2000年 9月 22日 (金)「しんぶん赤旗」より

日本共産党第7回中央委員会総会

第22回党大会決議案についての志位書記局長の報告から

(決議案の全体的な特徴について)


 みなさん、おはようございます。CS通信をごらんになっている全国の同志のみなさんにもごあいさつを申し上げます。私は幹部会を代表して、第二十二回党大会決議案についての提案の報告をおこないます。

世紀の転換点にたった大会──歴史の大きな流れのなかで到達点と展望をつかむ

 まず、決議案の全体の特徴について、のべます。

 その第一は、今度の大会というのは、二十一世紀を目前にした大会です。十一月二十日に招集された、まさに世紀の転換点にたった大会です。ですから、そういう大会にふさわしく、歴史の大きな流れのなかで、社会進歩の事業の到達点と展望をつかむ、そういう特徴をもった決議案にしあげました。

 歴史の大きな流れのなかでといった場合、二つの角度があります。

 第一の角度は、なんといっても“世紀”という角度です。二十世紀、二十一世紀という、百年というスケールで、歴史の流れをみるということです。

 今度の決議案は八章だてになっておりますが、第一章は、二十世紀論、すなわち二十世紀とはどういう世紀であったか、この流れにてらしてつぎの世紀の展望はどうか、そういう大きな問題の解明にあてています。最後の章の第八章は、二十一世紀という世紀は、どういう世紀になるか。この章では、二十一世紀が、社会主義への条件が地球的規模で成熟する世紀になるだろうという、かなり大きな展望ものべています。このように、決議案の始まりと終わりが、“世紀”という問題の解明で構成されているというのが、今度の決議案の大きな特徴です。

 もちろん、これは第一章と第八章だけではなくて、その他の章についても全体として、二十一世紀にむけてどんな問題でも展望ある党、未来にむかってしっかりとした針路をもって活動している党が日本共産党だということが、うきぼりにされています。こういう立場はすべての章で貫かれ、新しい問題も書き込まれています。

 一つだけいいますと、たとえば「日本改革」の提案をのべている第三章のなかの第八項では、二十一世紀に、日本国民の生存と生活の根本にかかわって問われているさまざまな問題――子どもと教育の問題、少子化の問題から、エネルギーの問題、IT(情報技術)の問題にいたるまで、さまざまな新しい問題に全面的にとりくむ党の立場をのべております。これもその一つです。全体として、私たちの二十一世紀にむけた大会としての“宣言”が書き込まれているというのが特徴であります。

日本の情勢と展望──90年代の10年間の流れにてらして解明

 いま一つ、歴史の流れのなかでつかむという点で、二つ目の角度として、日本の情勢と展望日本社会と日本共産党の到達点、その両者の関係の変化、このつかみ方については、二十世紀のなかの最後の十年間である九〇年代の十年間の流れのなかで、到達点と展望をつかむ、そういう角度から問題を整理し、解明しています。

 たとえば第二章では、九〇年代の十年間の流れのなかで、自民党のゆきづまりがどうなったか、日本共産党の政治的地歩がどう変化したか、政党戦線がどうなったか、そして今度の総選挙から私たちがどういう教訓を学んでつぎの前進に生かすか、そういうことを十年という単位でふりかえりながら展望を明らかにしています。

 第三章の「日本改革」の提案をのべた章も、全体として九〇年代におこった内外情勢の変化がどういうものだったか。外交面ではどういう変化がおこったのか。経済ではどういう変化がおこったのか。これも九〇年代という流れのなかで、変化を大きくとらえて、この変化に対応できなくなっている自民党政治のゆきづまりを鋭く告発し、われわれの対案を大きく対置しています。これも十年という単位で問題の整理、解明がされているのが特徴です。

 このように歴史の大きな流れのなかで、われわれのたっている地点を見さだめて、展望をしっかりつかんで、確信をもって二十一世紀にのりだそうというのが、決議案をつらぬく大事な特徴になっています。

「民主連合政府の実現」という目標にむかって何が必要か──この立場から新しい問題の解明も

 第二の特徴としてのべたいのは、私たちは、三年前の第二十一回党大会で、「二十一世紀の早い時期に民主連合政府を実現する」という目標を確認しました。この目標にむかってのとりくみがこの三年間開始されました。この三年間のとりくみのなかには、前進や躍進も記録されましたが、後退もおこりました。三年間の全体の実践をふまえて、前進からも後退からも、私たちがしっかりと教訓を学びとって、民主的政権樹立に接近するうえで何が必要なのか、その重点的な努力方向を全体としてうきぼりにする。これも今度の決議案の全体を貫いている大事な眼目です。

 私たちの路線や政策をどう発展させるのか、革新・民主の国民的な共同をどう前進させるのか、反共攻撃をどううちやぶるのか、選挙での勝利・前進をどうきりひらくのか、そしてなによりも量質ともに強大な日本共産党の建設をいかにかちとるか。さまざまな問題についてのべていますが、その全体が、民主的政権への接近のための努力方向を明らかにするものになっています。そういう立場から、必要な新しい問題については、踏み込んだ解明も随所におこなっております。そういう全体の特徴があるということをまず頭において読んでいただければと思います。

(以下志位書記局長は、各章ごとにその内容の特徴について重点的に明らかにする報告をおこないました)


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