日本共産党

2004年6月1日 衆議院 農林水産委員会 日本共産党 高橋千鶴子議員

競馬法「改正」案 反対討論 大要

 私は、日本共産党を代表して 競馬法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 第一の反対理由は、競馬の実施に関する事務を民間企業にまで委託できるとしたことであります。

 賭博・富くじ販売禁止の例外として、国、都道府県及び指定市町村に限って行われている公営競技において、それぞれの主催者が責任をもって実施することが公正な運営の保障であり、ギャンブルの弊害を抑制することにつながると考えます。経費節減や効率性本位で民間委託が行われるならば、健全な国民のレジャーとしての発展方向に逆行する恐れがあります。また、販売・払戻等、民間委託が予想される業務に携わる労働者の身分保障を不安定化させるものです。

 第二の理由は、売上げを増やすためギャンブル性拡大の方策を採っていることであります。射幸心を高め、賭け事の弊害を助長するとして廃止されていた重勝式投票方法の復活をどれほどの論議を経て復活させたのか、問題であります。さらに成人した学生の購入禁止を解除することは、未成年、成人がともに学ぶ教育現場への影響を無視することができません。

 なお、本法案は地方競馬への支援策を盛り込んでいます。しかし、その内容は生き残れる所だけ地方競馬全国協会への交付金納入を延期させる措置であり、その猶予額も莫大な累積赤字規模と比べたらきわめて少額であります。また、施設・整備事業にほぼ限定した競馬連携計画への財政支援策の下、無理な投資が行われたり、住民との摩擦が起きがちな場外販売施設設置を促進させる懸念があります。

 さらに競走馬生産振興業務とする生産者対策も、いまだ構想がはっきりせず、生産地との協議も不十分であります。一定の枠がある中央競馬会の特別振興資金からと財源規模を限定したのでは非常に不十分なものになると思われます。軽種馬生産を文字通り農業に位置づけ、馬産地の自治体や農協などが実施しやすい抜本的な対策こそ必要です。

 以上、申し上げて私の反対討論を終わります。


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