日本共産党

2004年4月20日 参議院 農林水産委員会 日本共産党 紙智子議員

競馬法「改正」案 反対討論

 私は、日本共産党を代表して 競馬法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 反対の第一の理由は、競馬の実施に関する事務を民間企業にまで委託できるとした点であります。

 賭博・富くじ販売禁止の唯一の例外として、国、都道府県、指定市町村に限って行われている公営競技において、それぞれの主催者が責任をもって実施することが公正さの保障であり、ギャンブルに伴う弊害の抑制につながると考えます。経費節減や効率性本位で委託が行われるならば、健全な国民のレジャーとしての方向に逆行する恐れがあります。また、販売・払戻等、委託が予想される業務に携わる労働者の身分保障を不安定にする条件となるものです。

 第二の理由は、売上げの維持・拡大にギャンブル性拡大の方策を採っていることであります。射幸心を高め、賭け事の弊害をなくすため、廃止されていた重勝式投票方法の復活をどれほどの論議を経て、再び導入したのか、問題であります。また、売上げ拡大をねらって成人した学生の購入制限を解除することは、未成年、成人が混在して学ぶ教育現場への影響を無視することができません。

 なお、本法案は地方競馬への支援策を盛り込んでいます。しかし、その内容は生き残れる所だけ地方競馬全国協会への交付金納入を延期させる措置であり、猶予額は多くのところで累積赤字規模と比べ、きわめて少ないものであります。また、施設・整備事業中心の競馬連携計画への財政支援では、無理な投資が起きたり、住民との摩擦が起きる場外販売施設などの動きを促進させる懸念があります。

 さらに競走馬生産振興業務とする生産者対策も、いまだ構想がはっきりせず、生産地との協議も不十分であります。中央競馬会の特別振興資金からと財源規模を限定したうえに、馬の削減を前提条件にした対策だけでは非常に不十分なものになると思われます。軽種馬生産を文字通り農業に位置づけ、馬産地の自治体や農協などが実施しやすい抜本的な対策こそ必要です。

 以上、申し上げて私の反対討論を終わります。


日本共産党/国の政治へ

もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp