私も出演します 浪曲 国本 武春さん 節に酔い 心ゆったり 7日午後 青空寄席

国本武春さん.jpg 前回(4年前)に引き続き出演する国本武春さん。三味線1本で浪曲にロック、バラードを取り入れた「三味線ロック」で話題に。浪曲界の期待を担って30年、いまは日本浪曲協会副会長としても活躍中です。

 

 年配者には、「旅行けば~」「佐渡へ佐渡へと...」とラジオから流れ、銭湯でも近所のオジサンが虎造節や米若節をうなる光景が浮かぶ、日常生活の一部だった浪曲。でも、国本さんが東京・木馬亭で初舞台を踏んだ1980年代初めには、衰退著しく、「客席を見やると1けたのお客しかいない日」がたびたび、どん底状態でした。

 「私の両親が浪曲師でしたから、中学生のころから三味線をやっていました。一時期、エレキ音楽の世界にあこがれのめり込みましたが、19歳でこの世界に入った。試行錯誤して古典・新作をやり、一人で三味線の弾き語りをやったことが今日につながりましたね」

 その魅力は、「節に酔い、三味線に心をゆったりと漂う、そして楽しむことかな」。「忠臣蔵」や「佐倉義民伝」などの語りには、義理・人情といわれる"人間っていつの時代も変わらんな"と感じてもらえるかどうかが真髄。

 「浪曲の場合、名調子かどうかの評価は、(一部専門家ではなく)一般庶民が決める。芸の力の目線は、大衆のものだったから、隆盛した」

 浪曲師は元気な方が多い。100歳、80、90歳代の現役が演台に立ちます。今月26日、東京・浅草公会堂で「浪曲大会―復活!浪曲黄金時代」を開催。武春さんが聞き手になって、五月一朗(91)、東家三楽(89)さんらに秘話を語ってもらうコーナーも。

 「腹から声を出すことが元気のもとかな。50歳の私などハナタレ小僧です。名調子を中堅・若手がよみがえらせます」

 海外公演も6月に上海万博の舞台、9月に2週間、アメリカ巡業して帰国。

 「40代に1年間、アメリカ留学して、カントリー音楽・ブルーグラスに出合いました。あの乗りの良さ、感情表現の率直さを気に入り、毎年、行っています」

 今回の赤旗まつりは、青空寄席コーナーに、落語家の間に入っての出演。

 「浪曲は即興の面白さでもあるので、演目は当日のお楽しみ。しみじみした、筋のしっかりした語りをやりたい」

 伴奏は気心知れた、ベテラン曲師、沢村豊子さん。進化した武春節が期待できそうです。

 文 澤田勝雄

 写真 森 幸一

20101015()「しんぶん赤旗」

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