2004年4月13日 参議院 経済産業委員会 日本共産党 緒方靖夫議員
私は、日本共産党を代表して、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正する法律案に対して反対討論を行います。
はじめに、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構改正案です。
反対理由の第一は、本法案が、中小企業金融公庫がこれまで果たしてきた中小企業向け長期、固定、低利の融資支援の役割を縮小させるものだからです。
金融自由化、不良債権処理の加速化のもとで、大銀行の貸渋り、貸しはがしで、中小企業向け貸出しが厳しくなっている時に、中小公庫の役割を後退させることは、認められません。質問で指摘したように、中小公庫にいっそうのリスク負担を迫り、民間金融機関等の貸付債権等の保証と証券化の機関に変質させることは明白です。
第二は、証券化支援業務の導入は、中小企業公庫が毎年補給金の投入を受けている状況のもとで、民間金融機関のリスクまで負担すれば、一般貸付の金利上昇などをもたらし、中小企業者に対する貸付に不利益を与えることを指摘しておきます。
第三は、旧繊維法から引き継いだ繊維振興基金等の廃止により、繊維産地に対する国の支援を放棄するからです。これでは、繊維関係下請業者、零細業者への支援が見捨てられ、地域経済を疲弊させるもと言わざるを得ません。
次に、「中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の一部改正案」についてです。
反対理由の第一は、中小ベンチャー企業の育成の題目・目的、建前を投げ捨てて、不良債権の早期処理のために、買収ファンドを利用する法律へ変質させるからです。
わが党は、創業、ベンチャー企業や新規事業の振興を極めて重視しております。現行法の下で、地域ファンドの設立なども注目するべきものです。
しかし現行法の到達点は、中小ベンチャー企業にとって多くの課題を残しています。政府が、本来の立法趣旨に立ちかえるべきことを指摘しておきます。
第二は、本法案は、買収と事業再生ファンドが、ハイリスク・ハイリターンを追求し、二重課税を回避するための法整備だからです。その上、こうしたリスクの大きな投資ファンドを年金基金の受け皿とすることも、容認できません。
本法案は“先に投資ありき”の法案であり、賛成できません。
以上、申し述べて、反対の討論を終わります。