日本共産党

2004年4月1日 参議院 経済産業委員会 日本共産党 緒方靖夫議員

産業技術総合研究所法「改正」案 鉱山保安法改悪案 反対討論

 私は、日本共産党を代表して、産業技術総合研究所法の一部を改正する法律案、鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。

 まず、産業技術総合研究所法の一部改正案についてです。

 産業技術総合研究所の公務員身分の保障は、全体の奉仕者として職務に専念し、困難な基礎的、基盤的研究や中期的研究を推進し、公害や環境研究、採算が期待されない標準の供給や地質調査など、利潤追求を最優先とする民間企業では担えない研究、さらには国を代表して国際共同研究を行うとともに、産官学連携を公共的、中立的な立場から進めるために不可欠であり、非公務員化は断じて認めることはできません。

 同研究所の非公務員化は、任期付き雇用などによる雇用の不安定化や産業化に向けたプロジェクトなどの短期的研究を優先する体制につながりかねず、また採用や兼業、共同研究に関して経営者や民間企業との癒着が生まれるなど、公的な機関としての中立性や公平性の確保が危ぶまれるからであります。

 次に、鉱山保安法及び経済産業省設置法の一部を改正する法律案についてです。

 改正案は、国などによる公的検査から事業者の自主検査への移行、事前規制型行政から事後チェック型行政への転換、保安管理機構の簡素化、国家資格試験の廃止など、安全・保安制度の抜本的転換、大幅な規制緩和を行うとしています。

 しかし、今回の改正では、企業の安全対策への負担軽減、企業に安全確保責任を果たさせる公的監視を弱めるなど、企業責任を免罪するだけで、鉱山の保安を確保し、国民の生命と安全を守るべき行政、国などの責任を放棄するものであり、認めることはできません。同時に、現下のリストラ・合理化で鉱山の保安体制が一層弱まる危険性があり、保安体制の強化充実こそ重要であることを強調するものです。

 また、国の鉱山への立入検査も鉱務監督官以外の職員も検査可能とするインセンティブ制度の導入で検査間隔を緩めるなど、従来の保安管理体制がより一層後退する危険性があり、国民の不安にこたえるものになっていません。この間の企業の自主確認、自主検査の問題で国民の生命、財産に多大な支障が生まれる産業事故を見ても分かるように、国の関与が重要になっていることを強調しておきます。

 なお、工業標準化法の一部改正案については、登録に当たっての基準にISO及びIECによる基準を採用し、従来の技術的水準が維持されることや、指定商品制の廃止もJISなどの表示を付した製品を普及させる上で効果的であり、反対するものではありません


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