
 社会主義への誤解をとく上で、改定案の未来社会論は大きな力を発揮します。昨年十一月に党員でない若い弁護士を対象にした学習会の講師をしました。そこで改定案の未来社会論を紹介すると、二十代の女性の弁護士は「共産党のめざしている社会がソ連などと違うということを初めて知りました。社会主義・共産主義の社会が明るくて、未来があるものだなと思いました」というのです。改定案の未来社会論が若い人に社会主義・共産主義のすばらしさを伝えられるということに確信をもちました。
 就職難などの困難にあい、資本主義が永遠に続くと思い込まされ、展望を見いだせないでいる青年たちに、科学的社会主義の理論がしめす人類の未来社会がいかに豊かでロマンにみちたものかを伝えていこうではありませんか。(拍手)


人間性が尊ばれる社会へ綱領の指針は人生励ます

茨城・江尻加那 代議員

 茨城県都の水戸市で昨年四月から市議会議員をしています。私は子どものころから両親が党の活動をしている姿を見て育ちました。
 科学的社会主義や党綱領を初めて学習したのは学生時代、故郷の四国徳島を出て茨城に来てからでした。党や組合の活動に忙しい両親に反発を感じていましたが、学習を重ねるうちに理解でき、温かい人間集団で活動するうち、「社会の進歩に自分の生き方を重ねる」??この言い尽くされた言葉が自分の心にすーっと入ってきて二十歳のときに入党しました。
 それから十年、市議選への立候補を決意したときも、人間性が大切にされる社会をつくっていく綱領の指針が大きな励ましとなりました。
 七〇年代に生まれた私たちの世代は物心ついたころには第二の反動攻勢のときでした。そしていま、アメリカと大企業、財界に立脚した自民党政治で子どもたちにも競争社会、もうけ主義、得か損かというだけの価値判断という自分の存在意義や人間性を否定する流れが強められています。
 一方で環境問題での住民運動が大きく広がるなど、人間としての生き方を守り抜こうという流れがぶつかりあっています。私も、「ナンバーワンよりオンリーワン」というメッセージに共感する一人です。
 綱領改定案の未来社会論は「生産手段の社会化」で人間の全面的な発達を保障し、本当の意味で社会の主人公となる道を切り開く、理想の希望ある未来を科学的に明らかにしています。矛盾した資本主義はいつまでも続けられない。社会は変わるし、変えられる。そのことを次世代を担う多くの青年が実感したとき、大きな力になるし、生き方をより豊かなものにします。
 私には三歳になる息子がいます。子どもは自分の存在を周りから肯定されたとき心から安心でき、それが糧となって自分に自信を持てます。
 党員として議員として毎日一歩ずつ前向きに誠実に、自分らしくがんばる。その指針となる綱領は生き方を励ます力です。新しい綱領を多くの人に語っていきましょう。(拍手)


たたかいが暮らし守るトヨタを動かした経験

愛知・笘原(とまはら)敏郎 代議員

 この二、三年、トヨタ自動車党委員会に「助けてください。毎日帰宅は午前一時、二時。残業手当もつかない」「夫を早く帰して」と、手紙や電話が寄せられました。私たちは「サービス残業なくせ、長時間労働の規制を」と職場新聞でキャンペーンを張りました。
 職場で倒れて亡くなった主人の出勤時間と帰宅時間をカレンダーに記録していた若い奥さんは、私たちとともに労働基準監督署に過労死を認定させる闘争に立ちあがりました。残業が一カ月百時間を優に超えているのに、会社への申告は三十時間でした。名古屋支社でも、本社技術でも、勇気ある内部告発があり、労基署の立ち入り調査とともに未払い賃金が支払われました。名古屋支社だけでも一千万円と報道されました。
 日本共産党の国会での追及、労働者と家族の告発、職場の共産党のたたかい−これらが大きな流れとなってトヨタを動かし、トヨタの下請け企業についての資料に基づく山口富男議員の追及の翌日には、会社はラインを止めて「部下からの残業申告はすべて残業扱いする」ことの徹底をはかりました。厚生労働省の「始終業時間の管理は企業に責任がある」との通達も生き、会社はついに門の入り口に入門、退門が記録されるカードリーダーを設置したのです。労働者から「共産党のおかげです」と言われるとたたかって良かったと実感します。
 昨年の総選挙では、われわれのたたかいの影響が広がったと確信しています。私たちは衆院愛知十一区です。トヨタ労組推薦の民主党候補が99%の票をとると言われる中、日本経団連会長でトヨタ自動車会長でもある奥田碩氏が前面に出て、自民・民主の二大政党論をぶち上げました。消費税増税反対、憲法九条改悪・イラク派兵反対の一票を共産党への訴えで対話が弾み、ある管理職が「職場でまくからビラをくれ」「ポスターもくれ」と言って、カンパもくれました。私たちは「しんぶん赤旗」の購読を勧め、快く読者になってもらいました(拍手)。愛知十一区は、前回時比の伸び率で愛知でトップでした。
 雇用と労働のルール、暮らしを守るルールをつくっていくために参院選勝利に向けて奮闘する決意です。(拍手)


社会をどう変えていくかズバリ書かれてすっきり

兵庫・松田隆彦 代議員

 昨日の報告で綱領改定案第四章に関連して、これまでの行動綱領ではなく、民主的改革の基本的内容を規定したことによって「どういう改革によって国民要求を達成するか」が明らかにされました。
 今回の改定案では、これまでの要求の羅列のような形式ではなく、日本共産党は日本社会をどのように変えようとしているのかということをズバリ書いています。
 前大会では、日本共産党と日本社会、国民との関係が大きく変化したことに対応して、規約を国民に分かりやすい表現にしました。
 今回、綱領もそういう立場で全面的に改定することは、矛盾と破たんに直面した自民党政治からの出口を切実に求めている多くの国民の期待にこたえたものだと確信します。
 報告では、天皇制についてのさまざまな意見をどう考えるかについて触れられました。よくある疑問は、「君主制の廃止」の表現をなくしたので天皇制を容認したのではないかという誤解だと思います。これまでの議長や委員長の発言では「天皇制のない民主共和制」「天皇制を廃止した民主共和制」という表現がされていますので、「民主共和制」の前に「天皇制のない」、もしくは「天皇制を廃止した」との文言をいれ、「これは憲法上の制度」の部分を「天皇制は憲法上の制度」とすることを提案したいと思います。
 レーニンは「ゴータ綱領批判」の読み違いから、未来社会について、生産物をどう分配するかを中心に考えました。「能力に応じて働き、働きに応じて受け取る」から「必要に応じて受け取る」という「二段階説」と「統制経済」というのは同じ「読み違い」から派生したのではないでしょうか。
 今回の改定で未来社会論の「二段階説」をやめることは、「統制経済」、ひいてはソ連型の誤りを絶対に再現させないということと一体のものではないでしょうか。そういう意味からも、未来社会の呼称を改める今回の改定案に賛成の立場を表明します。
 改定される綱領を力に、参院選の比例代表では市田書記局長、定数二の兵庫選挙区では大沢たつみ参院議員の再選をかならずかちとる決意を表明して発言を終わります。(拍手)


「君主」扱い封じる足場となる綱領改定案

中央・土井洋彦 評議員

 私は、党の綱領としては象徴天皇制という現行の制度について「君主制」という規定をやめるとしたことに関して、綱領改定案と不破議長の報告が、日本の政治情勢にてらしても、日本の学問・研究の到達点との関係でも、大事な問題提起になっていると考えています。
 今回、党の政治文書である綱領から「君主制」という規定をはずすとしたことは、日本国憲法のもとでの天皇は「君主」ではないという憲法学分野の多数の見解とも一致するものであり、「学問をふまえた党」としての積極的な意味を持つ措置だと思います。
 それにくわえ、不破議長の報告では、天皇を「君主」扱いにして、憲法が禁じている「国政に関する権能」を部分的にもせよ、持たせようとしているのが、反動派の復古主義的なたくらみであることを指摘しました。これは日本の戦後史、および今日の政治情勢にてらしても、重要な意味をもっていると思います。
 この問題での政府の公式見解は、一九七三年六月、当時の内閣法制局長官が、自民党参院議員の呼び水的な質問に対して、今の日本の国家形態は「立憲君主制」であると答弁したものです。
 重大なのは、反動派がこうした政府の見解も足がかりにしながら、天皇を「君主」扱いする企てを、一貫してとってきたことです。
 日本共産党は、天皇を「君主」扱いするような動きにたいする、もっともきびしい批判者の政党です。その党が、綱領で天皇制について認識と方針を明確にするとともに、「国政に関する権能を有しない」など憲法の条文にそって正確な規定をおこなったことは、憲法をよりどころに、自民党などの右派勢力による天皇の政治関与や政治利用を是正し、封じる足場を明確にするという、きわめて積極的な意義を持つことも、明らかではないでしょうか。
 国民の中には、天皇・天皇制について、さまざまな意見があります。今回の党の立場は、天皇や天皇制についての意見の違いをこえて、憲法を旗印にして良識ある広範な人々と手をたずさえ、反動派のたくらみを包囲する足場を広げることにもなるでしょう。こうした立場に立った国民の共同を重視していく決意を述べて発言とします。(拍手)


県民の願い実現と結び大志もち参院選勝利へ

神奈川・小池 潔 代議員

 新綱領を全県党組織、全党員の血肉として県党組織の新たな発展段階を切りひらく決意です。いまたたかわれている参院選挙は、日本の命運がかかった重大な選挙であり、絶対の勝利が求められています。
 参院神奈川選挙区では戦後初めて、はたの君枝議員を当選させてから政界、経済団体、自治体、県民のなかでわが党の位置が飛躍的に高まりました。数多くの要求が実現しています。県民への責任となる参院選で勝利をめざす戦略を三点に絞って発言します。
 一つはリストラ、仕事確保、医療、年金、介護の実態は小泉内閣の悪政により耐え難いものになっています。志位委員長の報告は、党の活力の源泉の問題として、いついかなる時にも国民がぶつかっているさまざまな困難に真剣にとりくみ、その解決のために絶えず情熱を傾けて献身すること。党員がとりくんでいるどんな小さな要求のための活動にも光を当て、それを励まし援助することを強調しています。新春の県、地区の会議で今年一年、一人ひとりの県・地区役員たちもこの点で、一貫して活動しようと決意を固め、支部に入って援助を強めています。
 二つ目は選挙の組織戦の抜本的改革と早くからの支持拡大とその飛躍です。総選挙の総括から過去最高の支持拡大である七十五万の峰を必ず三月までに突破し、総選挙の二・七倍、八十万の得票目標に見合う支持拡大の大波を広げることを全県党組織に呼びかけてきました。三月までに全世帯の10%の後援会員を組織し、毎月ニュースを手渡すネットワークづくりを必勝戦略にして進めています。
 三つ目は読者拡大と党員拡大の飛躍をどうやって選挙前にやりとげるかについてです。昨日、宿舎で地区委員長と相談会を持ちまして、総選挙時比の130%の読者を一日も早くやりとげることはもとより、一・五倍化に意気高く挑戦し、勝ちにいくことを確認しました。神奈川のみなさん、大志を持って頑張ろうではありませんか。(拍手)
 いま、県党組織は県・地区役員が支部に入り、参院選勝利をめざした支部の「政策と計画」を練り上げ、実践に足を踏み出す援助に力を尽くしています。
 党勢拡大の飛躍は、全支部の自覚的目標、参加者の飛躍、対話総量の大飛躍を必要とします。新綱領を日々の活動の指針にし、変革者の立場で、参議院選挙を必ず勝利することを決意して発言を終わります。(拍手)


野党外交の胸躍る成果もっともっと語りたい

埼玉・阿部幸代 代議員

 参院選埼玉選挙区候補の阿部幸代です。改定される綱領を力に比例五議席の絶対確保と埼玉選挙区の勝利のために参院選挙をたたかいぬく決意です。
 綱領は、四十二年余の実践と理論的な探求によって本当にとぎすまされたものになろうとしています。
 「しんぶん赤旗」に「チュニジアの七日間」が連載されました。チュニジア外相はテロや過激主義を「大砲で克服したのではない。『原理主義』の生じる原因を真剣に考え、探求した」といっています。テロを生み出す根源、貧困を解決するため貧しい農村へ集中的な投資を行い、社会への連帯を強めたといいます。
 ここには異なる価値観をもつ文明との対話と共存の可能性が深いところで示されています。国連を中心とした平和の国際秩序を築く流れは、ものごとを物理的に解決する力を持ちます。だからこそ綱領改定案の「異なる価値観をもった諸文明の対話と共存の関係の確立」も可能になるのだと思います。このことをマレーシアなど東南アジア訪問以来の日本共産党の野党外交は示しているのではないでしょうか。
 私は二十世紀の変ぼうと切り結んだ日本共産党の野党外交のすばらしさと自主的な平和外交への転換の必要性をもっともっと語りかける必要を痛感します。
 このことはイラクへの自衛隊派兵中止、憲法九条改悪を許さない活動と一体のものです。国連憲章に基づく平和の国際秩序を選ぶのか、アメリカが横暴をほしいままにする国際秩序を選ぶのかを大きく問いかけ、前者の流れを確実なものにしていきたいと思います。
 私は、青年を中心とした雇用対策を重点公約に掲げましたが、昨年の選挙でこの部分への共感の広がりを強く感じました。ただ働きと使い捨ての横行を語りかけてくる青年など本当に深刻なものでした。サービス残業をなくせば百六十万人の雇用が可能だというのがキーポイントになります。
 相談と訓練の要求が特徴となっている青年のためのヤングハローワークの実現のために活動している最中ですが、こうしたことも含め、日常活動のなかに綱領的ロマンをふきこんで頑張りぬく決意です。(拍手)


改定案学びつつたたかい「でっかく」なれた総選挙

長野・渡 雅彦 代議員

 学生支部の仲間が色紙を書いて送り出してくれました(色紙を示す)。こうして、支部の仲間が大会に参加しています。「学びつつたたかい、たたかいつつ学ぶ。その中で成長もする」観点から、大学の支部活動について発言します。
 週一回の支部会議では学習をメーンにし、理論学習には綱領学習を据え、不破議長の『日本共産党綱領を読む』を学習しました。各章に担当を振り分け報告するというやり方です。学習でも、その他の財政・機関紙活動でも「支部員一人ひとりが主人公」を貫いています。中には、飲み会を担当する「団結本部長」もあります。(笑い)
 夏休みには三泊四日の支部合宿をし、講師を招いて綱領改定の内容を深めました。夜には独習時間も設けました。夜中の十二時を過ぎても改定案の学習に励む姿があり、学ぶ気風を高める大きなきっかけとなりました。
 昨年の総選挙で、大学では早朝に四種類のビラを全戸配布し、大学の教室でもビラ配りやクラス演説をしました。
 メール作戦も行いましたが、メールのやりとりの中で、「今回は共産党にした。やっぱ参加することから始まるなあって思った」「客観的に考えて、国民中心の政治を目標とする共産党の考え方が必要だと思う」などのメールが返ってきて、確信を持つことができました。
 総選挙の結果は、議席を減少させてしまったものの、選挙活動を通じて確信を得たという一年生の感想を紹介します。選挙活動も投票も初めての学生です。
 「日本共産党の示す方向を深く、広く伝えることができたと実感した。選挙はその大きなチャンスだった。この選挙を踏み台にして内にも外にもでっかく飛び出せる気がする。そして、私の初の投票がマスコミや変な流れに乗ったものではなく、ここだっ! という自信を持った投票になったことは胸を張りたい。日本共産党を大きくしたい。ガンバレ日本共産党!」
 学びつつたたかい、たたかいつつ学んだ結果、成長したのだと思います。
 七月の参院選での比例五議席の絶対確保に向け頑張ります。(拍手)


「共産党やっている大人はかっこいい」と青年が…

京都・吉田幸一 代議員

 K−1や空手を見ることもやることも大好きな僕が青年学生部長を務めている京都の西地区委員会では第二十二回党大会以降、六十八人の青年を党に、百四十人を民青同盟に迎えています。(拍手)
 総選挙ではのべ百人の青年が事務所に出入りし、宣伝、対話で史上最高の到達を築きました。たたかわれている市長選でも五十人の青年で決起集会を成功させ新入党員を迎えることができました。
 この三年間の青年分野のとりくみで大事だと思った点を発言します。十、二十代の世代は自民党政治の最大の被害者だけに、自民党政治をどうしたら変えられるか真剣に模索しています。
 「アメリカいいなりでいいのか」「大企業のもうけ優先でいいのか」という問いかけが本当によくかみあい、日本をかえるネットや民青同盟の宣伝に出合うとすぐに対話になり、「これだ」と思えば民青同盟はもちろん共産党に入ることにもちゅうちょがなくなってきています。
 運動する側の党員や民青同盟員が“街を歩いている青年は、みんな仲間だ”と生きいきと元気に活動できるエネルギーは学習でした。とくに綱領改定案の学習を徹底してやり、選挙中も必ず学習タイムをとりました。
 この間の前進は、青年・学生支部はもちろん、居住支部や職場支部、機関の総力をあげた結果です。
 「青年にどう接したらいいのか分からない」という世代間の垣根をなくすために青年党員や居住、職場の党員がどういう思いで入党して活動しているのかなどを交流する青年シンポジウムを繰り返し開催しました。青年からは、「共産党をやっている大人はかっこいい。若者をひきつけるオーラがある」と。また、島津製作所の門前宣伝に参加した青年は、100%近いビラの受け取りに感動して「島津の党の人は、職場の人から信頼されている。自分もそういう党員に成長したい」との声があがるなど、世代間の垣根が低くなってきました。
 イラク派兵を実施させないために、どんな激動のもとでの選挙でも揺るがず勝利することができる地力をつけるために党員、同盟員拡大の意欲いっぱいです。(拍手)


連日、生活相談に行列市民の“かけこみ寺”に

大阪・矢達 幸 代議員

 決議案の第九章、「地方政治の現状ととりくみの強化方向」について発言します。
 昨年四月の地方選挙で、大正区は府議会の一人区で小谷みすずさんの三期連続当選を勝ち取ることができました。三人区の市議会では、私が七期目の当選を勝ち取ることができ、大正区内の計四人の選出議員のうち、党が二人を引き続いて維持することができました。
 このたびの選挙の特徴の一つは、公明党の激しい反共攻撃の中での勝利です。もう一つは、府議会は今まで二回の選挙は三つどもえでの勝利でしたが、今回は「オール与党」との対決での「ほんまもん」の一人区での勝利でした。
 なぜ勝てたのか、その教訓をまとめると、まず第一は、まちづくりでの党の役割についてです。過去、区内70%の面積でおこなわれた区画整理事業が、大土地会社などの利権あさりの場となり、混乱が続く中、三十年ほど前から、党が区画整理審議会に参画。徹底した情報公開と区民の世論を結集して、区画整理を民主化・正常化し、住民が主役のまちづくりにきりかえたことに、党のはたした役割が高く評価されたことです。
 第二に、生活相談活動です。相談所長を中心に小谷府議や私も必死で対応しますが、午前中は座ったきりで便所にも行けないほどの多忙をきわめる現状です。そしてこのような困難や悩みがどこから来るのか、現在の政治と結合して必ず対話をし、そして、「赤旗」の購読をすすめています。
 第三に町会の役員も大きく変化したことです。議会が終わるたびに議会報告を持って、区内の百四十人の全町会長や女性会などに議会報告を直接届けて、対話を重ねることを習慣化しています。
 第四に、このような住民と深いつながりが、公明党・創価学会による激しい反共攻撃から守ってくれました。
 しかし、課題はこれらの活動が、党支部とタイアップして力量をつけるということに不十分さがあります。総選挙時比130%の読者の陣地達成、質量共に強大な党建設を必ずやりとげ、きたるべき参院選挙必ず勝利するために全力をあげます。(拍手)


後援会ニュースの威力自民の町で反応激変

富山・火爪弘子 代議員

 富山では六年前から自民党による反共シフトが露骨に敷かれるようになり、県党組織は議員や候補者の地元にいかに強大な党をつくるかに努力してきました。私の住む地域は人口一万五千人。県内の自民党員の組織率は全国一で、百二十軒の私の町内には七十人の自民党員がいます。昨年の県議選では私の両隣の町内に候補をぶつける前代未聞の自共対決選挙となり、激しいたたかいの末、七位で当選しました。(拍手)
 私は一昨年一月の補欠選挙で落選したあと、支部と意思統一して四千軒の全世帯を回り、「日本共産党の後援会ニュースをお届けさせてください」とお願いしました。相手が自民党員でも「読むことなら」とほとんど断らず、後援会員がいっきに二千百五十人、世帯比で42%になりました。
 「こんなに配れるわけがない」というところから出発して、あて名を封筒に印刷し、配布者を頼んで広げました。四十人で手分けしてこの二年間、二十回の後援会ニュースを発行し届けてきました。相手の名前を見て配るのですから支持拡大も早くからでき、つながりも広がりました。
 選挙本番になるとこのニュースが威力を発揮するのです。総選挙でも支部は後援会員にニュースで協力の訴えを行いました。長年地元で選挙をたたかってきた人たちが「反応が以前と全然違う」「苦労してニュースを渡してきたからだね」といいました。支部主催で六カ所で行った演説会にはニュースを見て参加者が広がりました。
 私は比較的党員の少ないわが町内周辺で新たに支部をつくり、三人で出発し現在十七人です。「この支部は無理強いしないからいいよね」といいながらニュースやビラを配る党員の努力には本当に頭が下がります。校区の党員も三年半でちょうど倍、「しんぶん赤旗」読者も県議選までの三年間で一・三倍になりました。その後少し後退しましたが、前大会現勢は維持しています。報告は参院選で総選挙比133%の得票目標と130%の読者陣地を築いてたたかうことを提起しました。県内でもこの経験を広げ、その実践の先頭に立つ決意です。(拍手)


町議選でついに2議席躍進の土台は読者拡大

北海道・加藤弘二 代議員

 北海道の東、浜中町は人口七千五百人、天然昆布生産高日本一、漁業と、おいしくて安全な牛乳を生産する酪農業と、まさに一次産業一色の町です。私は五年前のいっせい地方選挙で、それまで十期四十年間、党の議席を守ってきた農民出身議員の後継者として町議選に立候補し、議席を得ました。四年後は必ず複数議席をねらう。持続的な「赤旗」拡大で基盤をつくろうと決意しました。
 まず、自分が持っていた百二十部の日曜版の配達、集金について、支部で相談し、配達を五人で、集金を四人で分担することにしました。荷が軽くなり、気軽に拡大へすすむことができました。議員の仕事は町民の要求実現です。さまざまな生活相談があり、勉強して対応しました。「恩返しできるなら」と「赤旗」を快く購読してくれる人も多くいました。
 十二月に十八部減紙し、二十一部増やすことが、二年続きました。教訓としたのは、「赤旗」が大量に減紙する裏で、必ず大量に増紙できる情勢にもなっているということでした(笑い)。最初に立候補した当時百七十六部だった日曜版が、四年間で二百四十部に。昨年の町議選は定数二減の十六で、二議席を獲得しました(拍手)。衆院選も比例票が選挙区票をはじめて上回り、得票率で5%から10%へ倍にしました。
 この躍進の土台は、「赤旗」拡大でした。一家で一部、子どもからお年寄りまで楽しめる「赤旗」は、実によい新聞です。涙なしには読めない記事もあります。日曜版には「地域のことが載っていない」という読者の要望にこたえ、六年前から読者ニュースをB4判裏表で発行。議員が二人になってからは、ニュースが増え、B4判裏表で二枚を手書きで発行しています。「ニュースだけ読みたい」という方もいますが、これは「赤旗」につきものですといって、購読してもらっています。(笑い)
 いよいよ参院選です。きのう提案された前回衆院選比130%の読者をめざすのは、支部にとって町の政治地図を大きく変える意味で重要な提起と受けとめました。130%には、支部で七十五部です。百部を拡大し、参院選にそなえます。(拍手)


支部とともに語り合い困難を一緒に打開して

宮城・日比野淳之 代議員

 仙台西地区委員会で地区委員長をしています。 参院選まであと半年、比例は五議席は絶対確保議席ですが、わが党の方針に「絶対」という用語はかつてあっただろうかと考え、並々ならぬ決意が必要だと感じています。そのための読者拡大目標130%、久しぶりの数値ですが、今、はらを固めつつあります。これを本気でやりとげ、参院選で勝利するためには、これまでの歴史的経験を検討し、今日らしい方針の確立が求められると思います。
 大きな前進のためのヒントはあります。中田支部は、十二月に五人を党に迎えました。「赤旗」日刊紙をすすめにいったところで党員が「できれば党に入ってほしい」とつぶやくと(笑い)、その方は入党を表明し、「イラクへの自衛隊派兵反対の署名をもって歩きたいぐらいだ」といいました。別の支部では、民主党を懸命に支援していた方が、財界戦略にのった新民主党に怒り、はじめて「赤旗」を購読、共産党の第一声に参加し、ポスター張りもやり、確実に党を支持するようになったのは仙台市で志位委員長を迎えての街頭演説でした。財界戦略と小泉内閣の悪政が私たちの予期せぬところで大きな変化をとげていることを全党員の確信に広げきることが求められていると思います。
 130%突破のカギの第二は、「支部が主役」で全党員参加の活動だと思います。地区委員会では、どんどん支部に行き、政治情勢を正確に認識し、変革の展望をつかめるよう援助し、困難を一緒に打開することを重視しています。今度の総選挙では九中総の不破議長の発言を私自身が繰り返し読み、“これは大変”と認識する中で毎日支部へ行って語りました。支部には本人たちが気づかなくても光るものがあります。その支部にふさわしいアドバイスが一つでもできるよう知恵の出しあいです。
 七、八、九中総とも全支部が討議しました。全党員参加の第一歩は全支部討議だと思っています。綱領改定案の読了は51・4%、当面、読了も党費納入者の70%をこえ、綱領を日常活動の指針として党を作り変えるくらいの決意でとりくみたい。週一回の支部会議とともに月一回の全党員訪問をすすめる支部も増えています。読者130%へ、まさに嵐のような拡大をやって、なんとしても参院選勝利を勝ち取る決意です。(拍手)


世界の新たな息吹を体感「草の根」が歴史をつくる

中央・笠井 亮 評議員

 目前の参院選挙を改定される綱領をもってたたかえる。こんなやりがいのある選挙はありません。一致団結して比例の五議席を絶対確保し、必ず国会に返り咲く決意を込めて討論に参加します。
 第一は綱領改定案で明らかにされた世界情勢にかかわる問題です。前大会以降、私も野党外交で、二十一世紀の世界の新たな息吹を体感しています。
 マレーシアのマハティール首相と歓談し、「アメリカとの関係は大事にするが、もう大国の支配や横暴の押し付けはゴメンだ。アジアのことはアジアで」「バラバラでは覇権主義に勝てないが、まとまれば平和と繁栄の道が開ける」という熱気にふれました。
 あるイスラムの大使から、「わが国にも派兵せよとアメリカの圧力はすごい。でももう十分協力しているので、はっきり断っている。やはり国連中心でこそ」との思いも聞きました。
 「平和憲法をもち、被爆国、しかも経済大国の日本が一緒なら、すごいことができるのに」と、日本への期待と現実のギャップが際立っています。きわめて異常な対米従属へのいらだちは痛烈です。綱領改定案に盛り込まれた帝国主義論の発展と二十一世紀の世界像の解明は、まさに世界の現実と発展方向にかみあう、人類史の大道にたつものです。
 第二は、候補者として日々の活動のなかで実感する多数者革命の見地を貫く重要性です。
 どんなに財界やアメリカが横暴勝手を振る舞おうと、本当の歴史をつくるのは彼らではなく、草の根で生きている人間です。この力、そして報告で強調された歴史の大局を確信し、参院選挙をたたかいたいと思います。
 被爆二世として私の最初の国際舞台は三十年前の夏、ベルリンでのベトナム人民支援の国際集会でした。ベトナム人民の草の根の力がアメリカの侵略を打ち破って歴史的勝利をおさめた日が、いまも忘れられません。アフガニスタンを侵略し、自国民を痛めつけたソ連は世界から消えさりました。歴史の審判は冷厳です。草の根で生きる人間を踏みつける政治に未来はありません。
 この日本には八十二年の歴史をもつ人間解放の党、覇権主義とたたかいぬき、過去・現在・未来を見据えた綱領を持ち、海外からも「草の根に強い党」といわれる日本共産党が健在です。この力を出し切り、大きくすれば必ず国民とともに歴史を動かせます。
 私も全力疾走します。(拍手)


たたかってよかった「党はわが家」

群馬・谺(こだま)雄二 代議員

 ハンセン病問題の現状と全面解決をめざすたたかいについて発言しますが、元患者が党大会の代議員として発言することはかつてないことなので、本題に入る前に一言ごあいさつします。
 一九〇七年、患者撲滅を目的とする、らい予防法制定以来、約九十年にわたるハンセン病元患者のたたかいは、二〇〇一年の全面勝訴の違憲判決を確定することができました。物心両面の援助に心から感謝します。
 二十二回党大会二中総の結語で、志位委員長は、「党はわが家」という思いで党を強く大きくと述べています。私も「党はわが家」と思っている一人です。七歳でハンセン病を発病し強制収容所に押し込められ、一九五三年、らい予防法改正運動に参加します。政府・厚生省(当時)は旧法を踏襲した新法を基本的人権を保障する現憲法下で制定し直したのです。
 私は、法改正運動に敗れた中で考えました。「なぜ私たちの患者運動は孤独なのだ」。家族会も持たない患者運動を前進させるためには私自身が社会と強く結びつく必要があると思いました。そして、その結びつきを日本共産党に求めたのです。殺人監獄ともいうべき「重監房」を戦後撤廃したのは、当時党中央委員だった伊藤憲一さんら党の直接指導によるものだったことなどを知っていたからです。
 私は五五年に日本共産党に入党しました。二十二歳の春でした。私の寮友たちも次々入党、党栗生支部の再建がかない、そして私たちはついに〇一年の違憲判決を勝ち取ったのです。
 党はわが家、党員は私たちの新しい家族です。代議員、全国の党員のみなさん、ほんとうにありがとうございました。
 本題ですが、違憲判決確定後、原告団は人間回復を名実ともに果たすために、六項目の全面解決をめざす要求をかかげ厚労省との間で協議しています。具体的な成果を得たのはわずかで、大方はいまだ道半ばです。
 政府・厚労省の無責任な姿勢から生じたのが、昨年の黒川温泉での寮友に対する宿泊拒否事件です。二次被害もひどいもので、療養所入所患者自治会や原告団に百件以上のひぼう・中傷電話が殺到しました。
 私たちはいま、らい予防法の象徴である「重監房」を復元し、負の遺産として語り継ぐために、署名運動を行っています。現在の署名数は三万五千。四月ころまでに十万署名をめざしています。みなさんのご協力をお願いします。
 ハンセン病問題の真の解決もまた政治革新なくしてありえません。その意味からもきたるべき参院選挙の勝利をめざし、あくまで全力をつくすことを表明します。ハンセン病回復者はその歴史的体験から、平和こそ最良の医薬・最高の医療であることを知っています。憲法改悪・イラク派兵を食い止めるたたかいをおしすすめます。(拍手)


腹くくり“背中もくくって”130%をみんなに提起する

香川・吉田ひろみ 代議員

 志位さんの報告で、参院選で勝とうと思ったら安易な道はない、強大な、党建設以外にない。読者を総選挙の130%にして、党員は五十万にしていくということを、腹をくくって挑戦していこうと提起されました。私も脂肪たっぷりですが腹をくくって(笑い)、みんなに提起をしたいとの決意をこめて支部の活動を発言します。
 「赤旗」日曜版を支部の管理にしてまだ一年ですが、支部のたまり場には読者がどこに住んでおられるか分かるように、大きな地図に落としています。一目で分かるようになったので、減紙は実感があって怖いものになりました。月末になると機関紙担当の人から「吉田さん、また減るげなで。困るわ。どうしよう」と切羽詰まった声で電話がかかってきます。
 十二月はとくに減紙も多く、初めていくところを探そうと、「だれが後援会に入れたんか知らんで」というところにいくことにしました。ピンポンとならすのは勇気がいったんですけれども、六軒と対話して三軒でとってもらい、「五割、五割」と大喜びしました。
 悔しい思いをした選挙を二度と繰り返さないために、参院選勝利のために、この一歩を引くわけにいかないと強く思い最終日までに十部を達成することができました(拍手)。前大会比120%にしてこの大会に参加することができましたが、これは三年間でやったことです。参院選に向けて130%をやるということは、「腹をくくるだけでなく、背中もくくっていかなくちゃ」と思っております。(笑い)
 党員は前大会より二十五人増え、全員ががんばっています。支部では、週一回の街頭宣伝を二年間続けています。自民党を変えてくれという人は周りにたくさんいますが、自民党の夕暮れが共産党の夜明けというふうに必ずしもなっていません。大事なことは草の根の活動を日々積み重ね、あなたを支えてくれる安心できる味方は私たち日本共産党以外にないんですよということに気づいてもらうことだと思います。これを原点とし、参院選挙では、“かかっていらっしゃい”といえるようにがんばっていきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)


帝国主義の新しい規定は青年の平和運動広げる力

東京・吉岡正史 代議員

 東京の民青グループ責任者の吉岡です。綱領改定案に大・大・大賛成の立場から(笑い)、綱領改定案の今日の新しい帝国主義についての規定が、青年の間に広がった平和のたたかいをさらに広げ、二十一世紀に巨大な展望を開く力になるという点について発言します。
 昨年は、イラク戦争や有事法制、そして派兵反対のたたかいなど、ここ十数年来なかった規模での平和運動の広がりが見られました。渋谷で三月二十一日に行われた高校生平和集会は、千五百人を集め、全国を励ましました。
 同時に、情勢の激動のなか、がんばっていた高校生も「千五百人集まったけど、戦争をとめられず子どもたちも救えなかった」など、迷い、悩み、苦しむことの連続でした。そのなかで、高校生を励ましたのが「二十世紀のたたかいと史上空前のイラク反戦が国連のルールを守ろうとがんばる力になった」「自分たちのたたかいもその一翼を担っている」とくり返し学んできたことでした。そのことを力に、高校生たちは“戦闘終結”宣言後の五月四日、再び八百人の集会を成功させました。
 綱領改定案第三章は、この経験からも非常に重要な内容です。改定案で指摘されている民族自決の流れと、国際政治で発揮されつつある力、民主主義の広がり、そして国連中心の平和秩序が現実的となりつつあることなどは、多くの青年に「自分の平和への思いは正しいんだ」と確信を広げるものになると思います。
 昨日、不破さんが指摘した、レーニンの時代は独占資本主義が存在するかぎり平和の実現は無理だったが、今日それが可能な時代になりつつあるという話に非常に感動しました。二十一世紀の未来を決めるのは、全世界の人々、日本の国民・青年一人ひとりのつくりだす世論です。
 今回改定されるであろう綱領を力に、もっと大きな平和運動のうねりを青年の間に起こし、党員・同盟員拡大の飛躍を起こし、ワールドワイドな本当の平和の守り手、日本共産党の躍進と、東京では小池晃さんと、今村順一郎さんの勝利を勝ち取るためにがんばっていきます。共にがんばりましょう。(拍手)


“読者130%”への挑戦私には新鮮な提起

福島・佐藤秀樹 代議員

 先の総選挙で見事議席を確保した高橋千鶴子さんと一緒に、参院選でも大門みきしさんの当選をはじめ、五人の比例候補当選のために東北のみなさん、全力をあげていこうではありませんか。(拍手)
 不破議長の報告で「逆向きの動きが起こったようなときほど情勢についての綱領的認識を堅持することが重要」との指摘がありました。これを聞いて松川事件の元被告の鈴木信さんから話を聞いたことを考えました。『資本論』を差し入れてもらって獄中の中で大きな声を出して読み、いずれ必ず無罪が勝ちとられるとの確信を持ったというのです。どんな苦難の中でも科学的社会主義の世界観が問われるし、大きな力を発揮するということを教えてくれていると感じています。
 松川事件で二百人に後退させられたという県党組織がその後、第七回から第八回党大会の綱領論議を通して党員を三倍以上にする大躍進を勝ちとりました。私は三十六歳で常任歴も五年なので、ここまでの話は聞いた話ばかりですが、綱領の力で前進を勝ちとってきた福島県党組織の伝統、底力を感じます。
 これはいま、霊山町での党員町長の誕生、福島市などわが党が与党の自治体の広がりなど新しい地方政治の流れとして受け継いでいます。五人の県議団と県民が一緒になって小学一、二年生、中学一年生の三十人以下学級の実現や就学前の乳幼児医療費無料化を実現するなど、県民と党の新しい関係、新たな共同の芽が生まれています。
 先輩たちの伝統を受け継ぐ第一歩が参院選の勝利です。提起があった130%読者拡大は、いまの到達点を見ると簡単ではありません。ベテランの副委員長が「昔は130%で選挙をやるっていうのが当たり前だったのになぁ」と遠くを見ながらつぶやくのを聞きました(笑い)。「毎月、全支部が三部増紙を勝ちとればできるな」と話す代議員もいました。党を大きくしながら選挙をたたかうことは私には新しい提起でした。
 カギは機関の態度だと思います。参院選まで二十六町村で中間地方選挙がたたかわれる一つ一つを勝ち抜くとともに、党の力そのものを強く大きくする、参院選勝利のために必要なことはすべてやり抜く決意です。(拍手)


浪費構造かえねば 研究者も強い意識

経営党委員長・朝永振二 代議員

 綱領改定案の未来社会論は、研究所や大学など知識層の感覚にぴったりかみ合うものになっています。これまで「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」という分配論は説得力をもちませんでした。能力主義による賃金差別が横行しているなかで、魅力的に映らないというのが現状でした。
 今回の改定で、未来社会が「生産手段の社会化」を基軸に規定され、「生産者が主人公」「個人の全面発展」という特徴づけは、研究者の感覚にもぴったりくると思います。それには客観的な背景があります。
 第一は、近年の地球環境をはじめとする環境問題の深刻化です。地球の資源と環境には限界があることを、科学的根拠をもって研究者はとらえています。その最大の原因が資本主義社会における産業や生活上の浪費であることも常識になっています。多くの人が、いまの体制のままでは、地球はもたないという考えを強くもちはじめています。資本主義社会の次にくる新しい体制が社会主義社会だということでは一致していませんが、いま多くの研究者と対話する条件が成熟してきていると強く感じています。
 綱領改定案にある「生産手段の社会化」が環境破壊や社会的格差の拡大への有効な規制を可能にするという内容は、多くの人の共感をかちとれると思います。
 もう一つの理由は、研究職場の実態にあります。小泉内閣のもとで、企業の利益になる研究に人も予算もどんどんつぎこんでいく、彼らの役にたたない研究は切り捨てていく政策がすすめられています。改定案にある「生産者が主人公」という未来社会の特徴づけは、職場の民主的運動を励ますものになっています。
 また、職場の主人公であるべき研究者の意思を尊重し、研究の自由と研究者の成長を保障するものです。
 綱領改定を絶好の機会に、大いに学習し、確信をもって未来社会論を語るし、そのなかで社会主義・共産主義への誤解を解いていくことが党勢拡大にもつながっていくのではないかと思います。未来社会論を研究所・大学での党建設や職場のたたかいの力にするとともに、参院選の大きな武器にもしていく決意です。(拍手)


国を変える展望みえるわかりやすい改定案

北海道・山本和子 代議員

 北海道の上士幌町の議員をしています。今回の綱領改定案に感動し、町民とともに語り合い、未来を大きく変えるための活動について報告します。
 私は十九歳で入党し、三十年になります。私は百三歳まで生きるつもりなのですが(笑い)、折り返し地点に立ち、これからの苦難を考えたとき(笑い)、ようやくスタートラインに立ったのだと思いました。不屈の精神をもち、上士幌の小林多喜二になると決意し、困難があると不屈、不屈といいきかせています。
 綱領の話ですが、三十年も党員をやっていながら、まじめに読んだのは入党したときだけで、いつも頭のわきに置いていました。改定案が出たとき、現綱領を探し、読み比べ、改定案は私の心にぴたっときました。そのあと、不破さんの報告を読み、レジュメも作り自分でまとめました。
 改定案は第一に町民にわかりやすく、本気で国民とともに国を変えるという展望、第二に未来社会への展望を、今の現実から出発し、必ず変わるという確信を与えてくれ、これを町民に伝えたいと感じました。
 そう思っているときに七百部の改定案が届き、「これを配って対話するということなのね」と中央の意気込みを感じました。
 毎週読者ニュースを六百五十部配っています。二千ほどの世帯の三分の一になります。そのルートですぐに配り、声をかけていきました。党大会参加にあたり、全戸配布の民報と読者後援会ニュースで、「日本共産党は一月十三日から党大会を開きます。綱領の大幅改定をおこない、みなさんと一緒に政治を変えます。山本議員も参加します」と知らせました。
 私は共産党らしくない共産党の議員といわれます。どこか半分ぬけていて(笑い)、堅くない、よくいえば親しみを感じ、会うとほっとするといわれます。
 日本共産党がもっともっと国民に親しまれるために、“日本共産党も私と同じです。山本和子=日本共産党=綱領改定案”と訴えていきたいと思います。日本の未来を語るためにも、綱領を親しまれるものにし、気軽に広げていきましょう。(拍手)


休まず続けた早朝宣伝親子で「好きです」と

新潟・渋谷明治 代議員

 大会決議案の報告で強調された「どんな激動のもとでも選挙で勝てる強大な党をどうつくるか」について発言します。
 私は二十九年前、新潟市議に初当選しました。定数四十八で三十七位、二回目は十七位、三回目は五位。その後は連続二位、前々回と前回・昨年の選挙はトップ当選でした。(拍手)
 トップ当選の要因の第一は、「国民の要求実現のために献身する」活動だと思います。
 八期二十九年の議員生活で生活相談件数は五千四百三十三件となり、二日に一件の割合です。相談を受けると私の方から訪問しており、相談人に喜ばれます。
 中学校給食実現へ十七年間運動しました。議会で質問し、自分の選挙地域に看板百本を立てるなど、住民とともにとりくみ、今月すべての中学校で給食が実現しました。(拍手)
 四百人の子どもが集まる夏休みのラジオ体操は、私の宣伝カーの音楽で体操しており(爆笑)、三十年続いています。
 第二は宣伝活動です。
 私の自家用車は宣伝カー一台です(笑い)。墓参りも妻との一泊旅行も宣伝カーで行きます(爆笑)。とりわけ早朝宣伝は休日と出張を除く毎朝続けています。(どよめき、拍手)
 昨年のいっせい地方選挙のとき、県委員会に一人の母親から手紙が届きました。「親子で渋谷さんのファンです。子どもが学校に行くとき、『おはよう。車に気をつけてね』と声をかけてくれるので大好きだといいます。がんばってください」というものでした。
 今年から新たに「税金の山分け/政党助成金をやめ、国民のために」というタスキをかけ始めました。市民のなかに「国会議員は多すぎる」などの声があり、民主党が主張する「比例八十議席削減」が受け入れられてしまうことになりかねないからです。畳の大きさの看板も五十枚つくって支部とともに張りだし、宣伝では地域第一党です。(拍手)
 第三は党員拡大です。前大会から三年間で九十二人の新入党員を迎えました(拍手)。そのうち八十七人は生活相談のあった方です。解決のための努力は当然ですが、その根本に国民いじめの政治があることを話し、「しんぶん赤旗」の読者になってもらい、入党をすすめています。
 市民の暮らしを守るために献身し、総選挙比130%の読者をなんとしても実現して参院選挙で勝利する決意です。(拍手)


連続前進もたらした住民につくす党の姿勢

石川・新井田義弘 代議員

 志位委員長の報告で、130%の読者拡大が参院選勝利にとって欠かせない、そしてそれを支える党員拡大の必要性、党の質的強化の問題が強調されました。本当にいまが歴史的な時期だと痛感しています。
 石川県は昨年十二月、三つある地区委員会すべてが「しんぶん赤旗」拡大で増勢にしました。しかも二年連続十二月増勢でした。能登地区はこの間六カ月間連続前進を続けています。
 能登地区が持続的前進の軌道に乗りつつあるのは、住民の願い実現の活動や、党員・読者拡大に元気にとりくむ支部づくりを意識的に追求する、そういう指導部集団が一つ、二つと形づくられてきたことにあると思っています。四つの市のうち三つの市委員会がそうやって変わりつつあることが大きな力になりました。
 能登地区は四市十九町一村、合計二十四自治体。石川県全体の半分以上の自治体が能登地区です。地区委員会から支部会議に参加するためには、輪島市まで一時間二十分、珠洲市は一時間半、金沢市までは一時間という距離です。
 そのうちの一つ輪島市は、一昨年の市議補選で無投票で議席を回復し、本選挙までに“後退した読者陣地を回復して勝ちぬこう”と選対指導部が意思統一し五十部近くの読者陣地を回復させて勝利しました。これまでと違うのは、党の議員活動、議会活動のとりくみが、住民と心が通い合うにしたがって、悪政のおおもとの国の政治を変えなければならないという思いを支部のみんなのものに広げていったことにあると思います。
 もうひとつ「けん引車」の役割を発揮している羽咋市で、なぜ拡大する気になったのかと議員に聞きますと、「あまりにも読者が少なく、これでは選挙に勝てないと思ったからだ」といいます。ここでは、十八カ月連続拡大を続け、有権者比で0・8%から1・3%まで前進させています。
 そこで私が感じるのは、この間の議員活動、議会活動のなかで、議席をとればいいという活動にとどまらせてくれないのが有権者だということです。悪政の大もとを変えてほしい思いが伝わってきます。その有権者との心の通い合いが、読者の陣地を作っていこうという指導部集団の思いになっていったのだと思います。(拍手)


どんなときも学習青年に機関への信頼が

島根・後藤勝彦 代議員

 私は参院選挙区候補として活動していますが、島根県東部地区の青年学生部長でもあります。ちなみに妻は、三十キロ離れた隣の地区の青年学生部長です(笑い)。夫婦で経験交流もしながらがんばっています。(笑い、拍手)
 東部地区は、前回党大会以降、多くの青年党員を迎え、青年党員の比率も一・六倍に増えました。県全体でも1ポイント以上増えています。有事法制反対やイラク戦争反対の平和のとりくみ、「青年に仕事を」など若い世代の運動が広がり、選挙でも青年の活動が目立つようになりました。
 平和のとりくみでは、「会」を結成して毎日昼休みに宣伝をした職場の青年、パネルやバッジをつくり、「イラク戦争反対」を呼びかけたとりくみなど創意を発揮したとりくみが広がりました。
 民青同盟の班会議で学習を深めた同盟員が次々に青年の雇用署名集めに立ち上がりました。全県をキャラバンで回って集まった署名は三千六百を超えています。
 綱領と大会決議案の学習は党員としての自信をつちかい大きな力になっています。二つの努力が大事だったと思います。
 第一に、機関としてねばり強く系統的な、学習中心の援助を続けたことです。綱領改定案、大会決議案の学習を重視したことは、総選挙でも大きな力になりました。
 地区では前大会後、二つの青年支部を結成しました。私が支部長になりかわり、毎週全員に会議の連絡をし欠席者には内容をメールで伝えています。そういうなかで、青年と機関との間で心の通う関係が築けていると思います。県委員長も先頭にたって、青年との鍋会を開くなど、心の通う関係をつくるためにがんばっています。
 第二に、青年たちの自主性を大切にしつつ、青年自身がとりくんだ運動に、党としても温かく見守り、ときには助言もし、青年と同じ目線で参加したことです。
 この二つの努力は、大会決議案で指摘されている重点的努力方向ともぴったり重なります。一人ひとりの青年と出会い、ともに学び、成長できるこの仕事に喜びとやりがいを実感しています。
 私は、参院選候補者として全県をかけめぐり、強大な党づくり、若い世代の結集に全力をあげます。(拍手)


負担増の直撃受ける町で党勢拡大してきた教訓

東京・伊藤文雄 代議員

 東京・荒川地区で地区委員長をしています。地区は、人口十九万人、有権者十五万人、中小企業と零細業者が密集した保守の強い下町です。長引く不況のもとで地区内の商店は、この十年間に四軒に一軒が店をたたんでいる深刻な状況です。自公政権の「痛み」と負担増の直撃をうけている町で、暮らしと営業を守り下町のまちづくりのために全力で奮闘してきました。
 大会決議案の第十章、「どうやって党建設を安定的な前進の軌道にのせるか」の項について、この間の地区のとりくみについて発言します。
 地区委員会は、第二十二回大会決定に基づいて、次のような目標を立ててとりくんできました。第一は、読者拡大で毎月前進の持続的拡大にとりくむ。第二は、三百人の入党者を迎えて千人の地区党組織を建設する。第三は、五十丁あるすべての丁目に新たに党員を増やし丁目ごとに党支部建設の展望を作り出す。
 この結果、二〇〇一年十月からの二十七カ月間の中で、読者拡大で二十四カ月間の前進を勝ち取りました。党員拡大では、前回党大会から64%の支部で、二百十人の新しい党員を迎えて念願の四ケタの地区党組織をつくることができました。
 後援会員の拡大にも力を入れ、二・五倍の七千五百人を超える後援会に到達しました。後援会ニュースも毎月欠かさず発行し全会員に届ける体制をつくりました。
 この間の読者拡大、党員拡大に努力してきたとりくみと教訓について述べます。第一は、地区常任委員会と区議団が党勢拡大を正面にすえて毎月前進させる構えでとりくんできたことです。月初めに、地域、支部ごとの減紙予測をできるだけリアルにしてとりくんできました。第二は、生活相談活動を全有権者規模に宣伝し、要求を取り上げた活動を強めたことが読者拡大・党員拡大にも結実したことです。第三は、後援会員拡大にとりくむことによって、党員・読者拡大の相乗効果が発揮されました。これまでに入会した後援会員の28%の方が「赤旗」を購読してくれています。
 対話・支持拡大の飛躍と、総選挙時比130%の読者拡大をやりきるために、先頭に立って奮闘する決意です。(拍手)


読みやすい「赤旗」づくり重い責務と受けとめて

中央・関口孝夫 代議員

 元日の社説はその新聞のその年の決意表明でもあります。ジャーナリズム論の塚本三夫中央大学教授は日曜版のコラム「メディアをよむ」で「今年を軍国主義化への重大な節目ととらえ、それをリードする新聞ジャーナリズム状況がいまだかつてない勢いを持ってきていると感じざるを得ない」という結論を導いています。マスメディアを見る限りそういう状況が確かにあります。
 二〇〇一年のブッシュ・アフガン爆撃では百紙を超える新聞協会加盟紙すべてが支持社説を出し、イラク戦争報道では米英軍の侵略・占領を肯定しました。有事立法では全国紙のすべてが賛成・推進の立場に立ち、イラク派兵法でさえ真っ向から反対の論陣を張る全国紙はひとつもないという流れになっています。
 この情勢を一九三一年の「満州事変」時代のジャーナリズムとダブらせた一文を発表した人もいます。旧関東軍が謀略的にしかけた侵略戦争を日本の新聞は軍部に屈し、加担し、第二次世界大戦の泥沼へと国民を導きました。当時の新聞では「赤旗(せっき)」だけが敢然と侵略戦争反対を叫びました。
 当時といまを比べると確かに指摘されるような危険な潮流の台頭があります。しかし、大きな違いは治安維持法の下、共産党が非合法化された時代ではなく、「しんぶん赤旗」を堂々と広げることのできる時代だということです。
 著名な評論家が「赤旗」の「最大の弱点は世論を動かすにはあまりにも部数が少ないことだ」と指摘し、「新しい読者がなかなか固定していないようにみえ、古い読者も必ずしもよく読んでいる人ばかりとはいえないのではないか(笑い)。いま購読している人がよく読めば、新しい層にアクセスしていく力も意欲も生まれると思う」と話してくれました。
 この指摘は編集者としての私の心に重く響きました。紙面内容の充実とそのための研究と改善、記事をもっと読みやすくしていく努力は、三割増をめざす全党の努力に対する私たちの最低限の重い責務です。日本社会の良心と民主主義のあかしを多数にする運動と私たちは受け止めています。編集活動を通じてその運動の先頭に立つ決意です。(拍手)


綱領的ロマン持ち職場に人間らしさ取り戻す

大阪・田崎純人 代議員

 財界は意のままに動く「保守二大政党制」をつくり、金の力で政治を牛耳ろうとしています。そのおひざ元、大企業の職場では、いま一気に利潤追求第一主義の徹底がはかられ、さまざまなリストラ・「合理化」策により、労働者支配を貫徹しようとしています。
 私たちが働く職場では超長時間労働がまん延し、コストダウン、なかでも人件費の削減のために、さまざまな「合理化」策が労働者に押しつけられています。
 基本的人権をふみにじり、生活権をも奪う配転、命と健康を無視した異動、「希望退職」という名の首きり、成果主義賃金と称した賃下げ、サービス残業など、数えあげるときりがありません。「いま、党が首をすくめていて職場の仲間に、企業に、産業に未来があるのか。いまこそ大企業の職場でたたかう党の誇りを示すときではないか」と、党組織は「ゆるがせにできないものにたいしては断固としてたたかおう」とよびかけ、不当な人事異動阻止、人格を無視した人権侵害とのたたかいなどにとりくんできました。
 綱領改定案は、職場での日々のたたかいが日本改革に直結していることを明らかにしています。党組織の任務は、職場に人間性を取り戻し、誇りをもって働き続けられる職場をつくることです。社会のルールを守り、働くものを大切にする企業と産業を求めていくことです。そのことなしに、日本経済の再生もありえないことも改定案は明らかにしています。
 いまの政治・経済のあり方に異を唱えているのは私たちだけではありません。会社を経営してきた立場の財界人から現状変革への強烈なメッセージをいただきました。仲間への大きな励ましとなっています。
 綱領改定案は、生産手段の社会化は、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての成員の人間的発達を保障する土台をつくりだすとしています。職場の党組織の仲間は、そんな夢とロマンを私に託し、百部の目標にたいして百四十一部の機関紙誌を拡大し、全支部の目標達成で大会に送り出してくれました(拍手)。新しい綱領にこたえ、大企業職場におけるたたかいの組織者として、職場変革・多数派形成に向け奮闘する決意です。(拍手)


沖縄から綱領改定に参加熱いものがこみあげる

沖縄・古堅宗嘉 代議員

 沖縄人民党が日本共産党に合流し、三十年。沖縄県党組織がこれほど重要な綱領改定の論議に参加するのは初めてです。昨日の多くの海外代表団の紹介に思わず熱いものがこみあげてきました。沖縄、日本、アジアの平和をきりひらく野党外交の努力に心から敬意を表するものです。(拍手)
 綱領改定案は日本とアメリカの関係は「きわめて異常な国家的な対米従属」と規定しました。沖縄の現実はこの規定の正しさを日々証明するとともに、一日も早い打開を求めています。
 アメリカは、五十八年前に国際法違反で奪った県民の土地をいまだに占領し、面積の20%が奪われたままです。島の真ん中に基地が居座っているために、本島を縦貫する鉄道もつくれません。
 沖縄は自然と文化が「島んちゅの宝」です。ヤンバルクイナのすむ森とジュゴンの海を世界自然遺産に登録するのが県民の願いですが、海兵隊の北部訓練場があるため、環境省は登録申請をしないことを決めました。沖縄タイムスは“安保がある以上世界遺産の登録はできない。安保を廃棄すべき”と論じました。
 もう基地はいらないという県民に新しい巨大基地を六千億円の血税を使い、押し付けてくる日本政府はまさに異常です。あれから七年、ヘリ基地反対協も歯をくいしばり、新基地のくいを一本も打たせていません。(拍手)
 普天間基地を抱える宜野湾市では、昨年五月、わが党も入っての革新共闘が実現し、普天間基地の辺野古への移設反対、基地の無条件撤去をかかげる革新市長が誕生しました(拍手)。ジュゴンが原告になって米国防総省を相手取っての提訴もおこなわれています。
 また、基地こそ経済発展の最大の障害だということを県民は見抜いています。ハンビー飛行場は返還前の税収は二百八十六万円、軍雇用員も三十人でしたが、返還後は税収二億四千万円、千百十人が働き、百二十億円の売り上げのハンビータウンに生まれ変わりました。異常な対米従属が、いかに多くのものを犠牲にし、いかに多くの可能性を奪っているか、語ればきりがありません。
 追い詰められているのは異常な対米従属派であり、私たちこそ多数派の条件を手にしています。
 沖縄県党組織こそ、対米従属の体制を打破するたたかいの先頭に立つ決意です。(拍手)


「日本をこう変える」具体的で勇気百倍

中央・小池 晃 代議員

 参院選挙を比例代表候補としてたたかう小池晃です。国会でのたたかいの経験をふまえて、綱領改定案について発言します。平和と暮らしを脅かす小泉政治の行き詰まりは深刻です。国民の怒りが広がりつつあります。先日、東京の上野公園でのイラク派兵反対の宣伝では、五人の男子高校生が私の署名板を取り囲み、「東京でテロが起きるかもしれない」と署名。年配の女性は、私のバッジを見て「あんた国会議員?」(笑い)。私が「そうです。日本共産党です」と答えると、「もっとがんばんなきゃダメよ」と(笑い)いいました。
 年末に年金改悪に抗議する高齢者のみなさんによる五日間の徹夜座り込みがありました。ホームレスのみなさんが激励に駆けつけてくれたり、若い職員が缶コーヒーを差し入れてくれたり、楽しい場面もありましたが、高齢者が役所前で徹夜で座り込むような国は、世界広しといえど、日本しかありません。こんな冷たい政治を力を合わせて変えようではありませんか。(よしの声、拍手)
 綱領改定案は、まさにそうしたたたかいの旗印となるものです。私が注目しているのは第四章で、日本社会の民主的改革の内容を明確にしたことです。日本共産党が民主的改革により中・長期的に「日本をこう変える」と具体的に示すものになりました。綱領制定後四十三年間のたたかいの歴史と経験のたまものです。この民主的改革の内容が「政策活動の基本」になるものであり、「綱領を武器に日常活動、宣伝ができる」のですから、勇気百倍です。今回の綱領改定は、国民のたたかいをおおいに励ますものとなるでしょう。
 もう一つの重要な点は、「国民が主人公」と一貫して活動してきた政党として、現在の課題である民主的改革でも、未来社会においても「すべての段階で国民の合意が前提となる」ことが太い柱で貫かれていることです。
 全党の英知と豊富な経験、団結の力で練り上げられた新綱領をたたかいの旗印にすれば、あらゆる事態にも立ち向かうことができると確信します。比例代表五人全員の当選を絶対にかちとるために力を尽くす決意です。(拍手)


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