日本共産党

2004年5月18日 参議院 総務委員会 日本共産党 八田ひろ子議員

市町村合併3法案 反対討論  大要

 日本共産党を代表して、市町村の合併の特例等に関する法律案、市町村の合併の特例に関する法律の一部改正案および地方自治法の一部改正案にたいし、反対の討論を行います。

 いうまでもなく、全国3100団体の市町村は、それぞれに、独自の歴史と伝統、自然と文化を持っており、地域住民自身がそれぞれの自治体の行末を決めるべきことは論を待ちません。

 ところが、合併を強制するものではないと言葉で説明しながら、この法案が強制合併に限りなく近い制度設計になっており、地方分権の建前にも反し、自治事務への重大な介入になっていることが反対理由の第一であります。

 新法では、「目的」に「行政体制の整備・確立」や「市町村の規模の適正化」など市町村の規模・能力の拡大が明記されました。さらに、総務大臣の「基本指針」で都道府県知事に「構想」を作成させ、知事の勧告・あっせん・調停で合併を推進させる、自治事務にも係わらず、「基本指針」に「よるべき基準」として知事に「構想」を策定させるのは地方分権に反すると言わなければなりません。実質的な強制合併を盛り込んでおり、容認できません。

 反対理由の第二は、地域自治区・合併特例区の議決機関が公選ではなく市町村長の選任に後退したことであります。

 反対理由の第三は、憲法95条で都道府県の合併について住民投票が必要とされるにもかかわらず、今回の法案では、都道府県議会の議決と国会の了承で合併できるとする問題であります。上からの市町村合併が強要されるなか、全国でいま、地域住民の合併にたいする声を聞いてほしいと、住民投票が行われています。住民こそ地域自治体の主人公という流れが大きく起こっているときに、あえて住民の権利を一方的に奪うこのような改悪は許されません。

 さらに、知事の合併協議会設置の勧告が否決された場合にだけ住民投票制度を導入するとしていることは公平なことではありません。

 日本共産党は、住民の意思に基づいて地方自治体を適切な規模にすることに一律に反対するものではありません。しかしながら、自治体の合併の是非は、憲法の地方自治の本旨、すなわち、そこに住む住民の合意と自治体の自発的な意思によって決められるべきであります。

 以上、この法案は、政府がこれまで進めてきた押しつけ市町村をより強権的に進めるものであり、地方自治の発展を願う国民の期待に逆行していることを強調して、反対討論を終わります。


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