山形将史撮影
6日の中央舞台に登場する「二期会マイスタージンガー」は男女8人のボーカル・アンサンブル。日本を代表する声楽家集団「二期会」のメンバーで構成され、オペラや声楽の素晴らしさを伝えるため、全国各地でコンサートを開いています。
現在のメンバーに定着したのは2000年。赤旗まつり出演は、1998年以来2回目となります。「二期会マイスタージンガー」を主宰する松本宰二さん(バリトン歌手)は、「屋外ということもあり、クラシックファンを前に室内で歌うのとは、全体の雰囲気がずいぶん違う」と話します。
「クラシックはあまり聞かないという方もいらっしゃるかもしれませんが、途中で手拍子をしたり、とてものびのびと反応してくださって。私たちもいつもとは違った感覚で楽しめます」
(写真)二期会マイスタージンガー
コーラス、デュエットはもちろん、男声ものや女声ものなど、いろんな方向から楽しめるのがマイスタージンガーの舞台。メンバーは、ソロで歌う力量があり、各パート2人の声のバランスも考慮して二期会の2500人の会員の中から選抜されます。
「チームワークも大切ですね。自分を上手に生かしながら、みんなとアンサンブルをつくり出すことが必要になりますから。私たちのテーマは分かりやすくて、楽しいということ。4種の声ですが、同じソプラノでも声質が違うので8人で歌うとレパートリーがますます広がります。カルテットが、さらに倍のダブル・カルテットで楽しさも倍になります」
歌の説明など、トークを交えて十数曲を披露します。演奏曲は、イタリアのカンツォーネ「フニクリ・フニクラ」、フォスターの「夢路より」(アメリカ)、オペラ「カルメン」から"ハバネラ"と"闘牛士の歌"、ビートルズの「イエスタデイ」、「ソーラン節」、「『砂山』変奏曲」など。「『砂山』変奏曲」は、山田耕筰と中山晋平が作曲した二つの「砂山」に「佐渡おけさ」をミックスしたマイスタージンガーのオリジナル曲です。
「歌は、歌詞がわからなくてもメロディーやリズムによってコミュニケーションがとれ、歌うことでいろんな人と心を通わせ合う時間をもつことができます。音楽の未来を支えてくれる子どもたちには、とくに生の音楽を聴いてほしいと思っています」
マイスタージンガーのメンバーは、ソプラノ=佐藤奈加子さん、田中麻理さん。アルト=喜田美紀さん、長谷川忍さん。テノール=岡本泰寛さん、高田正人さん。バリトン=浅井隆仁さん、松本宰二さん。ピアノは水戸見弥子さん。
文 中村尚代
(2010年10月9日(土)「しんぶん赤旗」)