2004年4月14日 参議院 経済産業委員会 日本共産党 緒方靖夫議員
私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になっております二法案について反対の討論を行います。
まず、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正する法律案についてです。
反対理由の第一は、本法案が、中小企業金融公庫がこれまで果たしてきた中小企業向け長期、固定、低利の融資支援の役割を縮小させるものだからです。金融自由化、不良債権処理の加速化の下で、大銀行の貸し渋り、貸しはがしで中小企業向け貸出しが厳しくなっているときに、中小公庫の役割を後退させることは認められません。質問で指摘したように、中小公庫に一層のリスク負担を迫り、民間金融機関の貸付債権等の保証と証券化の機関に変質させることは明白であります。
第二に、証券化支援業務の導入は、中小企業公庫が毎年補給金を投入を受けている状況の下で民間金融機関のリスクまで負担すれば、一般貸付けの金利上昇などをもたらし、中小企業者に対する貸付けに不利益を与えかねないことを指摘しておきます。
第三に、旧繊維法から引き継いだ繊維振興基金等の廃止により、繊維産地に対する国の支援を放棄することになるからです。これでは、繊維関係下請業者、零細業者への支援が見捨てられ、地域産業を疲弊されるものと言わざるを得ません。
次に、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の一部改正案についてです。
反対理由の第一は、本来の中小ベンチャー企業の育成の目的、建前を投げ捨てて、不良債権の早期処理のために、買収ファンドを利用する法律へ変質させるものとなるからです。
我が党は、創業、ベンチャー企業や新規企業の振興を極めて重視しております。現行法の下で、地域ファンドの設立なども注目すべきものであります。しかし、現行法の到達点は、中小ベンチャー企業にとって多くの課題を残しています。政府が本来の立法趣旨に立ち返るべきことを指摘しておきます。
第二に、本法案は、買収と事業再生ファンドがハイリスク・ハイリターンを追求し、二重課税を回避するための法整備だからです。その上、こうしたリスクの大きな投資ファンドを年金基金の受皿とすることも容認できません。本法案は先に投資ありきの法案であ
、賛成できません。
以上申し述べて、反対の討論を終わります。