日本共産党

2004年5月11日 衆議院 財務金融委員会 日本共産党 佐々木憲昭議員

証券取引法案 株券ペーパレス法案 反対討論 大要

 私は、日本共産党を代表して、証券取引法一部改正案ならびに社債等振替法「等」一部改正案に対する反対討論を行います。

 まず、証券取引法案について、反対理由の第1は、銀行等金融機関への証券仲介業の解禁により、銀行の利益相反行為や不招請勧誘などを招き、顧客の利益を損なうものとなることであります。とりわけ、投資家保護策の整備が不十分な今日(こんにち)、預金・融資・株式所有など経済的影響の強い銀行が窓口で株を仲介するようになれば、その優越的地位の濫用による投資家の被害拡大が大いに懸念されるものであります。

 第2は、本法案により銀行は、幅広い店舗網を生かした顧客の囲い込みが可能となり新たな手数料収入を得ることができる一方、個人投資家の委託注文の受注を主としている地方の中小証券会社にとって、銀行に顧客を奪われるなど、その営業に重大な影響を受けることとなるからであります。

 第3は、市場監視機能・体制の強化として課徴金制度等を新設していますが、その水準は、違法行為によって得た利益を吐きだす程度のものであり、金融審議会の報告でも強調された「抑止のために十分な水準となる」ものとはほど遠いものであります。諸外国の制裁金と比較してもきわめて不十分なものであります。

 次に、社債等振替法「等」一部改正案について、であります。

 本法案反対の1つ目の理由は、株式のペーパーレス化とそれに伴う証券決済のIT化によって、巨額のシステム開発を要し、すべての関係金融機関に設備投資を強いることとなり、この負担に耐えられない中小証券会社は淘汰され、その結果、大手証券会社を頂点とした再編が加速されることになるからであります。

 2つ目に、議決権など特有の問題をもつ株式のペーパーレス化には、政府も慎重な立場をとってきたにもかかわらず、本法案は、流通段階でのミスを株式の発行会社や株主に転嫁するなど、株主の権利を損なう恐れを含んでおります。また、名義書換や口座開設をしていなかった株主が、後にトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。

 このことを指摘して、私の反対討論とするものです。


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