日本共産党

2004年5月26日 衆議院 国土交通委員会 日本共産党 穀田恵二議員

船員法「改正」案 反対討論 大要

(海上運送事業の活性化のための船員法等の一部を改正する法律案)

 日本共産党を代表して、反対討論を行います。

 反対理由の第一は、運賃・用船料の適正化の保証のないまま、標準運賃・標準貸渡料制度を廃止するなど、規制緩和することは、中小内航海運事業者の経営を一層脅かし、内航海運の振興に逆行するものであるからです。

 中小事業者の経営をまもるために、今求められているのは、大企業である荷主の過度のコスト削減要請など身勝手な行動を規制することです。今年四月から、内航海運事業にも適用された改正下請二法及び独占禁止法の「特殊指定」を活用し、荷主などの不公正取引を規制することが求められています。しかし、本法案は、標準運賃制度などを廃止し、事業参入を許可制から登録制にするなど、一連の規制や制度を廃止するものであります。これでは、中小零細企業を犠牲にする荷主などの身勝手な企業行動を野放しにすることにしかなりません。

 第二の理由は、労働力の流動化の名の下で、労働者派遣事業の対象を船員まで広げて、雇用不安を拡大し、労働条件を悪化させるからであります。

 戦前、賃金をピンはねする人貸し業が横行し、その苦い教訓から、企業が労働者を直接雇用することが原則になりました。この観点から船員供給事業も原則禁止とされました。船員派遣事業は、本来、違法である船員供給事業の一形態です。これを解禁することが、船員の権利と労働条件の向上に役立つはずがありません。

 以上、反対する理由を申し上げまして、討論を終わります。


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