八月三十日の日本共産党地方議員代表者会議で、志位和夫委員長がおこなった討論のまとめは次の通りです。
みなさん、二日間の会議ごくろうさまでした。発言した同志は、全体会議で十六人、きょうの九つの分散会では百三十七人、合計百五十三人になりました。党員首長のみなさんにもご出席をいただき、南光町の山田町長、木曽福島町の田中町長にごあいさつをいただいたことに、心からの感謝を申し上げたいと思います。(拍手)
まずこの会議全体の特徴ですが、私は、いっせい地方選挙と総選挙での躍進にむけ、明るい元気のでる会議、そして心の通い合う感動的な会議になったと考えます。(拍手)
私たちはいつも、元気はつらつと活動したいと願っているわけですが、そのためには、情勢と党の役割への政治的な確信をつかむこと、そして人間集団として温かい心が通い合うこと、この両方があってこそ、深いところから元気が出てがんばれるのではないでしょうか。
“政治的確信”という点でいいますと、この会議では、世界と日本の激動とそのなかでの党の役割とともに、地方政治でいまおこっている広く奥深い変化、希望ある変化をみんながしっかりつかんでがんばるということが、会議の一つの眼目でした。
私は、討論の全体をつうじて、地方政治におこっている新しい希望ある変化、おもしろい情勢の特徴が、生きいきと浮き彫りにされ、参加されたみなさんの共通の実感になったと思います。
自民党政治による反動支配の矛盾の深刻さは、「営利企業」化という点でも、「開発会社」化という点でも、合併の押しつけや財政切り捨てによる地方自治破壊の点でも、地方自治を全国でずたずたにしている。そして、そのもとで自民党の支配基盤が、まさに草の根から崩壊し、地方から彼らの基盤が崩れ落ちつつあることが、二日間の討論をつうじて生々しく報告されました。
そのなかで、保守層の人々もふくめた、これまでにない広い層との共同の可能性が広がっている。げんにこの共同は、大都市でも地方でも広がっている。議会の外だけではなくて、議会の中でも保守系の議員のみなさんとの共同が広がっている。このことも、こもごも発言で出されました。
私の報告では、地方政治のなかにおこっている新しい変化として、具体的に、徳島県や長野県や高知県の変化、あるいは自民党政治の枠内であっても鳥取県の変化などを紹介しましたが、会議では、現場でまさに変化をつくりだしている当事者のみなさんならではの生きいきとした報告がされました。
わが党の奮闘いかんでは、地方からも日本を変える新しい条件が熟しつつある。この“政治的確信”を全党のものにしようではありませんか。(拍手)
“心が通い合う”という点では、私は、中央と地方、そして地方のみなさん同士が、たがいに心が通い合う会議となったと思います。
この会議は、準備の段階でも、運営でも、双方向ということを心がけました。事前に、議員のみなさんにアンケートをお願いしました。そこには、みなさんは、実情と悩みを率直に書いてくださいました。それにこたえて、党の方針を発展させつつ報告をおこないました。討論では、その報告がみなさんの英知でさらに深められました。双方向での集団的な英知で、地方議員活動の新しい発展方向が見えてきた会議になったのではないでしょうか。
討論を聞きましても、悩みも語り、本音もぶつけた率直な討論だったというのが、強い印象です。建前と本音がちがうことでは討論はおもしろくない。みんなが自分の気持ちを語ったというところが、今度の会議をほんとうに豊かにしたと思います。
たとえば党勢拡大でも、ある同志は、「はじめはやりたくなくて逃げていた」、「しぶしぶ事務所に行った」、けれども行動したら次々と入党者が生まれて、確信を深めたと発言しました。そうした自分の気持ちの変化を、ありのままに伝えるという発言が、たくさん出されました。
分散会では、ある同志が、昨日の報告とみなさんの発言を聞いて、その同志は県でもあまり発言しない同志だそうで、はじめは黙ってこの会議も帰ろうかと思っていたけれども、興奮状態になってしまったといって(笑い)、発言にたったということもあったと聞きました。
わが党は人間の集団です。社会進歩を共通の志とする人間の集団です。ですからそれにふさわしい、互いの悩みや苦労を自分のこととして、互いに支え合う温かい人間集団をつくらなければなりません。その力に依拠すれば、どんな問題も解決する道が開かれる。その希望、展望が見えてきた会議だったのではないでしょうか。(拍手)
私は報告で、議員活動改善のための「三つの努力目標」を提案しました。議員と支部が支え合う、議員と機関が心を通わせる、議員団をしっかりきずく、という提案です。討論では、埼玉の鴻巣市、石川の内灘町をはじめ、議員と支部の協力の関係、議員団活動の豊かな実践の経験が、各地でたくさん始まっているということが交流されました。
きょう、私が出た分散会でも、議員になったばかりの新人の一人議員の同志が、議員団について、「安心して不安や疑問のだせる、私にとっての心のよりどころだ」と言われていたことも印象に残りました。
一人ひとりの議員のみなさんが、議員団でも心の通い合う関係をつくる、支部とも支え合いの関係をつくる、機関とも心の通う関係をつくる、そういう関係をつくってこそ、国民とも心の通う日本共産党になると私は考えるものであります。(拍手)
みなさんから出された政策と活動の悩みや要望は、たいへん多岐にわたっております。この会議では、こたえきれなかった問題もあります。きょうの分散会で提起されて、これは検討が必要だと考えましたが、ただちにいま答えをだせない問題もあります。しかし、アンケートで出されたみなさんの意見や要望、そして二日間の会議で出された意見や要望は、中央委員会として、今後の政策と方針に生かす立場で、しっかり検討することをお約束したいと思います。(拍手)
これからも悩みや要望は生まれるでしょう。たえず新しい問題にぶつかった時に、そのつど相談して解決をしていきたいと思います。
報告で提案した、都道府県に議員相談員を置くことについて、大きな歓迎の声を寄せていただきましたけれど、みなさんの活動のよりどころとなるように、ぜひこのとりくみを効果あるものとして成功させたいと考えます。
“政治的確信”と“心が通い合う”――これは報告の冒頭で、この会議の二つの眼目にしようとのべたことでありますが、みなさんの真剣で熱心な討論をつうじて、この会議は、すばらしい成功をおさめたことを確認しあいたいと思います。(拍手)
討論をつうじて、日本共産党の地方議員、議員団の値打ちがたいへん豊かに浮き彫りにされた会議となりました。
一つは、たとえ少数であっても、党の道理ある主張と運動が、現実の政治を動かす。これがいたるところでの生きた経験で裏づけられたことです。
徳島県からの報告では、民主県政の発展のために、県議団が先駆的役割を発揮して、県政を動かしている経験が報告されましたが、徳島の県議団というのは、定数四十二のうち二議席ですから、二十一分の一の力で、あれだけの変化がつくれる。
鳥取県からは、まだ自民党県政の枠内にある片山県政のもとでも住民の利益にかなった数々の前向きな変化がおきている、その変化をおこすうえでの日本共産党県議団の奮闘ぶりが、報告されました。県政でおこっているどの前向きな変化も、日本共産党の提案と結びついておこっている変化だという、鳥取県の代表の発言は、堂々としたものでした。ただここでも定数三十八議席のうち県議団は二議席ですから十九分の一です。
全国の市町村でも変化がおこっています。一人議員でも、二人議員でも、少数の議員でも、行政を動かすさまざまな実績をあげていることが報告されました。
少数でも動かせるのです。これは、地方政治でいかに自民党型政治が通用しなくなりつつあるか、いますすんでいる客観的変化がいかに奥深いものであるかを物語っていると思います。しかし、これはもちろん、いつまでも少数でいいということではありません(笑い)。少数でも、これだけ働けるということは、これを増やせばどんなに働けるか、どんな展望が開けるかは明りょうであります(拍手)。そして、少数でも動かせるということは、多数になる条件がおおいにあるということです。この条件を、今度の選挙で必ず現実のものとしたいと考えるものであります。(拍手)
二つ目に、みなさんの発言を聞いて強く感じたのは、わが党の地方議員が四千四百人に前進した中身は、量的前進だけではなく、質的前進もあるということです。
各地から、原則性と柔軟性を統一した議会活動によって、住民要求実現のために、議会の中での多数派をつくり、現実に行政を動かすところまですすんでいる経験が報告されました。
滋賀の竜王町では、一人議員ですが、その同志が、保守の議員がみんな合併賛成のところから出発しながら、保守の議員の気分をよく考えた働きかけをおこない、学習して理論的にも問題点をはっきりさせ、合併反対の流れを圧倒的なものにして、とうとう「合併しないで、どういう竜王町をつくるのかを共同して考える」ところまで変化したという発言をしました。
私は、これを聞いてたいへんに重要だと思いました。それは一人議員でも、合併押しつけ反対の合意への変化がつくれるということだけではありません。合併の押しつけというのは、もともとは地方自治破壊の攻撃です。ところが、それを打ち破っていくたたかいをつうじて、逆に、どういう町をつくるのかということを建設的に考えようという、地方自治の前進をかちとっている。そうしたすばらしい変化をつくりだしているということだと、私は思います。
高知県議会の同志の発言もたいへん教訓的なものでした。日本共産党が、行政と「解同」(部落解放同盟)の癒着でおきた不正追及の先頭に立つなかで、同和行政の大転換をはかった過程が発言されました。この過程で、自民党は橋本知事の辞職要求決議案を出した。その時に党は、第一に、この問題の根本原因は自民党と「解同」とのかねてからの構造的癒着にあり、そのうみがいま出ているのであって、橋本知事に直接の責任はない、第二に、同時に知事の監督責任はまぬがれない。こういう“大人の立場”といいますか(笑い)、よく考えて道理をとおした立場で問責決議案を出した。絶妙な対応です(笑い)。結果として、これまで積極的な役割を果たしてきた面を持っている橋本県政をまもりながら、同和行政の大転換をやってのけたわけですから、これは現実政治にまさに切りむすんで、質的にもわが党議員団が成長をとげつつあることの、一つの典型だと考えながら発言を聞きました。
わが党の議員団の成長というのは、量的成長とともに、質的にも行政を担う力を身につける方向へと成長しつつあることが、討論をつうじても浮き彫りにされました。(拍手)
三つ目に、討論を聞いて、わが党議員団の値打ちとして感じたのは、反動政治との対決で、不屈の党として奮闘しているということです。わが党でしかできない、勇気ある奮闘をしているということです。どんな相手でも、間違った政治には、勇気をもって対決をする。わが党にはタブーはありません。ただし、どんな相手とたたかううえでも、“空中戦”にならないことが大事です。住民の目線で、住民とともにたたかい、住民の力で包囲することが鉄則であるということも、発言で浮き彫りになったと思います。
東京都での石原都政とのたたかいも報告されました。石原知事が冷酷非情な福祉切り捨てをやってくる。その時にたとえば社会福祉法人の関係者など、従来の保守層の人々のなかでもはげしい矛盾がおこる。そこですべての民間福祉施設の関係者との対話運動を始める。区長会や市長会との対話も始める。こういう経験が報告されました。こうした福祉切り捨てなどの反動攻撃にたいしては、その矛盾をとらえて、それこそ広い住民とともに暴政とたたかうことが、大切であります。
公明党・創価学会とのたたかいについても、これも住民の利益をまもる立場からのたたかいが大切です。大阪の河内長野市の選挙での勝利の教訓がのべられました。ここでは住民運動とともに、公明党・創価学会の攻撃とたたかった。公明党・創価学会は、わが党に敵対しているだけではない。住民運動にも敵対している。ここが大事な点です。住民運動を党が激励しつづけて要求実現にこぎつけた。その全経過を一緒にたたかったわけですから、それを広く明らかにしていくならば、相手を逆に孤立させることができるわけです。
「解同」の乱脈・利権あさりとのたたかいも、各地から報告されました。これもまさに党ならではのたたかいでした。高知県、広島県、徳島県などから、相手の無法な攻撃にたいする勇気あるたたかいが報告されました。
反動政治との対決では、わが党は一歩も引かぬ構えが必要です。そして、つねに住民とともにたたかうという姿勢で、これらの逆流を打ち破っていこうではありませんか。(拍手)
四つ目に、日本共産党の女性議員についてであります。全体会でも分散会でも女性議員からのすばらしい発言が相つぎました。日本共産党の女性議員はいま全国で千三百十六人、他の党のすべての女性議員をあわせたよりも、日本共産党一党で多いわけですから、もちろん断然第一党であります。
女性の地位がどれだけ尊重されているかは、社会進歩の尺度となるというのは、科学的社会主義の先達がのべた言葉でありますけれども、女性解放を党創立以来かかげつづけてきた党ならではのこの到達点は、誇るべきものだと考えます。
いまのわが国の歴史的な激動をみますと、女性の自覚と力が深いところで働いている、ということがいえると思います。女性の要求というのは、もちろんさまざまですが、全体として民主的な性格と、生活に根ざした切実さを持っています。それには根拠があります。男女同権が憲法の大原則でありますが、現実には男女差別があるからです。ですからそのなかで男女平等をもとめる民主主義、生活の面でも女性の地位向上を願う、まさに生活に根ざした切実さをもっているというのが、女性の要求の特徴だと思います。
女性が大切にされる社会でこそ、男性も大切にされる。日本共産党こそ、女性の未来を託せる政党です。もちろん男性の未来も(笑い)託せる政党であります。
女性の多くを結集し、もちろん男性も結集し、すばらしい役割を果たしている女性議員のみなさんにたいして、そのおかれた社会的条件をよく理解し、それを支える努力をはかりたいと思います。そしてこの断然第一党の力をさらに大きくしていきたい。この決意も固めあいたいと思います。(拍手)
党と地方議員の値打ちがほんとうに豊かに語られた会議でしたが、くわえていいますと、全体として、前回のいっせい地方選挙で躍進した結果、党議員と議員団の力量が全国的に大きくなっているわけです。大きくなった力のもとで、わが党の実績もきわめて多面的に豊かになっている。これがこの会議全体の特徴だったと思います。
この大きくなった力でかちとった実績を、政策とともにおおいに語って、この党をもっと大きくすれば、もっと住民の暮らしをまもり、平和をまもる力になるのだということを訴えて、必ずいっせい地方選挙、総選挙での躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)
党を強く大きくする仕事について、ほとんどの議員のみなさんがそのことを語りました。すすんでいるところは、だれかからいわれたからやっているというわけでもないんですね。いわれてもいるとも思いますが(笑い)。議員のみなさん自身の自覚的な運動、内発的な運動として、支部と協力しながら、党建設にとりくんでいるというのが、討論を聞いての私の強い印象でした。
その地域の住民の福祉と利益をまもるという、議員の仕事を果たそうとすれば、どうしても大きな党が必要になる。住民の利益をまもるという原点に立ってしっかり仕事をしようと思えば、大きな党が必要になる。そこから党をつくろうという、まさにやむにやまれぬみなさんの思いが広がり、党建設でもみなさんがすばらしい役割を果たしていることに、心からの敬意を申し上げたいと思います。
たとえば、生活相談のとりくみということが語られました。いまの生活相談というのは、なかなかたいへんな仕事です。生活が深刻すぎて、一件一件の解決のためにたいへんな力が必要で、簡単には解決しないものも多い。そういうなかで、切実な要求が次々と寄せられて、これに誠実にこたえる活動がおこなわれています。これはもちろん議員の大切な活動です。
同時に、支部と協力して、住民運動にとりくんでこそ、住民要求を実現する道が開かれます。しかしそれを本格的にやろうと思ったら、強い党が必要です。さらに、選挙で勝利して議席を増やしてこそ、住民要求の実現の条件が大きく開けてきます。どんな活動でも、強く大きな党があってこそ――この思いからまさにわが身、わがこととして、党建設に自覚的にとりくんでいるという、みなさんの姿が討論では豊かに語られました。
湯沢市の経験も報告されました。鈴木市長がどうやって勝利したかということについて、私は、地元紙も引用して報告したわけですが、そこにいたる過程が、発言では報告されました。三年前の定数一の県議選で、鈴木俊夫さんが残念ながら敗れ、市議会選挙で一人落選させてしまった。この反省から、「党勢拡大しかない」と決意して、三年間で党員を30%増やしたという報告でした。私は報告で、湯沢の選挙は、「思いがけず」勝利した(笑い)ということを言いましたが、たんなる偶然ではなかったわけですね(笑い、拍手)。やはり偶然に見えることのなかにも、必然性は貫かれているという(爆笑)、この弁証法の論理が働いているということを痛感いたしました。(笑い、拍手)
それから、北海道の当麻町の同志の発言もたいへん感銘を与えました。移住して空白を克服した。町民要求実現のためにまず議会活動を知らせようと、「当麻民報」を定例会ごとに発行し、これと「しんぶん赤旗」号外とをいっしょにして全戸配布をおこなった。一回の全戸配布は、大きな広い町でしょうから、これをやるのに一カ月くらいかかったという話もされました。そして三年五カ月かかって、支部と協力して二百四十八部の新聞を増やし、党員拡大は十三倍になったとの発言でした。いったい党員は何人から何人に(笑い)、十三倍になったんだろうと聞いてみましたら、最初はご夫婦二人だったそうであります(笑い)。そこから十三倍になったということで、すばらしい奮闘だと思います。
これらの発言を聞きますと、党勢拡大というのは、もっとも困難も大きいけれども、もっともロマンもある、開拓者のたたかいだということを痛感するものであります。
きょうの分散会では、愛知県の一宮市の議員八期目の同志が、「最近、党勢拡大をやっていて楽しくてしかたがない」という発言をしたと聞きました。地元の党組織を、二・五倍化した。そうしましたら、全戸配布も一気にできる。配達もみんなで手分けしてできるようになった。目に見えて党に力がついてくる。もう楽しくてしかたがないという境地にまで到達した発言もあったことを、報告しておきます。
それから分散会の発言で、重要だと思ったのは、地域の「民報」の役割です。私たちが地方政治にのぞむモットーは、「住民こそ主人公」です。しかし、「住民こそ主人公」というのは、まず住民に正確な事実と情報を伝えるところから出発しなければならない。そして住民とともにたたかってこそ、「住民こそ主人公」です。そういう見地で、「民報」を発行し、それをまさに党と地域住民とのかけ橋として大事に育てている経験がたくさん報告されました。これは、反共反撃にもたいへん効果的です。よい「民報」をつくるには、わかりやすく伝えるための地方議員の側の努力もいり、議員活動の強化にもなっているという発言もありました。地域の「民報」や読者ニュースもおおいに重視して、強化をはかっていきたいと思います。
党建設についてさまざまのべましたが、党活動の過重負担の問題についても、「三つの努力目標」にとりくみながら、根本は、この矛盾というのは党の力がまだ弱い、党の力が情勢と国民が党にもとめるものに追いついていない、このギャップからいろいろな矛盾が生まれているわけですから、根本は党を大きくして、さまざまな矛盾も解決するという見地でがんばりたいと思います。
党勢拡大の大きな上げ潮のなかで選挙戦をたたかい、そして二十一世紀の民主的政権を担う強大な日本共産党をつくる――このたたかいの先頭にわれわれが立とうではありませんか。(拍手)
みなさん、二十一世紀の日本共産党の前途は、洋々と開けています。
報告の冒頭でも紹介した不破議長の中国訪問は、大きな成果をあげ、きょう議長は帰国します。一昨日の江沢民総書記との首脳会談では、イラクをめぐる情勢が緊迫するもとで、イラク攻撃に反対、核兵器の廃絶に一致して努力するという非常に重要な合意がえられました。さらに、不破議長は、訪中のさいの一連の会談のなかで、世界と日本と中国が直面する二十一世紀の多面的な問題について、先方は十二項目ぐらいの問題意識をもって対話にのぞんだわけでありますけれども、意見交換をおこない、深い成果をおさめました。わが党は二十一世紀を大きく展望し、世界に視野を広げた外交にもとりくんでいる党であります。
同時に、その党が草の根にしっかり根づいた地道なとりくみをやっている。この点で、みなさんに紹介したいメッセージがあります。ある著名なジャーナリストから、この会議に注目して、こういう談話が寄せられました。
「私は、以前から日本共産党が、とくに地方議員を重視し、地道な活動をおこなっていることに注目してきた。来年のいっせい地方選挙の前にこのような全国規模の議員集会をひらく意義は非常に大きいと思う。来年のいっせい地方選挙は、いまの政治経済状況から見てかなり重要な意味を持つ選挙になると思う。何よりも地域経済はかつてない深刻な危機になる。グローバル化の名のもと、大企業の海外進出はいっそうすすみ、地域経済の空洞化が広がっている。リストラによる失業の激増、中小企業業者の倒産、営業難をはじめ、都市部、農村部を問わず、各階層の状況と要求は想像以上に深刻化している。こういうときに大事なのは、地域にいまどういう問題があるかを発掘し、それらに個別に対応していくことだと思う。その地道な活動こそが、国政の変革の土台であることを忘れないでがんばっていただきたい。地方議員代表者会議の成功を心から期待してやまない」(拍手)
こういうメッセージであります。
みなさん、わが党は国政でも、世界にも、大きな視野ではたらきかけながら、国民のなかにしっかり根をはった党として、その前途は洋々たるものがあります。さまざまな曲折や困難もあるでしょうが、大局的には未来はわれわれのものです。
みなさん、目前にせまった選挙戦で、かならず勝利者になる。そして、民主的政権の担い手としての強大な党をつくる。この目標に正面から挑み、このすばらしい会議の成果を、わが党の現実の躍進に結びつけるために、ともに力を合わせてがんばりぬこうではありませんか。(大きな拍手)
(2002年9月2日(月)「しんぶん赤旗」より)