日本共産党

2004年5月20日 衆議院 総務委員会 日本共産党 塩川鉄也議員

地方公務員共済組合法案 反対討論  大要

 私は日本共産党を代表して、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。

 反対の第一の理由は、マスコミの世論調査でも60〜70%の国民が年金法案の「成立反対」「見送り」の態度を表明する中で、この国民の声を無視する形で採決をしようとしているからであります。

 17日の「朝日」「毎日」「東京」の各紙は、いっせいに年金法案に対する世論調査の結果を発表していますが、いずれの調査でも年金法案を「今国会で成立させるべきでない」と答えた人が6〜7割を占め、「成立させるべきだ」と答えた人を大きく上回っています。また、「保険料は上限を固定」「給付は50%を確保」という政府の説明もこの間の審議の中で破綻し、実態は「百年安心」どころか「百年不安心」という状況が明らかになってきています。だからこそ、多くの国民は今国会での年金法案の成立には反対を表明しているのであります。この国民の声に答えて、年金法案はいさぎよく撤回、出しなおすべきであります。

 第二は、法案が掛金の連続引き上げと給付額の自動的引下げを内容とする年金制度改悪の関連法案の一つであるからであります。

 法案は、公的年金の被保険者数の減少と平均余命の伸びを年金給付に反映させることによって給付額を自動的に引下げる「マクロ経済スライド」の導入や、本来ならば今年度に実施しなければならない基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げの先送りなど、主要な改正内容は国民年金法等の一部を改正する法律案に準じたものになっています。掛金の決定が法定事項になっていないとはいえ、これも厚生年金の保険料の引き上げに準じて引き上げられていくことになっています。問題は、「保険料は上限を固定する」「給付は50%を確保する」という政府の説明が、この間の議論の中で破綻して、実際には「国民年金の保険料は上限なしに引き上げられる」「給付水準は現役世代の収入の4割代に引下げられる」ことが明らかになりました。掛金の連続引き上げと年金額の大幅な引下げは到底認めることはできません。

 第三は、物価の下落を理由にした障害共済年金や遺族共済年金の最低保障額等の引き下げの問題です。

 「物価スライド」の措置とはいえ、これらの年金受給者の多くは障害者や或いはその遺族など年金受給者のなかでも弱者と言われる人たちであります。そうした人の年金額の引下げは容認できるものではありません。

 「保険料の上限固定」「給付額の50%確保」という政府説明が破綻した以上、「年金法案を今国会で成立させるべきでない」という多くの国民の声に答えて、法案は撤回し、出し直すべきだということを指摘し、討論を終わります。


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