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日本共産党第22回大会で、不破哲三委員長がおこなった開会あいさつはつぎのとおりです。
大会にお集まりの同志のみなさん。
全国の同志のみなさん。
ただいまから、日本共産党第二十二回党大会の開催を宣言いたします。(大きな拍手)
私はまず、第二十二回党大会の成功のために力を尽くされてきた全国の同志のみなさんにたいして、それからまた、きょうこの会場に参加された代議員および評議員のみなさんにたいして、敬意をこめて党中央を代表しての心からのあいさつを申し上げるものです。
また、この大会に参加される内外の来賓のみなさんにお礼を申し上げます。(拍手)
まず海外から来られた代表ですが、未到着の方も含めて、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの諸大陸から十八カ国の代表の方が参加されます。
また、今回の大会には、在日本大韓民国民団、在日本朝鮮人総連合会の代表も参加されます。このことは、日本と朝鮮半島の今後の関係にとっても、また、アジアで大変大きな意義を持つ南北朝鮮の友好と交流、さらには自主的統一の展望にとっても、大変意義の深いことであると思います。(拍手)
今回また、新しい交流として、在日の外交団の方々を招待いたしました。私たちは各国の大使館とは、これまでいろいろな問題で対話をおこなってきました。前大会以来のこの三年間でも、核兵器廃絶の問題、ユーゴ空爆をめぐる問題、沖縄基地の問題など、いろいろな申し入れをおこない、対話を進めてきました。今後とも、こういう交流を大いに発展させたいと思っておりますが、日本の政治の舞台で活動している政党として、外交団の方々に、わが党のありのままの姿を見ていただきたいと思って、ご招待した次第であります。十一カ国の外交官の方々が、この招待に応じて参加いただきました。
すべての外国代表の方々に、あらためて大会出席へのお礼を申し上げるものであります。(拍手)
さて、この三年間に宮本忠人名誉幹部会委員、豊田さやか顧問を含め全国で八千三十五人の同志が亡くなりました。新しい日本、新しい政治をめざして、さまざまな任務を担っての活動の中で倒れられたこれらの同志たちを第二十二回党大会の名において追悼するために、黙とうをおこないたいと思います。どうかご起立をお願いします。
黙とう。
黙とう終わります。ご着席ください。
今回の第二十二回党大会は、二十世紀最後の大会であります。日本共産党は一九二二年に党を創立してから七十八年、また戦後のさまざまな困難を乗り越えて、党の統一をかちとると同時に今日の路線の基本をさだめた第七回党大会――一九五八年のことでありましたが、それから数えてすでに四十二年であります。この四十二年間を全体としてふりかえると、多くの変動はありましたが、わが党が大きな発展をかちとり、そのことが日本の社会と政治の発展の重要な柱のひとつとなってきたことがわかります。
実際、今日への出発点となった一九五八年の時点では、わが党の党員は三万数千名、機関紙読者は、まだ日曜版の発行以前で、五万弱という状態でした。国政選挙では、百万票前後の得票で、議席は衆議院一名、参議院二名でした。地方議員は六百五十二名でした。
現在では、党員は三十八万をこえ、機関紙読者は約二百万人にのぼっています。国政選挙の得票は、衆議院選挙では七百万票前後、参議院選挙では八百万票台というのが最近の到達点でした。議席は、衆議院二十、参議院二十三、あわせて四十三議席です。地方議会の議席は、昨日の選挙の結果を含めて、四千四百五十五名で、日本の政党のなかでは、抜群の第一党であります。
ここには、日本共産党と日本社会の関係が、この四十二年間に大きく変わってきたということが示されています。いま申し上げたように、国政選挙の得票も百万前後だったものが、いまでは七百万票、八百万票という記録をあげている。そのまわりにも、わが党への注目の目を向けている方々がさらに大きく広がっております。私たちは、日常の活動において、文字通り数千万という人々を視野に入れて活動する、このことを基本姿勢とする必要がある段階に、いまきています。これはまさに、党自身が新しい発展段階を迎えているということであります。
わが党の路線の正確さは、この間の歴史でためされています。しかし、そのことだけに安住していては駄目であります。わが党が日本の社会のなかで、健全な、そして未来ある発展をとげていくためには、試された正確な路線をしっかりと堅持しながら、政策や方針の面でも、組織と活動の面でも、社会の変化と党自身の発展段階に対応する不断の自己改革の努力が必要であります。
この大会は、二十一世紀という新しい世紀を目の前にして、いまあげた諸課題、諸任務をはたそうという重大な役目をになっています。
大会の任務の第一は、「二十一世紀の早い時期に民主連合政府をつくる」ことをめざす党として、日本のすすむべき道について、経済、政治、外交、安全保障、社会の全分野にわたって「日本改革」の提案をしめすことであります。決議案では、長期的視野での展望を明確に見定めるとともに、今日のいま、必要な具体的改革を明瞭(めいりょう)にしているところに一つの重要な特徴があります。
任務の第二は、新しい発展段階にふさわしい党の組織的な発展を、質と量の両面からはかることであります。その方針は、決議案にしめされていますが、党規約改定の提案は、党の組織のあり方に新しい光をあて、この事業をやりとげる党づくりの大方向に党の組織と運営の基本の面でしっかりした土台をすえるという意味をもっています。
任務の第三は、全党の先頭にたってこの事業にとりくむ党中央委員会を選出することであります。二十一世紀の早い時期に民主連合政府をつくるという大事業は、この大会で選ばれる新しい中央委員会の肩に大きくかかっているといってよいでしょう。
これだけの重大な任務をになう重大な大会であります。活発な討論をつくし、その任務を立派にはたして、内外の期待にこたえようではありませんか。(拍手)
最後に一言しますと、この党大会は日本の政治の激動のただなかで開かれる状況になったことも自民党政治の世紀末的な危機の深刻さを示したものであります。今夕、野党四党による森内閣不信任案が提出され、夜の本会議で採決に付される予定であります。報告者である志位書記局長も、私も、報告という役目を終え次第、国会に急行するつもりであります。
採決の結果とその後の動向を今から予告するわけにはまいりません。マスコミでいろいろ論じられておるように、いろんな変化がそこから予想されます。しかし、どんな激動があろうと、わが党にとっては、党の最高機関である党大会が開かれている最中での激動であります。情勢がどんな展開をしようとも、それに対応する対策は、ただちに全党的な意思統一ができます(拍手)。万全の態勢で新しい状況に臨めるという絶好の条件であります。(拍手)
その点でも、新しい世紀の新しい政治をひらく、出発点にふさわしい大会だと言わなければなりません。そのこともふくめて、二十一世紀の前途をひらく大きな志と気概に満ちた討論を期待して、開会のあいさつを終わるものであります。(拍手)