2000年2月7日(月)「しんぶん赤旗」
思いやり予算は、日米安保条約・地位協定上当然、米側が負担すべき費用を日本政府が「思いやり」と称して支出しているものです。SACO経費も、思いやり予算と同じように日本がなんら負担する義務のない経費であり、第二の思いやり予算というべき性格のものです。
SACO経費は、日米両政府が承認した『沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告』に盛り込まれた、普天間基地をはじめ、那覇港湾、読谷飛行場、楚辺通信所などの米軍基地移設のための施設建設費、県道一〇四号線越え実弾射撃演習の本土移転に伴う訓練移動費(兵員・物資の輸送費)、嘉手納、岩国基地の施設整備費、基地移転先の周辺対策費です。沖縄の米軍基地を「縮小・整理」するためというのが名目ですが、実際には新基地を建設・強化し、二十一世紀のはるか先まで永久・固定化させるための費用です。九六年度補正予算から開始され、二〇〇〇年度予算案では、百四十億円を計上しています。
政府は、各省庁の予算について「概算要求基準」(シーリング)という上限枠を設定していますが、SACO経費はその対象外とされ、思いやり予算とは「別枠」の扱いにしているため、SACO経費という名目さえつけば制限なく支出できる仕組みになっています。大きな問題になっている普天間基地の移設に関連した新基地建設のための費用は、当初の海上基地建設案の場合でも二千四百億円から四千九百億円(九八年三月米会計検査院報告書)と推計されていますが、一兆円余の巨額にのぼるという指摘もあり、将来、ばく大な費用が思いやり予算に加えてSACO経費として日本国民の肩にかかってくることになります。(宮)
〔2000・2・7(月)〕
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