テレビ出演や各地でのコンサートが多く人気抜群の、わが国を代表するジャズ・バイオリニストです。
「野外での演奏は、解放感があって、大好きです。私たちの音が、会場にいらっしゃるお客様の耳に届き、演奏する私たちとのエネルギー交歓が行われて、一つになった時って、素晴らしいです」
ピアノ、ベース、ドラムと共にステップを踏んでの演奏は軽快です。クラシック、映画音楽など幅広いジャンルのカヴァー曲を、独自の編曲によって演奏しています。
「その場合、オリジナルの持つイメージを大切にしながら、"今"の香りをプラスし、分厚いバンドサウンドを求めています。そしてステージに立ったら、未知の世界が広がります。とくにサウンド・チェックには念を入れ、『どれだけ自由になれるのか』が課題で、毎回が挑戦ですね」
赤旗まつりでは、タンゴの「エル・チョクロ」、シャンソンから「枯葉」、チャプリンの作品からは「テリーのテーマ~スマイル」などの演奏を予定しています。
「素晴らしい楽曲を、力のある強い曲を、どう"ジャズるか"ということが、演奏するうえで最大の魅力でもあります。ジャズの楽曲を演奏することが、イコール=ジャズではなく、ジャズっている、かどうか、がテーマなのです」
4歳からバイオリンを始め、クラシックの演奏家をめざしていましたが、ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスのレコードを聴いて触発され、ジャズ・バイオリニストの道を選びました。1998年に最初のCDアルバムを発売して以来、17枚のアルバムをだしています。
「バイオリンの生の音を初めて聴かれるという方にも、気軽に私の演奏を聴きにきてもらいたいですね。赤旗まつり中央舞台での、演奏を楽しんでいただけたらうれしいです。音楽はわかる、わからない、ということより、"居心地がいいかどうか"が最も大切ではないでしょうか。ぜひ多くの方に来ていただきたいと思っています」
文 大井民生
写真 橋爪拓治
(2010年10月26日(火)「しんぶん赤旗」)