2004年5月27日 衆議院 農林水産委員会 日本共産党 高橋千鶴子議員
日本共産党を代表して、卸売市場法を一部改正する法律案に反対の立場で討論をおこないます。
反対の第一の理由は、委託手数料を自由化することです。手数料が自由化されれば、卸売市場間、卸売業者間の手数料率の引き下げ競争をまねくことは避けられず、収入の大半を委託手数料に依存する卸売業者には死活問題となるものです。また、中小卸はいっそう集荷競争で不利になり、経営を脅かされることになります。
第二に、買付集荷を自由化する問題です。買付集荷が必要であることは否定できませんが、利益率が低く卸売業者がリスクを負う買付集荷が完全自由化されれば、少数の大手卸への集荷集中が一層強まり、中小卸売業者の弱体化を促進することになります。また、買付集荷が際限なく拡大すれば、市場の価格形成機能の弱体化、産地にたいする差別的取扱いの禁止が形骸化することなど、わが国の市場制度の根幹にかかわる問題が生じる可能性があり、買付集荷は、限定的なものとすべきです。
これらの規制緩和により競争が激化すれば、ただでさえ経営悪化に苦しむ中小卸売会社の淘汰をすすめる危険性が否定できません。卸売業者の廃業は、地方では市場廃止につながりかねず、それは専門小売店は仕入先を、中小産地は出荷先を失い、衰退を加速することにつながります。結果として地域商店街の衰退をまねき消費者への影響もまぬがれません。
第三に、中央卸売市場の再編問題促進は、国が中央卸売市場を選別し、大型流通に適合する広域市場をつくり機能強化をおこなう一方、その他の市場については、取扱量が減少し、経営が厳しくなれば、その地域で果たす役割にかかわらず民営化や再編統合の対象となりかねないものです。また、仲卸業者の財務基準定め「早期是正措置」を行うことは、多くの仲卸業者に統合や廃業を強力にせまるものです。
以上、反対理由をのべて討論とします。