2004年5月14日 衆議院 財務金融委員会 日本共産党 佐々木憲昭議員
私は、日本共産党を代表して、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
本法案反対の最大の理由は、「マクロ経済スライド」の導入により、国家公務員共済年金の給付水準を、今後毎年、国会審議抜きで自動的に引き下げようとしていることであります。
政府は、「給付水準の調整は厚生年金と同一の比率で行う」としていますが、政府の示す「モデル世帯」でさえ、その給付率は現役世代の平均収入の50%を割るものとなっております。加えて、本委員会の審議でも、給付水準が今後いっそう低下することがうきぼりになりました。
このような「マクロ経済スライド」の導入による「年金給付の実質価値」の引き下げは、公的年金制度の重要な機能の放棄であり、歴史的な大改悪であります。
第2の理由は、具体的な保険料率は、従来どおり5年ごとの財政再計算で決定することとしているものの、今後毎年、厚生年金と同水準での保険料引き上げを予定し、2025年には約20%もの高い水準の保険料率を押し付けようとしていることであります。
小泉内閣による7兆円の負担増計画が推し進められているもと、こうした連続的な負担増は、現役の国家公務員と年金生活者である国家公務員OBをはじめとする国民の生活と暮らしを圧迫し、消費の減退を長期にわたってもたらすものであります。
最後に、再任用制度の問題について、であります。本来、この制度は、職員が定年退職後に不安を覚えることなく生活でき、また長年培った能力と経験を有効に発揮できるように設けられたものであるはずです。しかしながら、現状は、退職者の約10%しか再任用されていないことが、本日の審議でも明らかになりました。今後、この制度を実効あるものとして機能させること――年金制度の大改悪の前に、このことがいっそう求められていることを強調して、私の反対討論とするものです。