2004年5月20日 参議院 内閣委員会 日本共産党 小林美恵子議員
私は、日本共産党を代表して、構造改革特別区域法の一部改正案に対して反対の討論を行います。
構造改革特区は、国民の生命、健康、国民生活にとって必要な規制を緩和、撤廃し、住民への負担と犠牲を押し付けるものです。
その上に立って、まず医療法等の特例について述べます。
法案は、認定構造改革特別区域において株式会社が自由診療で高度な医療の提供を目的とする病院又は診療所を開設できるようにするものです。
特区における医療法等の特例は、医療の公益性を否定し、国民の健康や生命を守る医療を利潤追求の目的にしようとするものです。医療分野での利潤追求は、不採算部門の切捨てと高収益部門への集中、患者の経済的格差をそのまま医療に持ち込むことになります。
また、自由診療で高度の医療に限定するとしながらも、一方で、必要があると認められる場合、診療上やむを得ないと認められる場合は一般医療も提供できるようになっています。株式会社の病院、診療所において自由診療に限らず公的医療保険が適用される医療も適用できるものです。これは、国民の自由で平等な医療を受けることができる国民皆保険制度の根幹を崩す混合診療への道を開くことになりかねないものであります。
次に、教育職員免許法の特例についてです。
法案は、市町村教育委員会に特別免許の交付を認めようとするものであります。
大学での教養・専門教育、教職・教科教育は、憲法、教育基本法に支えられた公教育にとって不可欠の教員養成制度であります。特区における特例は、教員の在り方に大きな変化をもたらし、教員免許制度そのものを形骸化させ、将来的には制度の崩壊につながるおそれがあります。
なお、漁港漁場整備法等の特例、狂犬病予防法の特例には賛成であることを申し述べて、反対の討論を終わります。